「あー、違う違う全然なってねぇ。こうだよ!こう!何黙ってんだよ!ヘラヘラ笑ってりゃいいんだよ!あーあ、言わんこっちゃねぇ。言ってねぇけど。なんで分かんねぇんだよ。馬鹿なのか!?」 甘井凛「(コイツらは勉強も運動もパッとしねぇけど、プライドだけは高いんだ。その辺傷つけねぇようにヘラヘラ調子合わせてりゃいいんだよ。そうすりゃ他の連中に的にされることもない。たまにはおいしい思いもできる)」
虎杖悠仁「やめろよ」 甘井凛「(馬鹿がもう一人…)」 「あの学ラン西中?」 「中坊かよ」 「タメ口だったなぁ」 「そんな君にィ〜〜〜指導ォ!」 「暴力反対!」 虎杖悠仁「アンタは?」 甘井凛「お…俺…?」 『死滅回游泳者 虎杖悠仁 甘井凛』
伏黒恵「おい、池袋を通って新宿に向かうつもりならやめろ。この辺は物資が豊富だ。プレイヤーとの遭遇率も上がる」 麗美「ここを通る理由は2つ。道がわかりやすい。近くに私の拠点がある。シャワーくらい浴びさせて。昨日からろくに休めてないの」 甘井凛「日車はここの劇場を拠点にしてる。移動してなければだけど」 虎杖悠仁「おおっ、マジで助かった!ありがとう!」 甘井凛「ちょ、ちょ、ちょっと待てって!」 虎杖悠仁「何?」 甘井凛「マジで行くのか?」 虎杖悠仁「仲間と合流したい所だけど急ぎだからなぁ」 甘井凛「俺は日車に会ったことないけど、あの羽場さんがコテンパンにやられたんだ」 虎杖悠仁「じゃあ大丈夫!ヘリ頭に勝った俺も逃げるくらいはできるってことだろ」 甘井凛「うっ…そーかも」 虎杖悠仁「そんじゃなー」 甘井凛「(言え…!言うんだ俺…もうこんなこと止めよう…!)…ごめん虎杖!」 レジィ「日車?あー…残念ながら俺はレジィだ。君騙されたの♡」 麗美「なにその顔、全ッ然怖くないんだけど。言っとくけどレジィ様マジで強」 伏黒恵「喋るな。時間の無駄だ」
虎杖悠仁「風呂?」 日車寛見「誰だ、そこで何をしている」 虎杖悠仁「アンタこそ」 日車寛見「君は服を着て風呂に入ったことがあるか?思っていたより気持ちがいい。そうだ、俺は小学校の頃着衣水泳の授業が好きだったんだ。最近色々とどうでもよくなってな。やってはいけないと思い込んでいたことにチャレンジしているんだ。30半ばを超えてグレてしまったわけだ。笑うか?」 虎杖悠仁「ちょっと面白い。アンタ日車だよな」
日車寛見「いかにも」 虎杖悠仁「話がしたい」 日車寛見「待て待て待て!俺は弁護士だ。俺と話すと30分5000円の相談料が発生するぞ」 虎杖悠仁「えぇ…」 日車寛見「冗談だ。ちょっと嫌な弁護士を演じてみたくてな」 虎杖悠仁「そっか…(さっきからコイツ…) アンタ100点持ってるよな (受肉した過去の術師じゃない。術式が開花した現代の術師だ!話が通じる!交渉の余地がある!) えーと、端的に俺達は死滅回游を終わらせたい。あ、タンマ、終わらせるっていうよりは殺し合いの強制を無効にしたい。そのためのルール追加に日車の100点を使わせてくれ」 日車寛見「俺も端的に言おう。断る」 虎杖悠仁「それも冗談か?」 日車寛見「俺はただ死滅回游に可能性を感じている。時に法は無力だ。だが死滅回游のルールはどうだ?私に与えられた呪術が本物ならばルールも本物なんだろう。告訴も公訴も必要ない。真偽を争うこともなくルールを犯した者は物理法則のように罰せられたら?素晴らしいことじゃないか。ルールに問題があるのは認めるが、回游の土台の結界術は見守りたい。すぐ終わってしまっては困る。特にルール二と八。術式の剥奪は一度見届けたい」 虎杖悠仁「死滅回游はそれ自体が儀式だ。もたもたしてるとこの国の人間全員死ぬぞ」 日車寛見「…ガセだな。死滅回游は永続を謳っている」 虎杖悠仁「(それは俺もよく分かってない!) 言い方を変える。100点を使わせろ日車」
日車寛見「気に入らない奴をブチ殺したことはあるか?思っていたより気持ちがいいぞ」 |