『三代の領域は彼が相撲を取るためにのみ機能する。それ以外を全て削ぎ落した結界』
三代六十四「落ち着きなよ嬢ちゃん。せっかく肉が緩んでるぜ。相撲は好きかい?取ろうぜ相撲」 『純粋な相撲勝負。呪術的な縛りの要素を排除するために領域は招き招かれた。両者が了承しない限り完成しない』 三代六十四「取らねぇのか!?相撲」 禪院真希「いいぜ」 加茂憲紀「真希!?」 三代六十四「マジでぇ~~~~!?」 加茂憲紀「何を考えている!」 禪院真希「考え過ぎてる。少しスッキリさせてくれ(私には何が見えていない?私には何が)」
三代六十四「相撲サイコー。だがこんなもんじゃないだろうお嬢ちゃんは。立合った瞬間分かったぜ。正面から組めば喰われると」 三代六十四「話してみろ。何故集中できない?何を考えている?」 『真希には師と呼べる人物がいない。拒否していたわけでも慢心していたわけでもない。強くなるために他者を頼るという発想がなかった』
三代六十四「成程。あの時の言っている意味が分からんと。俺は分かるぞ。立て。相撲を取るぞ。俺はそれ以外伝え方を知らん。嬢ちゃんは囚われ過ぎてんのさ。自分…相手…呪い…。言ってしまえば“人間”だな…。でも相撲ってそういうもんだろ?そうだな、輪の中で一対一、人間がぶつかり合う謂わば“こみゅにけーしょん”…。だがその人間は輪の外で作られている。土俵の中の人間を突き詰めていくには土俵の外に出るしかねぇのさ。本当に出るわけにはいかねぇけどな」 三代六十四「ぶつかり合った瞬間、土俵に上がるまでの全てが互いに流れ込んでくることがある。光を嗅ぐように、音を見るように、相手の全て、自分の全てが感じ取れる。そうなったら目の前の肉体も勝敗すら意味を成さない。侍が言いてぇのはそういうこと…つまり自由さ。あとはもう体感するしかねぇよ。取ろうぜ相撲」
禪院真希「絶好調」 |