宿儺「堕天は俺だ」 虎杖悠仁「は?」 伏黒恵「……?虎杖?どうした?」 虎杖悠仁「…ちょっと具合悪いかも…来栖、横になりたいからソファ譲ってくれない?」 来栖華「いいですよ」 髙羽史彦「ハライタ?」 虎杖悠仁「…いや」
《堕天!オレ!の中!宿儺!》 伏黒恵「(分からん…何が言いたいんだ?でも移動したってことは来栖に知られたくない話…来栖…?いや天使か…五条先生の封印を解くには天使の協力が不可欠!協力条件は堕天というプレイヤーを殺すこと!だが堕天は宿儺!?つまり天使の標的は虎杖悠仁!)」 虎杖悠仁「(つたわってる?)」 伏黒恵「(また問題にブチ当たった!だが今の一番の問題は虎杖が……)」 虎杖悠仁「(なんで宿儺はわざわざ俺に口止めしたんだ?それはきっと天使に復活の余地なく完全に宿儺を殺すだけの能力があるからだ)」
宿儺〈断言する。奴に自死する度胸はない〉 虎杖悠仁「(まだナメてんのか?一回死んでやったのを忘れたのか?点は貯まった。伏黒はもう大丈夫。先輩らがまだルールを追加しない理由が分からんが、それが終わったら死んでやるよ。俺が死んで半分以上の宿儺が消えて五条先生が復活かる。安いもんだ)」 伏黒恵「(問題は虎杖が自ら命を投げ出すこと)」 天使「…妙だ。すごい数の人間が結界に侵入している」 伏黒恵「分かるのか?」 天使「私じゃない。コガネ!」 コガネ「はい」 天使「10分前から増加したプレイヤーの数を出してくれ」 「マジ?」
『2018年9月』 羂索「負の感情、ストレス、これらが呪力というエネルギーとなって日本人から常に微弱ながら漏出しています。それらが蓄積して生まれるのが“呪霊”…所謂妖怪や怪異と呼ばれるものです。呪力をコントロールし、皆さんの言うところの超能力を発現することのできる人間、それが“呪術師”です」 羂索「これらは殆ど日本人でしか確認できない現象です。勿論例外はあります。呪霊は一般的に肉眼で視認することはできません。可視光線の波長範囲でありながら脳が認識できずカメラにも写りません。第二の光の姿なのです」 「これは?」 裏梅「呪術師が使い込み呪具化した眼鏡です」 「(美しい…)」
裏梅「スクリーンのような役割をしてくれます。これをかければ呪霊や呪力で象られたものも見ることができます」 大統領「と言うと?」 羂索「非術師が見えないのは呪霊だけではないのです。術師が引き起こす超常も同様に視認することは難しい」 「なんだこれは!トリックだ!ARでVRだ!」 大統領「俺VR酔うんだよなー!」 サイラス「その次元の話はもう済んでいますよ」 大統領「サイラス!」 サイラス「クールにお願いしますよ大統領。これは金脈の話です。逃せば世界に遅れをとりかねないね」 『米国エネルギー省 エネルギー・環境担当次官 サイラス・ヴェイル』
裏梅「こちらに敵意はありません。どうかご着席ください。先程申し上げた通り呪霊や呪術は肉眼だけではカメラにも写りません。今からお見せするのは“傀儡操術”と呼ばれる人形を操る術師が人形と視覚を共有する技術を応用して残した映像です」 「ふっ、まるで映画ですね」 大統領「IMAXで観られないのが惜しい出来だ」 サイラス「分からないんですか?大統領」 大統領「何が!?」 サイラス「呪力はエネルギーです。石油、天然ガスといった化石燃料、太陽光や風力・地熱などの再生可能エネルギー全てにに取って代わる人類史上最もクリーンなエネルギー!特にあの白髪の男、下手したら彼一人で国の電力を賄えます」
大統領「まさか!冗談だろう!?」 サイラス「そう!冗談のような国の転機なのです!兎にも角にも呪術師という資源を一早く手中に収め研究すべきです!」 羂索「11月、東京が停止し実質治外法権となった場に呪術師が集い儀式を行う。どうします?大統領」 大統領「まさか呪術師を…!研究サンプルとして日本国民を拉致しろというのか!この私の権限で!」 |