パンダ「お、いたいた伏黒」 伏黒恵「パンダ先輩」 パンダ「そうか、虎杖は秤と接触できそうなんだな」 伏黒恵「パンダ先輩はなんでまだ秤先輩と会えてないんですか?」 パンダ「居場所は分かってんだけどな、屋上にあるモニタールーム、そこが定位置だ。でもなぁ、近づけないんだ」 伏黒恵「近づけない?」 パンダ「屋上に出てからドアに近づいても距離が縮まらないんだよ。歩いても走ってもダメ。感覚としては悟の術式と近い気がする。多分綺羅羅の術式なんだが俺はよく知らん」
伏黒恵「きらら…?もう一人の3年って男でしたよね」 パンダ「男だよ」 伏黒恵「それって綺羅羅さんが部屋にいる時だけに起こる現象ですか?」 パンダ「分からん。秤と綺羅羅が一緒じゃない時がない。深追いして逃げ回られるよりはと思って客寄せパンダに徹してたんだ。良かったよ、2人が来てくれて」 伏黒恵「どうですかね、虎杖はうまく説得できると思いますか?」 パンダ「厳しいな。虎杖よりも秤の問題だ。でも、時間次第とも思ってるよ。虎杖の根明で人たらしな性格は秤と相性いいと思う。でも虎杖嘘下手だろ」 伏黒恵「下手っていうか嘘をつくって発想が出にくいタイプですね。ある程度指示は出してますよ」 パンダ「だがまぁ、虎杖が高専関係者ってことがすぐバレたとして、ろくに話もせず部屋からつまみ出されたり、仲間に割って入られるのが一番よくない。つーわけで、俺は虎杖が部屋に入った時点で立体駐車場を速攻コッソリ制圧、扉の前を固めて2人が話す時間を稼ぐべきだと思う」 伏黒恵「いやそれは…」 パンダ「大丈夫、殺すわけじゃない。寝ててもらうだけだよ」 伏黒恵「防犯カメラがありますよ。交渉の場がモニタールームじゃバレずになんて…」 パンダ「カメラの位置と死角は把握してる。それに俺の方は多少見られても問題ない。まともな術師は秤と綺羅羅だけだしな」 伏黒恵「見張りの人数は?」 パンダ「入口4、屋上以外の各フロア2だ」 伏黒恵「…いけますね。懸念事項は綺羅羅さんの術式ですね」 パンダ「もうそれは仕方ない。ワープのように虎杖を出したり仲間を入れたりできる場合、秤の説得は諦めよう」
星綺羅羅「悠ちゃんまだ高1なんだぁ。若いねぇ」 虎杖悠仁「悠ちゃん…」 星綺羅羅「秤ちゃんは中学ダブってんだよ」 虎杖悠仁「なんか嬉しそうっスね」 星綺羅羅「フフまぁね。金ちゃんが久しぶりに熱くなってるからね。私はね、熱い金ちゃんが大好きなの」 「おい見ろよ」 「…ギョニソ食うかな」 「いや、アイツトーナメント出てたろ」 パンダ「ギョニソはもらってくぜ。非常階段はカメラなーし♪」
パンダ「よ」 伏黒恵「パンダ先輩、本当に大丈夫ですか?これが原因で後でモメたり…」 パンダ「ダイジョブダイジョブ〜♫さっさとドア固めちまおう」 星綺羅羅「パンダちゃん!?」 パンダ「ゲッ (綺羅羅…!秤と一緒じゃなかったのか!)」 星綺羅羅「(と、トゲ頭の子…!パンダちゃんの手引きで侵入したってことは高専の人間…!?ってことは悠ちゃんも高専の人間…!金ちゃんが危ない…!)」 伏黒恵「玉犬 渾!」
伏黒恵「(玉犬がフッ飛ばされた!?いやパンダ先輩の話から察すると…近づけなかったのか!) ん?」 パンダ「お?」 星綺羅羅「(パンダちゃんはマーキング済みだもんね)」 パンダ「(部屋に…秤の所に戻るつもりか!)待て綺羅羅!俺達は敵じゃない!秤に頼みがあるだけだ!」 星綺羅羅「信じらんない!見損なったよパンダちゃん」 パンダ「あっこれ俺もお前に近づけないヤツだな」 伏黒恵「玉犬!」 伏黒恵「(近づけないのは綺羅羅さんも同じか…綺羅羅さんに近づけないだけじゃない…玉犬と離れられない!?どういう術式だ!?)」
秤金次「虎杖 “1日1時間あることをするだけで月収100万円に…!” って言われて信じるか?」 虎杖悠仁「ん?」 |