伏黒恵「(アクルックス!?ガクルックス!)」 星綺羅羅「(凄い量…何のつもりかな…私の術式は呪力にマーキングするから式神は術師と同一に扱われる。このままだとさっきの犬みたいに引き寄せられた自分の式神に押し潰されて窒息するよ)」
伏黒恵「パンダ先輩!脱兎どうでした!?」 パンダ「俺の次にカワイかった!」 伏黒恵「💢何に近づけて何に近づけなかったか聞いてんですよ!」 パンダ「俺とそっちの二階は問題なく行けてた!綺羅羅とモニタールームの扉は駄目だ!」 伏黒恵「パンダ先輩の体のどこかに★マークと名前がついてませんか!?」 パンダ「え…?あ!?I…MAI…」 伏黒恵「(俺もどこかに…)」 パンダ「イマイ!?今井って書いてるー!」 伏黒恵「あった!(脱兎と同じアクルックス!玉犬にもあるんだろうな。まだ何も分かりはしないがここは) 分かりました!この術式のタネは星座です!」 星綺羅羅「(そこまでなら分かる奴は分かる)」 パンダ「星座?」 伏黒恵「モチーフの星座は…南十字」
星綺羅羅「クソ!(顔に出た!お互いに…!“マジか”って顔したなぁ〜!?私の術式のモチーフが南十字星だという確信はなかったんだ!けど、私“マジか”って顔しちゃった!確信を与えちゃった!このまま術式を看破されれば部屋に入られる。ここで足止めをする!)」 伏黒恵「(マジで南十字だった。津美紀に感謝だな。でもこれ以上は何も知らん。つーか、南十字座って4つじゃないのか?)」 パンダ「伏黒~何が何だか」 伏黒恵「(やっぱりパンダ先輩とは近づける) 先輩、南十字座って星4つですよね?」 パンダ「え…そりゃ十字だし…」 伏黒恵「…そりゃそうなるよな…綺羅羅さんの術式はそれぞれに南十字の星を割り振って適当な距離を取らせるものだと思ったんです。でも、綺羅羅さんは扉に近づけるし、俺とパンダ先輩同士も近づける。だからこの術式はルートの決められたスタンプラリーとかすごろくみたいなもので、それぞれに近づける順番があるんじゃないかと思います。それで同じ星はくっつく」 パンダ「術師本人は術式対象外なんじゃないか?」 伏黒恵「それはないです、本人も玉犬と距離を取らされてました」 パンダ「単純に俺達の星と綺羅羅と扉の星が反発するようになってるとか」 伏黒恵「だったら綺羅羅さんが今部屋に逃げ込まないのはおかしいですよ」 パンダ「あ、そか、内側で扉にベッタリされたら詰むもんな」
伏黒恵「今綺羅羅さんは俺達が何かしら条件を満たして、自分の目の届かない部屋に侵入されることを警戒してる」 パンダ「となると、星は5つ以上だな」 伏黒恵「はい。スタンプラリー説が正しかったとして星が4つなら、俺かパンダ先輩は綺羅羅さんに近づけるはずなんで間に5つ目の星があって、そこを経由しないと綺羅羅さんと扉に近づけない」 パンダ「6つ7つあったらどうする」 伏黒恵「流石にないと信じたいですね。十字で5つでも意味がわかんないのに」 星綺羅羅「(バレたなら、攻めるでしょ!)」 伏黒恵「パンダ先輩!」 パンダ「問題ない!伏黒!★を探せ!ふんっ!」 伏黒恵「投げちゃ駄目ですよ!先輩と同じイマイの★を車につけたんです!俺と玉犬の時みたいに投げても戻ってくるか引っ張られますよ!(★をつけるには多分対象に触れなければならない。でも俺も脱兎も綺羅羅さんに触れられてない…!触れられたのは玉犬だけ。つまり綺羅羅さんは物ではなく呪力に★をつけてる!扉や車のような物に★をつけるには!予め誰かしらの呪力を篭めなければならないんじゃないのか…!?やっぱりだ!車から綺羅羅さん以外の呪力の残穢!術式範囲が広くないのであればもう1つの★の残穢も…あった!5つ目の★!)」
伏黒恵「俺達3人以外の残穢はもう見当たらない。綺羅羅さんは既に自分の呪力に★をつけていて、物に俺と同じアクルックスの★をつけるために自身の呪力は使えないから、さっきの車のように俺に物は飛ばせない!俺の読みが正しければこれで綺羅羅さんに近づけ…)」 『伏黒の仮説は正しい。綺羅羅の術式「星間飛行(ラヴランデヴー)」は南十字座をモチーフとし、5つの★を対象の呪力に割り振る。★が別の★に接近するには定められた順序を守らねばならず、同じ★同士の対象は一方が一方に引き寄せられる』
『順序とは星座の奥行き。平面的に見える星座にも当然奥行きがあり、地球からの距離はそれぞれ異なる。綺羅羅によりアクルックスの★をつけられた伏黒は、扉に到達するまでミモザ→ギナンを経由しなければならない』 星綺羅羅「君凄いじゃん。マジで私の術式のこと分かってるんだ。でも、物分かりが良すぎてもう物は飛ばせないって決めつけてたんじゃない?私の呪力についた★…ギナンをはずして君と同じアクルックスの★をつければいいだけじゃん」 星綺羅羅「なっにいぃいい!?(なんで!?どこから!?いやそうか!あの子まだ一度も犬の式神を解除してなかったんだ!同じ★同士、どっちが引かれるかも見破られた!?自分と式神の間に壁を挟んで引き寄せられる式神を壁につっかけておく…そして、私が線上に立ったら犬を放つ!」 星綺羅羅「星間飛行(ラヴランデヴー)…解除!」
伏黒恵「話聞いて下さい」 |