日下部篤也「羂索の方は髙羽で隙を作り乙骨で刺す。条件は五条が負けた場合それが確定したタイミングで。でもこれマジで乙骨の蜻蛉返り必須だからな。頼むぞマジで。問題は宿儺戦だが総力戦とはいえまずは誰が参加するか決めねぇとな」 鹿紫雲一「コイツら阿保か?総力戦なんだから全員だろ。まずは俺だが」
日下部篤也「隙も作れねぇ100%瞬殺される奴前線に出してなんの意味があんだよ。例えばウチの三輪。そもそも実力不足な上、渋谷で“今後刀を振るわない”縛りを自らに科した」 三輪霞「その一振りも素手で防がれたんですけどね、タハハ」 日下部篤也「天元サマと日本にいる人間の超重複同化は術師であれば呪力で拒絶できると思う。宿儺と羂索が勝ち残って同化で生まれたバケモンが世界中をメチャクチャにしても生き残る可能性は0じゃない。まぁプレイヤーになってる奴は羂索が生き残ればまず殺されるが、それでも数日は長生きできる。宿儺だけ勝ち残ればもっとな」 加茂憲紀「すまないが私は降りる。役に立てそうもないからな。少なくとも家族を傍で見守りたい。これから家族を連れて海外に逃げるつもりだ。本当に」 日下部篤也「あーいいっていいって。いちいち言わなくていい。公開処刑じゃねぇんだから。この戦いは役に立てる奴の方がおかしいっちゅー話だ」 虎杖悠仁「俺は先輩に色々と教えてもらえて助かったよ。脹相は教えるの下手だから」 加茂憲紀「…そうか」 日下部篤也「反転術式が使える奴、死にたがってる奴、死んでもいいって思ってる奴、それ以外は不参加かサポートだ」 日車寛見「鹿紫雲の後は俺が出る。俺の術式で宿儺の術式を没収する」 鹿紫雲一「俺の負けを前提に話を進めんのムカついてきた」 秤金次「仮!仮りだ!五条さんに順番譲ってくれて感謝してる!」 鹿紫雲一「まだ納得してねぇよ!」
日車寛見「“死刑”が取れれば“処刑人の剣”で宿儺と戦える」 日下部篤也「一撃必殺の剣か…それはマジでありがてぇが没収も死刑も確実にとれるわけじゃないんだろ?」 虎杖悠仁「ジャッジマンが宿儺のどの罪状を取り上げるかによる……そこは日車にも選べないってことでいいんだよね」 日車寛見「ああ」 虎杖悠仁「俺と宿儺が入れ替わったのは高校・少年院・渋谷の3回。そのうち少年院と渋谷ではかなり死者が出てるし伏黒に移ってから今までそれから新宿でも好き勝手やるだろ。起訴内容がかなり絞られるから結構な確率で死刑までいける罪状を引けるんじゃねぇか?」 日車寛見「…正直厳しいな。今までの宿儺の情報をまとめると、虎杖のいた高校での宿儺の行為は、虎杖に対する傷害(肉体乗っ取り)、五条悟に対する殺人未遂。少年院で虎杖に対する殺人既遂。これは虎杖が生き返ってるから未遂かもな。伏黒恵に対する殺人未遂。渋谷では呪詛師の女子高生2人に対する殺人既遂、市民多数への殺人未遂、サイドテールの呪詛師への殺人既遂、現住建造物放火、そして伏黒恵の肉体の乗っ取りだが伏黒恵の状態次第では傷害、殺人既遂、死体領得罪などが考えられる」
虎杖悠仁「少年院はもっと酷かったぞ」 日車寛見「宿儺の指…呪物による被害では宿儺を罪に問うのは難しいな。間接的には宿儺のせいだが彼が教唆幇助しているわけじゃない。同じ理由で吉野順平の母の件も難しいだろう。殺人罪の量刑相場として1人殺したら懲役10~15年、2人殺したら無期懲役や死刑、3人以上殺せば基本的に死刑だ。宿儺の行為は残虐で身勝手、社会的影響も重大な上、更生させるのは不可能だ。永山基準として照らし合わせてまあ死刑だ。普通の裁判ならな」 三輪霞「ナガヤマ?」 日下部篤也「……成程」 三輪霞「えっっっ!?日下部さん分かったんですか!?分かったフリでしょ!?」 日下部篤也「オマエ基本俺を舐めてるよな」 日下部篤也「普通の裁判なら全ての罪状ひっくるめて宿儺は死刑だよ。でも日車の術式…ジャッジマンは一つ一つの罪状を取り上げて起訴する。今あげた罪状だけなら3割弱で死刑までいけるかもな。だが問題は本来は重い罪に吸収される細かい罪だ。例えば人を刺せば傷害罪や殺人未遂に問われるが、同時に服も破れるわけだから厳密に言えば器物損壊罪も含まれる」 日車寛見「ジャッジマンが宿儺の渋谷での虐殺行為を器物損壊罪や建造物侵入といった視点から起訴する可能性があるんだ。その場合、死刑を勝ち取るのは難しい」 虎杖悠仁「ジャッジマンはおれがパチ打ったのも取り上げたやつだから…全然あり得る」 日車寛見「そうだ、逆に宿儺が受肉時の虎杖の軽い罪に問われることもある」 「オマエなにしてんの?馬鹿なの?」 日車寛見「さらに問題なのは千年前の罪だ」 三輪霞「いや流石にそれは時効なんじゃ」
日車寛見「明治時代に近代法が導入された。近代法には時効の概念がある」 虎杖悠仁「じゃあ時効か」 日車寛見「2010年に刑事訴訟法が改正されて殺人の時効はなくなった」 虎杖悠仁「時効じゃないってこと!?」 日車寛見「いや1985年以前の殺人には時効が成立している」 虎杖悠仁「時効じゃん!」 日車寛見「だが平安時代の養老律令という法体系には時効がない」 虎杖悠仁「ほな時効違うか…マジでどっちなの?」 日車寛見「分からん。犯人が国外にいると時効の連行が停止する。受肉前の宿儺の扱い次第では近代法でも時効が成立しないかもしれない」 秤金次「あの世を海外と仮定されるとか?」 日車寛見「まさに、ジャッジマンは俺の術式に備わっている式神だ。俺があり得なくもないと思っているならジャッジマンもそうなんだろう」 日下部篤也「つまり千年前の罪やジャッジマンの裁量を加味すると宿儺の余罪は計り知れない。その中から死刑が視野に入ってる罪状をピンポイントで起訴できる確率はかなり低いってことだな」 秤金次「有罪から没収まではまずいけるんだろう。それだけでありがたい」 日車寛見「だが術式の没収が十種影法術と御厨子両方に適応されるのか分からん。片方だった場合……」 日下部篤也「……いやそれでもめちゃくちゃ助かるけど…」 虎杖悠仁「……あるかも…確実に宿儺を死刑にする方法…!」
冥冥「五条君、羂索、宿儺やっぱりこのレベルの連中には落とされちゃうかなぁ。でもみんな直撃を避けてるってことは当たればそれなりなのかな?気は逸らせた。後は頼むよ日車君」 宿儺「(!?今のは?)」 日車寛見「虎杖、やり直しだ。領域展開 誅伏賜死(ちゅうぶくしし)」
虎杖悠仁「三審だ。あの時の俺と日車の裁判を宿儺を巻き込んでやり直す。これなら渋谷の大量殺人で宿儺を起訴できる!」 日車寛見「……!誅伏賜死は一審・二審・三審の罪状がランダムだ」 虎杖悠仁「あぁ!じゃあ駄目か!」 日車寛見「いや、既に裁決が出ている罪を俺から再審請求すれば共同被告人として宿儺を加え同じ罪状で裁判を続けることは不可能じゃない。なぜなら俺にメリットがない。あくまで術式対象は虎杖だからな。失敗したとしても罪状を虎杖に受肉してる間に絞ることができる」
ジャッジマン「虎杖悠仁には2018年10月31日渋谷にて大量殺人を犯した疑いがある」 日車寛見「彼は殺してない。二審での自白は重い責任感に駆られ出た虚偽のものだ。真犯人は……」 『形勢逆転なるか!?決死の法廷バトル開廷!』 |