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BUNGO STRAY DOGS | |
原作(Original Story): 朝霧カフカ(Kafka Asagiri) 文豪ストレイドッグス 第101話ネタバレ | |
第101話 水底に漾ふ | |
配信日 | 2022年5月2日 |
ヤングエース | 2022年6月号 |
アニメ | 第58話 人外魔境(其の一) |
単行本 | 第23巻 |
登場人物 | 太宰治 フョードル シグマ 中原中也 |
STORY | |
『ムルソー』
シグマ「本当に大丈夫なのか?敵はあの重力使い中原中也。戦闘能力は我々より圧倒的に上だ。肉挽き機から逃げているのと同じ状況だぞ」 太宰治「大丈夫さ。この七年間毎日中也を殺す方法を考えてきたからね。それに天使も助けてくれるし」 シグマ「天使…先刻も言っていたな。もしかしてそれは外部協力者の助言か?」 太宰治「三歳にしては鋭いじゃないか。慥かに私は安吾と連絡を取っている。私は伝えたい内容を数値化して自分の心拍数でその値を再現。それを体内の検知器に読みとらせ、外の安吾が受け取った数値を解読しているのさ」 シグマ「嘘だな。少なくとも真実の半分でしかない。何故ならその方式には欠陥があるからだ。その方式ではこちらから情報を送る事しかできない。一方通行だ。地上の情報はどう受信する?」 太宰治「いい指摘だ。もちろん方法はある。ドストエフスキーすら欺く鉄壁の受信方法がね。当ててみるかい?わかれば君はドストエフスキー以上だ」 太宰治「(素直。彼は敦君系だな)」 シグマ「(太宰はどうやって外から情報を得ているか?手紙や隠し無線機の類は無理だ。監獄側で徹底的に調査される。では何かの異能?例えば会話のような…いや駄目だ。太宰は異能無効化のせいで念話を受け取れない。一体…) クイズ大会を楽しんでる場合か!時間がない!早く話せ!ドストエフスキーより先に脱獄しなければ」 太宰治「脱獄なんかしない」 シグマ「は?何を言ってる?愈愈おかしくなったのか?脱獄しないならどうやっ勝つ?」
太宰治「簡単だよ。勝負の時間内にドストエフスキーを殺す」 🔊「無効な入力番号です。重大な収容違反が発生しました。閉鎖シークエンスを開始します」 フョードル「中也さん」 シグマ「(ここは…中央警備室…!?)」 フョードル「(…ッ…既に回線まで…) これはまずいですね」 太宰治「一度閉じた隔壁は絶対に開かない。そして注水の解除方法もない。世界最高の監獄は伊達じゃないって訳さ」 シグマ「何をしている!?その扉を開けるな!この先の警備制御室はムルソーの心臓部だぞ。中の武装警備に撃ち殺されたいのか!やめろ」 太宰治「もう開けちゃった♪」
シグマ「…嘘だろ…全員倒されている…お前がやったのか?だが扉は今開けたばかり…一体どうやって…」 太宰治「時間を止めたのさ」 シグマ「待て太宰。時間を止めただと!?あり得ない。お前の能力は異能無効化だろう。はぐらかすな」 太宰治「このムルソーは危険異能力者の見本市だ。古今東西の異能が揃っている。そんな内に其奴が居る。異能犯罪者。彼女は世界一の盗賊だ。南米で政府の軍事機密を八つ盗んでお縄になった」 太宰治「彼女の異能力は面白いよ。数秒の間、自分以外の時間を停める。効果範囲は彼女の周囲数km。そんな彼女と安吾は司法取引をした。彼女は刑期短縮の見返りに毎朝必ず時間を停める。安吾に指示された回数だけね」
シグマ「……?何だそれは?(意味がない。彼女は拘束されている筈…ならば時間を停めたところで逃げられない。となれば周囲の人間にとっても何の意味もない。時間が止まれば意識も止まる。故に誰も時間が停まった事にすら気付かないのだから) 待てよ…異能無効化!」 太宰治「その通り。私だけは停まった時間の中を動ける。そして停まった時間の中を動いて警備室を制圧した。動かない警備員を気絶させるのは寝ている猿を斃すよりも簡単だったよ」 シグマ「(こいつ…)」 太宰治「さて、これで先程の宿題の答えも出るね」 シグマ「そうか!外から連絡を受け取る方法」 太宰治「そう。毎朝の時間停止の長さと回数がそのまま暗号になっているのさ。そして判るかい?」 シグマ「その方法なら太宰以外には絶対読み取り不可能 (つまり最初からドストエフスキーに勝ち目はなかった。そして太宰は警備室を制圧し暗証番号を変更、ドストエフスキー達を閉じ込めた。開始早々出口とは逆にフラフラ歩いていったのも警備室へ向かう為…すべて計算通りだったのか!)」 フョードル「ぼくは殺せませんよ」 太宰治「いいねその反応。だがどう脱出する?異能力で脱出しようにも壁は破壊不能。それに中也の重力は“触れたモノ”に発生するから粉末や液体はやや苦手だ。では君の異能かな?だとしたら面白いけど…察するに君の異能はこの状況を破れる類のモノじゃない。だからこの罠を選んだ」 シグマ「(勝つぞ。このままなら本当にあの超人二人を相手に太宰一人で…)」 太宰治「中也、君ともお別れだ。こんな事になって残念だよ。出逢ってから七年。君とはいがみあってばかりだったね。でも…今思えば時には心を通わせた瞬間もあった。例えば…………」 太宰治「ごめん特になかった!それじゃグッド・バイ♪」 |
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