文スト | 第24巻105.5話『隘キ部屋ニテ 其の壱 後編』ネタバレ | Bungo Stray Dogs

BUNGO STRAY DOGS
原作(Original Story): 朝霧カフカ(Kafka Asagiri)
文スト 105.5話 ムルソー フョードル ドスくん 太宰治 ネタバレ 文豪ストレイドッグス 漫画 Bungo Stray Dogs Chapter 105.5 BSD
文豪ストレイドッグス 第105.5話ネタバレ
第105.5話 隘キ部屋ニテ 其の壱 後編
配信日2023年2月3日
ヤングエース2023年3月号
アニメ第59話 人外魔境(其の二)
単行本第24巻
登場人物太宰治
フョードル
シグマ
中原中也
STORY
『ムルソー 太宰&シグマ』
シグマ「…そうは思えない」
太宰治「何故そう思う?」
シグマ「答えずともお前なら分かるのだろう?太宰、お前は超人だ。たった一人でドストエフスキーを倒した。私など必要なかった。なのにあの時、何故私を選択した?有用な道具を捨ててまで何故私なんかを…」 
太宰治「理由は二つ。一つは国木田君の代役だよ。私の活躍にびっくりしたり感心したりして引き立ててくれる誰かがいないとつまらないだろう?」
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シグマ「💢触るな!この期に及んでお前はまた適当な!」
太宰治「国木ぃー田君は元気かなぁ~」
シグマ「分かった。こういう事だろう?“私は真実を話す程の価値すらない”」
太宰治「違うよ。単に説明しても君には判るまいと思っただけさ。何故なら君は天人五衰を初め凡百組織に利用され続けてきたから、そんな君に理解は難しい…が、まあひとつ試してみるかい?その前にひとつ確認だ。君の異能は死体からでも情報を引き出せる…そうだろう?」
シグマ「ああ…死後間もなければ…」
太宰治「矢っ張りね。君を選んだ理由はそれだよ。ドストエフスキーの溺死体から今後の計画を読みとって欲しい。ドストエフスキーの異能は恐らく“触れた相手に発動する”ものだ。死んだ今なら問題なく奴に触れられる。奴の死体から今後の計画を抜き取り、空港にいる探偵社を扶けなくてはならない」
シグマ「空港…?探偵社?では私を選んだのも、ドストエフスキーを脱獄前に殺す戦略を取ったのも、すべて探偵社を助ける為…?」
太宰治「ま、これでも探偵社の俸禄を食む身だからね」
《シグマ、お前はもう用済みだ》
《悪いけどもう利用価値がないんだよね》
《君は使い捨ての手駒だよ》
《ありがとう。さようなら》
シグマ「(過去に聞いた言葉が急に頭の中で…何故だ?何故急に…)」
太宰治「そんな訳でこのエレベーターに乗れば目的地はすぐだ」
シグマ「警備機構は?」
太宰治「勿論中央制御室で切ってある」
シグマ「何をしている?」
太宰治「いや何、念の為、内部機構の確認をね。配線がこうで…」
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太宰治「よし罠もないね。では元気に出発!」
シグマ「…なあさっきの話だが、私を選んだ理由は二つあると言ったな?二つ目は何だ?」
太宰治「もし私が選ばなければ、君は勝負後ドストエフスキーかゴーゴリに口封じされていたよ」
シグマ「!それで私の命を助けた…のか?」
太宰治「………」
シグマ「(これ以上答える気はないという事か…探偵社とは一体何だ?太宰も所詮は他の連中と同じ“私を利用する者”…なのにこの感情は何だ?私は家が欲しかった。誰にも利用されずに生きる為の家が。皆、誰かを利用して生きるから…だが何故だ…探偵社は太宰を利用していないし、太宰は探偵社を利用していない)」
太宰治「奇怪しい…長すぎる」
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🔊「助け…私は何も関係な…だから助け…」
「私はっ!頼まれて時間停止の異能を使っただけなの!だから命だけは助けて!お願っ」
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フョードル「…さて太宰君、濡れて寒いので手短にお伝えします」
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シグマ「な…何だ今のは!?」
太宰治「やられた。時間停止の信号が途絶えた。恐らく時間停止の異能者、彼女が殺されたんだ」
フョードル「太宰君、正直なところ少し驚きました。洪水の試練にではありません。7年来の相棒でありながら重力遣いに洪水を防げないと考えたその絆の浅さにです」
太宰治「何?」
フョードル「隔壁のレールを事前に重力で歪めておいたのです。いかに世界一頑健な隔壁であろうと、その設計思想は“簡単に開かない”を実現する事。故に結果として、“開いた状態から閉じる”事もまた困難にしているのです」
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フョードル「隔壁の故障の為、完全に扉が閉まらず水が漏れました。重力を横向きに掛け、隔壁の隙間から脱出するだけ。この程度も思いつかないとは、重力遣いを使役する資質に欠けているのでは?」
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シグマ「馬鹿な!確かにそれなら脱出は可能かもしれないが、それは事前に“浸水攻撃がある”と知っていなくては不可能な対応だ!あり得ない」
太宰治「吸血種だ」
シグマ「何?」
太宰治「何日も前から警備の誰かを吸血種に変え潜ませていたんだろう。そいつからの連絡が途絶えた事で制圧を推測したんだ」
シグマ「(…!では太宰が警備室を落とす前にもうドストエフスキーは警備室をムルソーを支配していた…?)」
フョードル「とはいえ、危機に青ざめたのも事実です。洪水の試練は神の下僕たるぼくに相応しいものですが、ぼくは虚弱で風邪でも引いたら堪りません。そこで返礼として貴方達にも同じ試練を」
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🔊「エレベーターの不正使用が検出されまた。閉鎖注水シークエンスを開始します」
シグマ「駄目だ!扉も閉鎖されている」
フョードル「ではぼくはこれで…希わくば今際の際、貴方達の神の腕(かいな)に抱かれん事を」
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