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BUNGO STRAY DOGS | |
原作(Original Story): 朝霧カフカ(Kafka Asagiri) 文豪ストレイドッグス 第106話ネタバレ | |
第106.5話 隘キ部へ屋やニテ 其の弐 後編 | |
配信日 | 2023年4月4日 |
ヤングエース | 2023年5月号 |
アニメ | 第60話 人外魔境(其の三) |
単行本 | 第24巻 |
登場人物 | 太宰治 シグマ |
STORY | |
『ムルソー』 シグマ「(水面が炎上!?壁に予め透明な発火性燃料が塗られてあった…つまりドストエフスキーの攻撃…!頭を出せば焼け死ぬ。だが息が…)」 シグマ「(くっ、扉が堅い。水中で威力の落ちた銃では…)」
シグマ「(しまった!息が…駄目だ…息がもたない…苦しい…苦しい…空気を呼吸を誰でもいい…どうか…どうか私に息を……火が消えた!?)」 シグマ「(…そうか!燃料が燃え尽きたのか!助かった。もう少し…呼吸…苦しっ…だが間に合う。もう大丈夫だ。は?水面が遠ざかっ…太宰!?まずい…息か)」 シグマ「(私が甘かった。太宰は信頼出来るかもしれないと…矢張りこの男も魔人と同じ“あちら側の”)」
太宰治「駄目だ」 シグマ「(これは後になって気付いた事だが、密室内で炎が燃えれば、室内に酸素を急激に消費する。炎が消えたのは燃料が尽きたのではなく、酸素の消尽が原因だ。この空気を吸うとどうなるか?完全無酸素の空気を吸うと血液中の酸素が逆に奪われほぼ一呼吸で即死する。それはドストエフスキーが仕込んで四重の悪意。浸水の不安、火への恐怖、酸欠の痛苦、それが消えたことによる安堵と呼吸への誘惑。その誘惑に顔を出した者の首を死神は静かに刈り取り、犠牲者は声もなく安堵の笑みのまま死んでいくのだ。ドストエフスキーの悪意は底が知れない。太宰が止めなければ死んでいた。が、その僥倖も数十秒だけ、顔を出せないという事はこのまま溺死するしかないという事。駄目だ。もう息が…)」 シグマ「(?何か音が…扉に隙間が…何が起こった!?考えてる場合ではない。この機を逃すな。空気…今度こそ…)」
シグマ「(何となく分かってきた。太宰は扉の開閉を司る張力ワイヤーを破壊したのだ。扉と違い開閉機構そのものには装甲はない。拳銃でも破壊は可能だろう。太宰は何らかの方法でその内部構造を見抜き、装甲の弱い機構装置部分から手を突っこんでワイヤーを切断した。だが疑問がひとつ…太宰はどうやって問題のワイヤー部分を探し当てたのか?)」 シグマ「ぶはあっ!(生きている!呼吸しても絶命しない) 太宰!」 シグマ「(ドストエフスキー一体どこまで…落ちる。加速しきる前に扉の隙間から脱出せねば…だが無理だ。遠い…離れていく…死ぬ)」 |
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