宿儺「(瞬間移動の餓鬼を助けたのはあっちの術式だな)」
『回想』ミゲル《嫌だヨ。五条悟が負けるかもしれない相手?なにソレ。化け物とかそういう次元じゃないだロ。なんで俺がそんなやつと戦わなきゃなんないノ》 ラルゥ《そういう異次元の存在がヘトヘトになるから、その時はトドメを手伝ってって話よ、ミゲルちゃん》 ミゲル《ヘトヘトっテそんなポップな状態異常で済むかヨ》 ラルゥ《日本語上手くなったわね……語彙が……》 乙骨憂太《天元様との日本にいる人間の超重複同化の被害は日本国内では収まらないと予想されてます》 ミゲル《俺の祖国までデカい呪霊がゴジラよろしくやって来てモ宿儺とやるよりマシだと思ってるヨ。なんでオマエら日本人は陽気な黒人は何しても死なないと思ってるんダ?他の兄弟達のためにも俺はこの依頼を断らなきゃならン》 乙骨憂太《それ日曜洋画劇場世代だけですよ…三十代以上…》 ラルゥ《ミゲルちゃんが陽気だと思ったことないわよ》 ミゲル《そもそも五条本人が頭下げて頼みにくるべきだろ。日本人なら礼節を重んじろヨ》 乙骨憂太《土下座でもしまょうか?》 ミゲル《あ!逆ギレ!?おー怖!》 乙骨憂太《キレてない…》 ラルゥ《憂太ちゃん、ちょっとミゲルちゃんと2人で話をさせて》
ミゲル《ラルゥはどうするんだヨ》 ラルゥ《あなたと同じよ。私は傑ちゃんを王にしたかっただけ》 ミゲル《そうだ。俺は夏油だからついていったんダ。新宿で見逃してもらった義理は乙骨の面倒を見た時点で果たしたからネ。もうこの国に関わるつもりはないヨ》 ラルゥ《アナタと私、美々子、菜々子、真奈美、利久、みんなただ傑ちゃんが好きだった》 ミゲル《渋谷か…仇を討てっていいたいのカ?それとも羂索から夏油の肉体を取り戻せト?》 ラルゥ《違うわ。ただ一緒に弔おうって話。お墓参りに行ってご飯食べてじゃあまたねって手を振るように、一生懸命戦って天国に向かって元気でやれよって伝えましょうよ》 ミゲル《……どう考えても地獄だロ。条件があル。領域を使える相手に雁首揃えるような真似はしたくなイ。俺達がでるのは五条、乙骨が負けた後、宿儺が領域を使えなくなってる場合のみダ》 ラルゥ《達?私もなの?》 ミゲル《…友人は多い方がいイ》
『現在 新宿』ミゲル「へェ…領域はちゃんと封じられてるネ。いい冥土の土産ダ五条悟」 ラルゥ「逆土産ね。反転術式もかなり控え目、4本腕のうち下左腕は欠損、下右腕は戦闘に使えてないわ。そして治りきらない心臓…!」 ミゲル「申し訳無くなってきたナ。これじゃ美味しいとこ取りダ」
『ラルゥの術式。“心身掌握(ハートキャッチ)”は、術式対象を掴む。仮想の手は破壊されても何度でも復元可能だがダメージは10分の1で本体であるラルゥに還元される』 宿儺「(まぁ特に面白味のない術式だな。見所があるのはやはり)」 『ミゲル・オドゥオールの術式 “祈祷の歌(ハクナ・ラーナ)” 肉体で刻むビートは呪いを退け、自らの身体能力を強化向上させる』
五条悟《ミゲルの術式自体はさ、領域なしで自分と相手のバフデバフを引き出すって感じで便利だけどそこまで怖くはないんだよね》 ミゲル《おいなんで俺の術式を知っていル》 五条悟《見りゃ大体分かんのよ。やっぱおっかないのはその肉体だよ。呪術師は9割9分日本の人間だらね。その中で日本では珍しい骨格や肉体を持つミゲルが呪力強化を備えてるだけでこっちとしては脅威なわけ》 ミゲル《レッテル貼りだネ。それ差別だヨ。運動音痴な黒人だっていル。俺が特別なのは黒人だからじゃない。俺が俺だからサ》 五条悟《ごめん》 ミゲル《……まあいいけド》 乙骨憂太《脅威って五条先生にとってもですか?》
脹相「チッ」 宿儺「まだいたのか」 『術式対象を拡張した世界を断絶する「解」の発動には「伏魔御厨子」の発動と同様に閻魔天の掌印が必要だった。しかし変身前の片腕のみの宿儺が五条悟を斬るため、その後の発動条件に縛りを科す。現在、世界を断絶する「解」は閻魔天の掌印、呪詞の詠唱の両方で条件を満たし、そして術式の指向性を手掌で設定しなければならない』
宿儺「(黒閃を食らってなお)」 虎杖悠仁「(真希先輩!来た!上下の右腕だけでは掌印は完結しない!反転術式は未だ機能していない!勝てる!繋いだ!全員で!ここまで!)」 宿儺「黒閃!」 『五条悟は2度の黒閃で失った反転術式の出力を取り戻した。呪いの王はー』 |