『五条悟は2度の黒閃による覚醒状態で特異な反転術式回路を構築。通常と異なる脳の部位へその運用と負担を分散し、失った反転術式の出力を取り戻した。同じように呪いの王、両面宿儺も全ての腕を再生し高専術師を蹂躙する、はずだった。虎杖悠仁は伏黒恵と両面宿儺の魂の境界に7度の黒閃を打ち込んだ。これにより両面宿儺は反転術式復活の契機を逃す』
ミゲル「ラルゥ、オマエはよくやったヨ…達者でナ」 ラルゥ「そっちは天国よ」 ミゲル「……?おう嘘だロ!」 『それでも』 宿儺「領域展開 伏魔御厨子」 『王の領域は黒い火花と共に主の元へ回帰していた。掌印の変更「無量空処」の影響のない脳の部位での術式と結界術の運用。不確定要素と即席の縛りを含んで尚、黒閃を経た両面宿儺は効果範囲も出力も落とすことなく伏魔御厨子を再現している』
秤金次「この戦いでは反転術式と領域対策どちらかが必須になる」 禪院真希「私は無理だぞ」 秤金次「オマエの話はしてねぇよ」 脹相「反転術式だが俺と悠仁はなんとかなると思う」 虎杖悠仁「えっ俺?」 脹相「家入、秤、乙骨ずっと疑問だったんだが、反転術式で肉体を再生するとき、失った血液はどこから補填している」 秤金次「俺は反転術式は全自動だから何も分らん」 乙骨憂太「僕も感覚派だけどこれは…」 家入硝子「呪力を血液に変換してるんだよ。反転術式って自分で使えても他人を治すことができないやつが多いんだけど、理由として勝手が違うってのが一つ。もう一つが受け手の拒絶反応だね。治療する側の呪力を拒絶したり、治療される側の呪力が変換に応じなかったり…私の治療でも効きは結構個人差があるのはそのせい」
脹相「やはりな。俺は呪力を血液に変換できる体質だ。弟達を取り込めば悠仁にも何かしらの術式と共にこの体質が出現するハズ。それだけじゃない。技術の部分を体質でカバーできるから反転術式のネックである膨大な呪力消費が俺たちにはない…と思う」
家入硝子「つまり2人は他の奴らよりも反転術式習得のハードルが低いってわけね」 脹相「だからこれらからの入れ替え修業では1度は反転術式が使えるやつと組ませてほしい」 虎杖悠仁「…入れ替え修業?」 憂憂「僕の術式は対象の空間移動です。僕と一緒なら僕がマーキングした場所や人に飛ぶことができます」 虎杖悠仁「ふむ」 憂憂「この対象を魂と肉体に分けて考えるんです。肉体が箱、魂が中身みたいな感覚ですね」 虎杖悠仁「ふむふむ」 憂憂「この箱は他人のバースデープレゼントみたいなもので勝手に中身を取り出すことはできません」 虎杖悠仁「ふむ?」 秤金次「引っかかるの早ぇよ」 憂憂「つまり本人の許可があれば中身を取り出すことができるんです。マーキングした人間と人間同士魂のみを移動し入れ替えます」 虎杖悠仁「どぇ!?」 憂憂「なんですか?💢」 虎杖悠仁「いや前に戦った真人って呪霊の術式だと、魂の形が変わると肉体の形が変わるらしいんだ。魂が入れ替わったら肉体も魂の形に引っ張られて変わっちゃうんじゃ…」 憂憂「ご心配なく。箱は開けずに入れ替えるんです。開けなければ本当に入れ替わっているかは誰にも分かりません」
日下部篤也「虎杖、オマエの術師としての成長スピードは凄まじい。なんでか分かるか?」 虎杖悠仁「ええ?そりゃね…言ってしまえばね、才能が……」 日下部篤也「宿儺だ」 日下部篤也「スポーツでもなんでも動きってのは繰り返し何回もやってるうちに体が覚えるだろ。それと同じことをこの入れ替えの修業で行う。まずは俺とだ。俺の呪力操作と結界術の基礎“簡易領域”をオマエの体に叩き込む。宿儺がオマエの体を乗っ取って呪術を扱った。オマエの肉体には超特級クラスの呪術の記憶があるんだよ。だから飲み込みと成長が異常に早い」 秤金次「あん?簡易領域はシン・陰の門外不出の縛りがあるだろ」 冥冥「問題ないよ。なんとかしたから♡」 秤金次「なんで嬉しそうなの?」 憂憂「期間ひと月となると入れ替えは1人つき2度が限界ですね。組み合わせはよく考えてください」
虎杖悠仁「シン・陰流 簡易領域」 虎杖悠仁「(見るからに不完全な領域だ!何か穴がある!これは耐える!)」 『虎杖悠仁の目論見は当たっていた。両面宿儺はこの土壇場でも結界術の難易度を下げず渋谷と同様に効果範囲と外界を結界で分断していない。領域を結界の外殻で覆うと逃げ道を与える縛りが消え効果範囲が狭まる上に領域の仕様が変更、具現化された心象風景のなかで必中効果が発動してしまう。それでは呪力のない禪院真希を捉えることが不可能だからだ。だが今の宿儺ではこの高度な領域を維持し続けることはできない。99秒』
『99秒後、伏魔御厨子は崩壊する』 虎杖悠仁「(耐えろ!)」 脹相「悠仁!」 虎杖悠仁「!?(斬撃が止んだ!耐えきった)」 宿儺「竈(カミノ) 開(フーガ)」 『万死の炎、襲い来る!』 |