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KUSURIYA | |
原作(Original Story): 日向夏×ねこクラゲ 薬屋のひとりごと 第44話ネタバレ | |
第44話 冬人夏草(前編1) | |
単行本 | 第9巻 |
ビッグガンガン | 2001年 Vol.06 |
配信日 | 2021年5月25日 |
登場人物 | 猫猫(マオマオ) 壬氏(ジンシ) 高順(ガオシュン) 玉葉妃(ギョクヨウヒ) 紅娘(ホンニャン) 虞淵(グエン) 鈴麗(リンリー) 小蘭(シャオラン) |
STORY | |
『医務室』 猫猫「女官が行方不明ですか?」 やぶ医者「そうなんだよ。年季も明けるし丁度結納金が貯まったから退職するって話だったのに一体どうしたんだろうねぇ」
『なんでもその女官は一昨年の園遊会で簪を贈られ、官と文のやり取りをしていたという。上級妃の侍女でないただの女官が手伝いで外に出ていたということは仕事のできる優秀な女官だったのだろう。二千の女たちが蠢く後宮にはそれ相応に暗い闇もある。女官がいなくなるのもない話ではない。女官同士の人間関係に悩み自殺する者、なんの前触れもなく家庭の都合で辞めていく者、どれも深く追及しないのが暗黙の了解だ。ただ大抵の場合、失踪した女官は数日後に遺体で発見される。深い掘りと壁に囲まれた花園から逃げ出すことはできないからだ。しかし今回いなくなった女官は年季が明け結婚もする予定だった。それが妙な憶測を呼んでいるらしい』 猫猫「(いかにも上流階級なお茶会だな。常に部屋にこもっていると怪しまれるのでこうしてたまに表に出ているわけだ。場所や服装に気を使っているから傍目から妊婦とはわからないだろうが、それでも気づく者はとうに気づいていると思う。問題はその相手が有害か無害かということだ)」 玉葉妃「あっ猫猫、帰ったのね」 壬氏「では中へ行きましょうか」 玉葉妃「ええ」 猫猫「(壬氏は上級妃以外にも定期的に面会をしている筈だが、妊娠中の寵妃とはいえ翡翠宮に来すぎではないだろうか…やはりなんかあるのか)」
猫猫「お呼びでしょうか」 玉葉妃「ええ、こちらがね」 壬氏「よし、では場所を変えようか」 玉葉妃「あら、特に問題ないですよ。ここでお話をなさっては」 壬氏「いえ、長居するわけにはいきませんから。それにほら、公主がぐずりかけているようですよ」 玉葉妃「あら」 紅娘「玉葉さま、諦めてください」
『二人目の子を妊娠している妃だが、まだ数え二十歳の娘である。容姿や性格から年上に見られがちだが、まだまだ好奇心旺盛だ。そして妃に聞かせられないような話をする時に使われるのが宦官長の部屋だ。人ばらいされてるから茶が出ないんだよな。いっそ医局にそれ用の部屋を作ればいい。そしたらやぶ医者が勝手に茶でも持って来てくれるのに』 猫猫「それでどんなご用件でしょうか」 壬氏「最近、主上が妃たちに娯楽小説を配っているのは知ってるな」 猫猫「はい、妃たちが読んだあと、侍女たちが読み、さらに下の下女たちにも読み聞かせられていると…写本も出回っていますし、字を覚えようとしている者もいますね (実際、日課になっている。洗濯場での授業には小蘭以外の下女も集まって来ている)」 壬氏「そうか」 猫猫「(案の定、思惑通りだったようだ)」 壬氏「あくまで初期段階だが、こういうものを作ってみてはと思っている」 猫猫「(見取り図?)」 壬氏「市井では手習所というだろうか」 猫猫「(すなわち学校か…その手のことは考えていると思っていたが、意外と行動が早いな)」
壬氏「いつもの目線はどうした」 高順「小猫、調子が悪いのですか?」 猫猫「その反応はなんでしょうか?(せっかく珍しく感心しているのに)」 壬氏「いやなんだか落ち着かなくなって」 猫猫「(やはり真正の被虐性欲者(マゾ)だ)」 壬氏「…それでどう思う?」 |
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