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KUSURIYA | |
原作(Original Story): 日向夏×ねこクラゲ 薬屋のひとりごと 第55話ネタバレ | |
第55話 皇太后(前編) | |
単行本 | 第11巻 |
ビッグガンガン | 2022年 Vol.07 |
配信日 | 2022年6月24日 |
登場人物 | 猫猫(マオマオ) 壬氏(ジンシ) 安氏(アンシ) 皇帝 梨花妃(リファヒ) 小蘭(シャオラン) 紅娘(ホンニャン) 桜花(インファ) 貴園(グイエン) 愛藍(アイラン) 子翠(シスイ) |
STORY | |
『十数年前』 壬氏「あっ、お母さま!」
壬氏「(あ、とてもえらい人だ)」 「ほうら、お部屋に戻ろうじゃないか」 壬氏「(あの老人はあの老婆は誰だったろう…どうして母はこんな表情をしているのだろう…うまく思い出せない)」
壬氏「(気持ち悪い…嫌な夢を見たあとは悪いことが起きる。そんな思い込みが迷信だろうか…夢に出てきた老婆は祖母で老人は父だった。そして父だと思っていた者(現帝)が実は兄だった。あの時、父の手からこぼれ落ちた石…あの赤とも鬱金ともいえる印象的な鮮やかな色…あれは何だったのだろう…)」 壬氏「(まだ夜明けまで時間があるな。体でも動かすか)」 壬氏「(後で湯浴みの準備をしてもらおう。いつまでも黙ってはいられないだろう…妙なところで鈍いあの女官でもそろそろ気付くはずだ。もしくはすでに知っていて…だったら話が早いのだが…水連が起こしに来るまでもう少し眠ろう。その間だけでも)」
紅娘「今日からここがあなたの部屋」 猫猫「本当にここを使えと?」 紅娘「ええ、反省なさい」 猫猫「ありがとうございます!」 桜花「やっぱり意味なかったじゃないですか!」 貴園「さすがに酷いんじゃない桜花」 桜花「でも猫猫ったらあれだけ言ったのにまだ虫を集めてるんだもん」 猫猫「桜花さまが倒れて以来、蜥蜴の尻尾は集めてませんが」 貴園・愛藍「(そんなもの集めてたの)」 桜花「ええ本当に?でも変な女官が笑いながら虫を捕まえているって聞いたのよ」 猫猫「そんなことはしません (確かに仕事で蛾ばかり集めていたけど笑いながら虫を集めるなんて…)」
小蘭「最近の子翠?子翠は神出鬼没だからなぁ」 猫猫「(勉強をしているせいか難しい言葉を使うようになったな)」 小蘭「ねー、誰か子翠がどこにいるかしらなーい?」 「あー…見たような見てないような」 小蘭「えっどこにいたの?教えてよー」 「いたといえばいたんだけど」 猫猫「(歯切れが悪いな。ああ見知らぬ部屋付きの侍女に警戒しているのか…小蘭のように誰にでも分け隔てなく接する侍女が珍しいのだ) お話次第ではこれを差し上げます。手拭いの用途には向きませんけど (先日、杏に頬を打たれた後、壬氏がくれたものだ)」 「その香りはまさかあの方の!?」 猫猫「ご想像にお任せします。お話を聞かせていただけますか?」
猫猫「(確か前もここで会ったな。北の雑木林がお気に入りの場所なんだろうか…夏場になり羽虫が多くなった。翡翠宮で活躍してる蓬や松の青葉を持ってくれば炊いて蚊遣りにできたな)」 猫猫「(おしろい花の群生だ。こんなところにあったのが。幼い頃はよく妓女たちとおしろい花の種を取りに行ったな。中の粉をおしろいとして使うためではなくあるものを作るために)」
猫猫「(堕胎剤…それを作ろうとした杏は当初香をつけていなかった。梨花妃に取って代わる妃になろうとしていた杏が流産の危険がある香を避けるのはおかしくない。そんな杏が香をつけてまで堕胎剤を作ろうとした。それはおそらく…何も玉葉妃だけが皇帝の寵愛を受けているわけではない。梨花妃が妊娠している可能性も十分にある。だがあの一件での違和感はそれだけじゃない。妓女たちのつくる堕胎剤にはおしろい花に鬼灯や牡丹、鳳仙花や芍薬、水銀などを煎じる。水銀はともかく他は後宮内でも手に入るものだ。しかし杏は堕胎剤の材料を隊商に持ち込まれたもので揃えていた。それは一つの疑念を生む。薬の知識のない杏に毒の作り方を教えた人間がいるのではないか。その人はまだ後宮内にいるのではないか…と)」 子翠「つっかまえたー」 猫猫「(あんなのと一緒にされていたなんて心外だ)」
子翠「むしー」 猫猫「…早くどいて…頭に虫をつけたままにしたくない」 |
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