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KUSURIYA | |
原作(Original Story): 日向夏×ねこクラゲ 薬屋のひとりごと 第59話ネタバレ | |
第59話 怪談(前編) | |
単行本 | 第12巻 |
ビッグガンガン | 2023年 Vol.01 |
配信日 | 2022年12月23日 |
登場人物 | 猫猫(マオマオ) 玉葉妃(ギョクヨウヒ) 梨花妃(リファヒ) 紅娘(ホンニャン) 桜花(インファ) 子翠(シスイ) |
STORY | |
『翡翠宮にて…』 桜花「猫猫!ちゃんと部屋に戻りなさい」 猫猫「私の部屋はここだと言われましたしもう荷物も全部部屋から持ってきました。問題ないのでこのまま使わせていただきます」 桜花「だめに決まってるでしょ!また冗談を真に受けて!ほら新しい子たちに示しがつかないわ」 猫猫「(新しい女官たちが来た。翡翠宮に来た新たな3人はどうやら桜花たちとは顔見知りらしい。まだいまいち名前と顔が一致しないが…)」
玉葉妃「小屋は好きにしていいわ」 紅娘「でも寝る時は元の部屋を使ってちょうだいね」 猫猫「では私は小屋へ」 猫猫「(女官が増えて手が空いて上司に許されていたとしてもずっと引きこもっていてはいけないと…桜花はお節介だがそれはこちらを考えてのこと。はやく新しい女官と慣れて欲しいのだろう。みんなの輪を大切にする、彼女らしい気配りでもある)」 猫猫「勝手なことばかりしてすみません」 桜花「…別にいいけど…その代わり今日はちょっと付き合ってもらうからね。ちょうどよかったわー。今晩暇なのは私と猫猫だけなのよ」 猫猫「(やられた)」
紅娘《まあたまにはそういうのにも参加しないとね》 猫猫「(そういうのとは一体なんだろう)」 桜花「はい猫猫、これを羽織って」 猫猫「暑くないですか?」 桜花「いいのいいの。涼しくなるから」 猫猫「(涼しくなる?)」 女官「いらっしゃい。参加者は二人ね」 桜花「はい、よろしくお願いします」 猫猫「よろしくお願いします (美しいが意外と年嵩のいった女官だ)」 女官「じゃあ灯籠を消して中に入って」
猫猫「(代わりの灯りがこれね。掃除はされているが北の建物だけあって年季が入ってるな)」 女官「ここは前の帝の時代に使われていた場所なのよ。昔に比べて女官がだいぶ減ったからここももう使われてないんだけど、こういう時にはぴったりよね。さて始めましょうか」 猫猫「(なんだか不気味な光景だ)」 女官「空いているところに座って。皆さん準備はいいですか?今宵は十三の肝が冷える話を楽しみましょう」 猫猫「(…十三の話?でもここには…)」
「…そして井戸を覗き込むとそこには死んだはずの女官の顔が浮かび上がっていたのです」 桜花「ひいっ」 猫猫「(怖がりだけど好きなわけね。おおかた一人で来るのが怖かったのだろう。どうやらこれは座り順に怪談話をして話終わったら火を吹き消し火鉢に落とす、という催しらしい。しかしまあ話は後宮内の噂程度のもので肝が冷えるまでいかない。こういう語らいが好ましいとも思わないが何せ後宮には娯楽が少ない。だから紅娘も許可をくれたのだろう)」 子翠「こんばんはー。げそ食べる?」 猫猫「子翠…貰う (子翠の場合は許可を得ず顔を出しそうではある。次で七人目か)」
「えーっと、これは私の故郷の話なんだけど、そこに棲む幽鬼が魂を食らうからって立ち入りを禁じられた森があったの。その年は不作でちょうど稼ぎ手が死んだ家があって、残された子どもと母親を助け出す余裕が周りにはなかった。だから子どもはずっとお腹を空かせていたらしいわ。飢えた子どもはとうとう食べ物を求めて禁忌の森へ入った」 《森にはたくさん食べ物があったよ》 「木の実を抱えた。子供は母親にそう言った」 《外でそれを言ってはいけないよ》 「母親は口止めしたんだけど結局は村長に知られ呼び出されてしまったの。村長に目をつけられたら村八分にされる。だから母子はいくら食べ物があるとしても禁忌の森へ行くことは諦めるしかなかった。だけどその後、妙なことが起きたの。ある村人が母子の家にゆらりゆらりと奇妙な光が入っていくのを見かけた。その翌日に母子は倒れた。呪いを恐れた村人たちは誰も母子を助けなかったわ。そして村人がやっと二人に近寄った頃には、母親は自分が息絶える前に村人に伝えようとしたけれと」 《…ねぇ、いいことおしえてあげる》 「続きを話すことなく息たえてしまった。その母親の死に顔は不気味に笑っていたの。今でもその禁忌を破る者がいると人魂が家へ入り、家人の魂を抜いていくというわ」
猫猫「(なるほど、珍しくもない話だ。噂話にも多少の根や葉があるものである)」 子翠「ん?なんか妙にさっぱりした顔してるけどどうしたの?」 猫猫「あとで教える (それにしてもだるいな。狭い部屋だし香を焚きしめている女官もいるようだから、少し酔ったかな)」 子翠「おっ、私の番だ」 |
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