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KUSURIYA | |
原作(Original Story): 日向夏×ねこクラゲ 薬屋のひとりごと 第64話ネタバレ | |
第64話 狩り(最後編) | |
単行本 | 第13巻 |
ビッグガンガン | 2023年 Vol.09 |
配信日 | 2023年8月25日 |
登場人物 | 猫猫(マオマオ) 壬氏(ジンシ) 高順(ガオシュン)) 馬閃(バセン) 子昌(シショウ) |
STORY | |
猫猫「(今回もまた気持ち悪い幕引きだったた。翠苓の時のように裏で手引きする黒幕の正体はわからないまま不愉快だが、慌てたところでどうにもできない)」 壬氏《飛発(フェイファ)が三丁…異国のものだな。おそらく西方の最近型だろう》
猫猫「(西方か…以前西方から来た鏡合わせのように瓜二つの特使たち…高順が持って来た双子の片割れが孕んだ話のように彼女たちは本当に姦計を孕んでいたのかもしれない。しかし今回出所のわからない最新型の飛発が発見されたことで違う見方もできる。どこの国も最新型の武器が欲しい。しかし武器の取引は戦争の火種だ。宮廷を通さず表立って商売はできない。特使たちが密室を抜け出した理由がそこにあるなら思った以上に危ない橋を渡っている可能性もある。それとももっと大きな後ろ楯でもあるのか…今日捕まった官はどこまで吐くだろう…どこまで知っているのだろう…早めに摘まんでもらいたい。周りが平穏であることが自分の平穏だ…寝よう)」 猫猫「(高順は今夜船上の夜宴に参加しているはずだが…)」
猫猫「(なぜこの男がここにいるんだ!夜宴に参加しなかったのか…今一番会いたくないんだけどな)」 壬氏「開けたくないなら開けなくていい。ずいぶん驚かせてしまって悪かった」 猫猫「(どんな顔してるか見なくてもわかる。何か言おうとして…でも言葉が出ないのはこちらも同じだ)」 猫猫「気にしておりません。こちらこそ申し訳ございませんでした (そこそこだなんて言って…何を考えているのだろうか…他人の心には疎いんだけどな…赤子の頃、育ててくれた姐ちゃんたちは仕事第一の妓女だ。いくら泣こうが仕事が終わるまで部屋に放置されていた。そのうち悟ったのか泣かない赤子になったらしい。だからかはわからないが人の好意にも悪意にも鈍感だ。それほど興味もない。だからこんな時何を言ったらいいかわからない)」
猫猫「私は何も口にしません。私にとって壬氏さまは壬氏さまですから」 猫猫「(偽名を忘れていた。しかしこれが本心だ。たまがあるかないかの違いなんて別に見るわけでもないし私には関係ない)」 壬氏「おまえにとって俺は俺か」 猫猫「(どういう感情の声だ?)」 壬氏「…警戒するな。これを渡したいだけだ」 猫猫「(なんだ?)」
壬氏「先に熊胆は渡していたがな、これを渡すとともにずっと伝えようと思っていた。どうしても知っていてもらいたいことがあるんだ。おまえには迷惑をかけるかもしれないが、今回の旅に来てもらったのも全部そのためだ」 猫猫「こ…これは牛黄ー!」 猫猫「(非常に貴重とされる牛の胆石!夢にまで見た秘薬が今!この手に!) はぁはぁ…牛黄だぁ」 壬氏「ああ、ようやく手に入ったから…ハッ!ってそうじゃなくて」 猫猫「ありがとうございます!」 猫猫「ではおやすみなさい」
壬氏「おい!勝手に閉めるな。まだ話は終わってないぞ」 猫猫「(ああ!誰にも邪魔されたくない。見ているだけでいくらでも働けそうだ。壬氏が宦官かどうかなんてどうでもいい。でももし秘密がバレて窮地に立たされたら、その時はちゃんと本物の宦官にしてあげよう)」
高順「(表向き覆面の御方の気まぐれとして処理された昼の失踪事件だが、その裏でとある官の一派が消えたことは皆も知ってる。そして今後彼らが表舞台に出ることはない)」 高順「(不届き者を炙り出すためにあらぬ疑いをかけられ憤っていた魯袁(ロエン)は単純な性格ゆえに今は口直しの宴に満足しているようだ。主人が夜宴への参加を拒んだことで話す時間が持てなかった。まあ参加してたとて壬氏の代理として狩りに呼ばれた高順は覆面の御方と親しくする立場ではない。捜索の後、帰って来た小猫が少しよそよそしく見えたが主人は伝えたのだろうか…あの娘は命を狙われて驚きこそすれ怯えるような玉ではない。聡い娘は自分の今後の境遇を考え、そんな態度をとったのかもしれない。しかし今後起こりうることに対処するにはいずれ知らせておく必要があった。非情な言い方だが、小猫にはそれだけの利用価値がある。大事が起きた際に使える切り札はより多いほうがいい。こんな宴は早く終わればいい)」 高順「(アレはまだまだだな)」 「宦官にとってこれはつまらない趣向だったかな?」 高順「(妻のいる身で女にうつつを抜かす気がないだけだ)」 「大変ですなあ。女帝の怒りを買ったばかりにこのような仕打ちとなって」 高順「(“高順”は宴の折には馬(マー)の家の者として扱われているが馬の名前を持ちながら女帝の怒りを買い、宮刑に処された宦官、そういうことになっている) その話は終わったことですから」 「それにしても麗しの宦官どのは参加なされぬとはちと残念ですな」 高順「覆面の御方がいらっしゃいますから」 「あれだけ美しいお顔が参加されたら、それだけで嫌味になってしまいますからな」
高順「(麗しの宦官とは言わずもがな壬氏のことを指している。それは今、部屋で休んでいるあの御方のことではない。あの御方は過去に顔を火傷して以来、どんなに暑かろうが覆面を外さず基本は部屋に引きこもっている、そういうことになっている)」 「しかし今回の件、どうするつもりでしょうか」 高順「(暗黙の了解である昼の一件を話題に出すとは酔いの席は恐ろしい)」 「全く帝も心配でしょう。あれが東宮となれば」 高順「(あれか…言葉に敬いは見られない。ほとんど部屋から出ず、公の場では覆面をつけるそんな皇弟に政はできないと皆が思っている。今回の鷹狩に集まった宦官たちは滅多に表に出ない主賓、すなわち皇弟を一目見ようと面白半分で集まったことだろう。もちろん素顔を見ることは叶わなかった。さらに不遜な輩が皇弟を手にかけようとしたことで肝が冷えたに違いない。今も主賓不在のまま宴が滞りなく行われているのもある意味、その鬱憤を晴らそうという意味合いもある。皇弟が一体どんな人物か皇弟に対する反応は主に二つに分かれている。無能と決めつける者と様子見を決め込む者だ。そして前者を選んだ官が“高順”に話しかける理由は)」
「昨年の皇子さまの薨御以降、誰か身ごもった妃はおらぬのでしょうか?」 高順「(これだ)」 高順「(どの妃がどの性別の赤子を身ごもったか、それによって宮中の勢力図は大きく変わる) 残念ながら妃はたくさんいますので、そのうち誰かが身ごもるかと思いますけど」 「そうか…そうなると」 高順「(胡麻をする相手を見極めたらしい。宴の主催、子昌。ここに他の妃の関係者はいない)」
高順「(茘(リー)において華の文字を冠するものは限られる。現在はたった二人。この国の頂にいる皇帝と、その同母の弟君。今頃主人は…“華瑞月(かずいげつ)”はどうしているのだろうか)」 |
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