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BUNGO STRAY DOGS | |
原作(Original Story): 朝霧カフカ(Kafka Asagiri) 文豪ストレイドッグス 第93話ネタバレ | |
第93話 空ノ港ニテ 其の参 | |
配信日 | 2021年7月2日 |
ヤングエース | 2021年8月号 |
アニメ | 第55話 空の港ニテ(其の一) |
単行本 | 第21巻 |
登場人物 | 福地桜痴(神威) 条野採菊 芥川龍之介 ブラム・ストーカー 幸田文 |
STORY | |
『空港 条野&福地』 福地桜痴「何故だ条野」 条野採菊「何故?これは貴方のミスです隊長。貴方は私に教えてしまった。無辜なる民を守ること、その愉悦。それに較べれば、誰かの悲鳴など無音に等しい」 条野採菊「おっと」 条野採菊「…では矢張り消息不明の立原君は貴方が…ならば貴方とは話をする価値すらない。此処での出来事は副長と鐵腸さんに報告します。元々隊長の心臓には“雑音増幅器”が埋め込まれ私でも聞けません。ここまで証拠が揃っているなら、私の証言でも二人は信じるでしょう。隊長、貴方はあの二人を相手に何日生きていられますかね?」 福地桜痴「「(…このまま扉の隙間から逃げる気か)」 条野採菊「さよなら隊長。貴方がもし生きていれば、軍事裁判の被告人席で逢いましょう」 条野採菊「!(扉の隙間から出られない。何かが塞いでいる?だが今の私は蒸気より細かい。詰め物程度では防げない。だがこれはまるで空間そのものが途切れているかのような)」 条野採菊「…!?(何だ?何者かが異能で扉を塞いでいる。しかもこの気配…人間のそれとは思えない。まるで夜の獣の如き…)」 福地桜痴「猟犬の部下に裏切られ吸血種の部下に扶けられるか…いよいよ悪役めいてきたなあ儂も…さて条野、覚悟はよいか?」 条野採菊「(臆するな。何も問題ない。雨御前は強いが斬る攻撃しかできない。粒子には効かない。扉が駄目なら空調導管から逃げるだけ。それで私の勝ちです。勝った!)」 条野採菊「(炎の温度が高い!隊長の“持つ武器の性能を百倍にする”能力の為か!表面積が増大する粒子化状態は炎に対してむしろ不利。これ以上粒子を焼かれては人間に戻れなくなる。こうなれば異能を解いて態と一撃斬られる!血糊で火を消せば再び逃げられる筈)」 福地桜痴「異能を解除した瞬間に複数の未来から“今のお前”に向けて剣を突き刺した」 条野採菊「…“終わり”?慥かに私は終わりのようですね。だが貴方は?」 福地桜痴「…何?」 条野採菊「…ははは…貴方は気付いてすらおられぬのですか隊長。貴方が勝った。だが貴方の苦しみが終わるとは限らない…それが迚も愉…快…」 福地桜痴「お前らしい今際の際だな条野。連れていけ」 条野採菊「(隊長、貴方は一つ勘違いをしている。私が貴方の陰謀に気付いたのは今日ではありません。あの時、立原から嘘の心音が聞こえた。訓練された潜入捜査官…その心音の変化は微かで確信を持てる程ではなかった。だか私は万一を考え此処に来る時、保険を掛けておいた。隊長が最も油断する相手は?最も対処に困る相手は?副長?鐵腸さん?違う)」 幸田文「(な…何や今の話…吸血種の親玉!?何でこんな…ウチはただこのメモを読んで…あの時)」 条野採菊「(隊長、貴方を苦しめるとしたら、それは強い相手でも賢い相手でもない。何も知らず力もなく、そこに偶然あっただけの無罪の民。さあ隊長、貴方の苦悩を聞かせてください…ふふ…はははは…ははは…)」 幸田文「(何?よう見えんかったけど警察が警察に斬られてしかもその一方が…)」 福地桜痴《儂が黒幕だ。探偵社は嵌められた》
幸田文「(やっぱり国木田と探偵社は無実やった。それなのに犯人扱いされてさんざん悪う云われて…)」 福地桜痴「(条野…俯いている暇などない。だが心は手指の如く随意には動かせん。頼れる部下の悪罵の後なら尚更。念の為ブラムの隠し場所を変えねば)」 幸田文「(おのカンオケ動かす気か…多分あの中身が世界中の吸血種騒ぎの原因や。ウチはどうしたらええ?決もとる。今聞いた話を世界中に広める。そうすれば探偵社への疑いも晴れる。ウチは正義の味方。その為に毎日カラテの練習もしとるし、ウチならやれる!けど尾行でもしてバレたら殺される。何か方法を…そうや写真!あいつが棺桶とグルやていう証拠になる。こうして窓から携帯だけ出して撮れば、こっちに気付かれる事も…)」 福地桜痴「(何者だ?条野の仲間か?否、誰であろうと関係無い。この部屋に隠れて撮影するなら確実に敵だ。既に無尽の犠牲の上に儂は立っている。相手が誰であろうと殺すだけ)」
幸田文「(逃げる?無理や。この部屋には出口が無い。唯一の出口は隣の部屋、奴のすぐ隣。気付かれずに行けることやない。ヤバ…)」 福地桜痴「(…居ない。隠れたか。隠れられるのは…そこの用具入れだけだな…無人)」 幸田文「(危っぶな!あっちに隠れとったら死んどった。あいつが窓を破ると同時に入れ替わりで部屋を出た。扉を開ける音は硝子の音が消してくれた。けど幸運はこれで最後や。唯一の出口、廊下への扉を開ける時は絶対音を聞かれる)」 |
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