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Detective Conan | |
原作(Original Story): 青山剛昌(Gosho Aoyama) 名探偵コナン 第1096話ネタバレ | |
第1096話 四角の秘密 | |
サンデー | 2022年29号 |
配信日 | 2022年7月27日 |
登場人物 | 江戸川コナン 目暮十三 高木渉 世良真純 メアリー 妃英理 林崎団司 論田盛子 暮石有斗 サングラスの男 老人 |
場所 | 杯戸ホテル |
STORY | |
『杯戸ホテル』 暮石有斗「あの、犯人が次に電話をかけてくる17時まであと10分もありませんよ」 論田盛子「大丈夫なんでしょうか」 妃英理「そうよねぇ」 世良真純「どうしよっか?」 コナン「困っちゃったね」 論田盛子「そんな悠長な…」 暮石有斗「犯人はその電話で暗号の答えの部屋番号を伝えなきゃその部屋を爆破するって言ってるのに…」 世良真純「大丈夫」 コナン「もう6つの部屋に絞れてるから」
妃英理「あの番号から読みとれ、なおかつこのホテルの部屋に該当するのは、1124号室と1214号室と1412号室と1420号室と2114号室と2410号室。とりあえずこの6つの部屋の宿泊客を犯人に気づかれないようにこっそり避難させましょ」 妃英理「では暮石さんはこの2114号室の林崎さんは怪しいから一旦スルーして、24階の2410号室の宿泊客に。私と論田さんは14階の1412号室と1420号室の宿泊客に。世良さんは12階の1214号室と11階の1124号室の宿泊客に事情を話して部屋から避難させてくれるかしら?」 世良真純「OK」 コナン「だったらボクは1階のフロントのお姉さんたちにこのことコッソリ話してくるよ」 世良真純「了解」 妃英理「じゃあみんな警察に頼らず私たちだけで頑張りましょ」
『1302号室』 論田盛子「ちょっと妃弁護士?ここって私たちが向かってる14階ではないんじゃ…」 妃英理「そうね」 論田盛子「え!?この人たちは!?」 妃英理「さっき言った暗号が示す可能性があった部屋の宿泊客の皆さん…そしてこの二人が警視庁の」 目暮警部「目暮です」 高木刑事「高木です」 論田盛子「警察には頼らないんじゃなかったんですか?」 妃英理「連続爆弾犯が爆破予告をしてるのに警察を呼ばないワケないでしょ?要は、犯人に気づかれなければいいだけのこと。さっきの事情聴取で犯人に目星がついたから、あなたたちを待たせてる間にこっそり呼んでおいた警察に対処してもらったわけ」 目暮警部「それで英理さん、暗号は?」 高木刑事「解けたんですよね?」 妃英理「ええもちろん。この3つの暗号はレールフェンス暗号って言って、レールにジグザグに文字を配置して、最後にレール単位で文字をつなげることで暗号化する。問題はどんなジグザグにすればいいかだけど、頭のひらがなを囲んでいるキーボードのキーのことで、そのひらがなと一緒に表示されているアルファベットの形に並べればいいとわかったのよ」
妃英理「1件目の暗号の頭き「て」で「W」だから「さんぜんよんひやくにじゆう」になり、2件目は「も」で「M」だから「にせんろつぴやくじゅうよん」になる。そして今回の3件目は「ひ」で「V」だから「にせんひやくじゆうよん」。つまり爆弾が仕掛けられているのは2114号室ってわけ」 論田盛子「その部屋って林崎さんが泊ってる…」 妃英理「大丈夫。さっきメールで世良って子に向かわせたから今頃は林崎さんを説得して…」
林崎団二「もう来るなって…」 メアリー「説得よりこの方が早い」 世良真純「そ…そうね」 メアリー「急げ、ベッドの下だ」 世良真純「何でベッド?」 メアリー「その林崎って男が言っていただろ。ベッドスローが少々ズレていたと…それがズレていたのは一度持ち上げられたから…爆弾を隠すためにな」
メアリー「素人が作った爆弾だな。これなら3分もかからんよ」 世良真純「じゃあボクは気絶してる男を下に連れてくよ」 メアリー「警察が来ているならそいつらに引き渡せ。かすかだが室内に大麻の匂いがこもっている。タバコを吸っていたのは大麻の匂い消しのつもりだったんだろう」 世良真純「じゃあ部屋を調べれば大麻が出てきそうだね。わかったよママ」
論田盛子「じゃあまさか爆弾犯はベルボーイの暮石君!?」 妃英理「ええ、そうなるわね」 論田盛子「でも彼は林崎さんの荷物を運んだだけで部屋の中には…」 妃英理「部屋に入ってないというのはウソ。なぜなら林崎さんがセキ込んでいて急遽設置された加湿器の位置を彼は把握していたもの。おそらく林崎さんの荷物と一緒に爆弾のケースを部屋に運び、林崎さんが来る前に部屋に入って爆弾を設置し、机の上に暗号を置いたんだわ」 論田盛子「でもどうやって部屋の中に!?マスターキーを勝手に持ち出せばすぐにバレるし…」 妃英理「合鍵よ。以前林崎さんが部屋で無くした鍵を暮石さんが見つけたと言ってたでしょ?その時、石鹸に鍵を押し込み形を取り合い鍵を作ったのよ。林崎さんはアメニティーの数が足りないことがあったとクレームつけてたようだし」 論田盛子「じゃあ暮石さんは今どこに?」 妃英理「屋上よ。多分もう張り込んでる刑事に確保されて…」
📱目暮警部「何?まだ暮石が屋上に現れないだと!?もうすぐ爆弾犯が電話すると予告した17時だぞ!?」 📱千葉刑事「屋上に出る扉の所で張ってるんですが、一向に来る気配がありません」 目暮警部「暮石は本当に屋上に来るんですか?」 妃英理「そのはずです。暮石さんの狙いは林崎さんを爆弾犯に見せかけて殺すこと。前の2件と違って今回電話で爆破予告してきたのもそのため。暗号を林崎さんの部屋に置けば、林崎さんも容疑者の一人になるし、17時に電話した時に暗号の解き方と自分の部屋に爆弾を仕掛けたと伝え、罪を償うとでも言って爆発させ、それと同時にその部屋の真上の屋上の縁から犯行に使った携帯を投げ捨てれば、後でそれが回収されても爆弾の弾みで外に吹き飛ばされたと思わせられますから…使ったのは足がつかない飛ばし携帯でしょうね」 目暮警部「では前の2件の爆破事件は?」 妃英理「今回のための伏線です。林崎さんが出禁になったホテルを狙えばそれが動機だと勝手に勘繰ってくれますし」 高木刑事「警部、フロントに爆弾犯から入電、“早く暗号の答えを言え”とせっつかれているようです」 目暮警部「バカな、一体どこから」 妃英理「(そうか、携帯電話を投げ捨てられる場所は屋上だけじゃない)」
暮石有斗「どうした?やはり解けなかったか。仕方ない。解き方を教えてやるか…それはレールフェンス暗号。つまり爆弾を仕掛けた部屋番号はこの俺が泊ってる…」 コナン「2114号室。丁度この部屋の真上の部屋だよね?爆弾犯の暮石有斗さん?」 暮石有斗「どうしてここに?」 コナン「あんたと別れた後、フロントに電話で聞いたんだ。“2114号室の真上か真下の列の部屋の宿泊客の中に眼鏡やマスクとかで顔を隠した怪しいお客さんはいなかったの?”って。携帯捨てるなら屋上じゃなくてもいいと思ってね。そうしたら警察に言おうか言うまいか迷ってたって…この部屋の番号を教えてくれたよ。んで、部屋の近くで待ってたら怪しいと思ってたあんたが来てドアを開けて入ったから、ドアが閉まる前にササっと入ったんだよ」
暮石有斗「でも僕は電話をかけてきた犯人と会話してただろ?共犯者がいるっていうのかい!?」 コナン「あれは録音しておいた犯人の声に合わせてあんたが答えただけさ。スマホを3台用意し1台目はアプリを使ってタイマーでホテルに電話し、それに合わせて2台目に録音した犯人の声をタイマーで流す。もちろん無人のこの部屋でね。そして会話終了と共にポケットに入れた3台目のスマホで1台目にロックをかければ、電話は切れるって寸法さ。その証拠に犯人はボクの簡単な質問に答えなかったしね」 暮石有斗「何なんだお前」 コナン「江戸川コナン、探偵さ」 暮石有斗「探偵だと?じゃあこれは知ってたか?俺が大麻の売人だってこと…それを林崎の野郎が嗅ぎ付けてきやがって、バラされたくなかったら安く売れとかぬかすから爆弾で吹っ飛ばしてやろうと思ったわけよ。どーだ?知らなかったろ?」 コナン「うん、知らなかったから詳しく話してよ」 暮石有斗「あん?」 コナン「警察でね」 高木刑事「コナン君!?“2014号室に来て”ってメール見て来たけど…」 コナン「あ、このベルボーイが爆弾犯だよ。何か疲れて寝ちゃったみたい」
世良真純「ママ、爆弾は解体できた?」 メアリー「ああ、不具合で起動しなかったように細工しておいたよ。それよりあの大麻男は警察に突き出したか?」 世良真純「もちろん。結構重くて疲れたよ」 目暮警部「爆弾が爆発した!?皆さん慌てずに屋外に避難を!」 「御覧になられましたか?」 「ああ、まるで夢を見ているようじゃわい」 | |
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