名探偵コナン | 第1098話『二人の引率者②』ネタバレ | Detective Conan

Detective Conan
原作(Original Story): 青山剛昌(Gosho Aoyama)

名探偵コナン 第1098話ネタバレ
第1098話 海の家
サンデー2022年36・37合併号
配信日2022年8月3日
登場人物江戸川コナン
小嶋元太
吉田歩美
円谷光彦
灰原哀
沖矢昴
若狭留美
横溝参悟
免田朔良
茅木舞香
郡山貴起
茅木玲輔
碓井克徳
九十九刑事
場所海の家
STORY
『海の家』
九十九刑事「亡くなったのは確井克徳さん40歳。この海の家の店長だそうです。死因は頸部圧迫による窒息死。でも室内に首を吊った痕跡はなく、被害者の首に“吉川線”もあるので恐らく」
横溝参悟「絞殺とみて間違いなさそうだな。問題は凶器だが…」
九十九刑事「ええ、首の跡からすると多分布のような」
コナン「遺体を包んでたタオルケットで首を絞めたんだと思うよ」
横溝参悟「コナン君じゃないか!?何でここに!?」
コナン「ボクたち海水浴に来てたんだけど、悲鳴が聞こえたから警察の人が来る前にちょっと部屋に入って調べちゃった」
横溝参悟「で?凶器がタオルケットっていうのは?」
コナン「ホラ、その人の首についてる跡…首を絞められて苦しくて思わず自分の爪でひっかいちゃう吉川線、その爪跡の間隔と遺体を包んでたタオルケットの端に付いた血の跡の間隔がぴったり同じ」
コナン「つまり、タオルケットの一辺を相手の首に前掛けみたいに巻きつけて、後ろから絞めたか、相手を背負うように絞めたかのどっちかだと思うよ。犯人が手袋をしてなかったら犯人に指紋とか出てくるんじゃない?」
九十九刑事「ボウズ本当に小学生か?」
横溝参悟「九十九君、君は新米で知らないから今のはこの子の推理だと思ってるけど、そうじゃないんだよ。なぜならこの子は推理の後に大抵こう言うんだ。“って小五郎のおじさんが言ってたよ”って…あれ?毛利さんは?」
コナン「小五郎おじさんは来てないよ。今のはこのお兄さんに聞いた推理で」
横溝参悟「あなたは?」
沖矢昴「コナン君と知り合いの沖矢昴、大学院生です。今日はこの若狭先生と一緒に子供たちを引率してこの海へ」
コナン「この部屋で遺体を発見した時、扉の鍵はかかっていたんですよね?」
免田朔良「ええ」
横溝参悟「あなた方はなぜ鍵を?」
郡山貴起「この海の家の店員だからっスよ」
茅木舞香「このバックヤードには補充用の食材とか備品とかが置いてあるので、いつでも入れるように鍵を渡されてました」
横溝参悟「被害者とはどういう関係で?」
郡山貴起「ただの知り合いっスよ」
横溝参悟「とりあえず、あなた方には指紋や掌紋を採取させてもらった後、一人ずつ話を伺いましょうか」
茅木舞香「犯行時刻って確井さんが仮眠を取ってた店の休憩時間の15時から16時の間ですよね?それなら私は確井さんに頼まれたパインジュースを…割と離れた場所にある自販機まで買いに行ってました」
『茅木舞香(24) 海の家店員』
横溝参悟「なぜ遠くの自販機に?近くにコンビニありますよね?」
茅木舞香「確井さんのお気に入りのやつはそこには売ってないんですよ」
横溝参悟「買い忘れたんですか?それともパインだけ売れまくったとか?」
茅木舞香「売れたんじゃないですか?ジュースは一律200円。どれがいくつ売れたかなんてチェックしてませんから」
横溝参悟「で?遺体を発見したのは?」
茅木舞香「買い物から戻ってきて、もうすぐ夕方の営業が始まるのに確井さんと貴起がいなくて、まだバックヤードで寝てると思って、朔良と一緒に起こしに行ったんです。貴起が寝てるだけで確井さんの姿がなくタオルケットに包まれた妙な物が置いてあったから、朔良がほどいたら確井さんの遺体が入ってたんですよ」
横溝参悟「あなたも店の休憩時間に仮眠を取ろうとバックヤードに?」
郡山貴起「いや、バックヤードのクーラーで涼みながらスマホのゲームやろうと思ってたんすけど、ジュース飲んで菓子食って腹がふくれたら急に眠くなっちまって…そういえば前に似たようなことが何度かあって、もしかしたらグレープフルーツジュースが体に合ってないのかも…大好きなんスとげねぇ」
『郡山貴起(28) 海の家店員』
免田朔良「15時から16時の間なら、ここから歩いて15分ぐらいの所にあるおばあちゃん家に行ってました。お医者さんに処方された薬を届けに…おばあちゃん家のそばに薬局がないので」
『免田朔良(25) 海の家店員』
横溝参悟「おばあさんは会えたんですか?」
免田朔良「それがおばあちゃん家の鍵を自宅に忘れちゃって結局渡さずに戻って来ちゃったよ。その時間はおばあちゃん昼寝してるから呼び鈴で起こすと悪いと思って…いつもはそーっと入って玄関に薬を置いて帰るんだけどね」
横溝参悟「で?ここへ戻った後は?」
免田朔良「開店の準備してたら舞香が戻ってきて、さっき舞香が言ったように確井さんと貴起を起こしにバックヤードに行ったって流れです」
横溝参悟「つまりあなた方3人にはアリバイを証言してくれる人物が誰もいなく、あなた方なら誰でも犯行は可能というわけですね」
コナン「ねぇ、おばあさんの薬って何の薬?」
免田朔良「高血圧よ」
コナン「どんな名前かわかる?」
免田朔良「確かニフェジピンだったかな?」
コナン「もしかして確井さんって人もグレープフルーツジュース飲んだんじゃない?」
免田朔良「ええ、パインジュースがないっていって」
郡山貴起「だからそれが何だっつうんだよ」
灰原哀「あなたや確井さんがバックヤードで起きなかった原因かも。ニフェジピンはカルシウム拮抗薬。グレープフルーツジュースに含まれる成分がカルシウム拮抗薬の代謝を阻害して薬の血中濃度を高め薬の効き目を強くしてしまい、血圧を下げ過ぎてしまう可能性がある。症状は動悸、めまい、頭痛。気絶する人もいるかもしれないわね」
郡山貴起「じゃあ俺が睡魔に襲われたのはそのせいか」
横溝参悟「しかしその薬をどうやって飲ませるんだい?」
沖矢昴「ストローかと…ジュースのバックに付いてるストローを外して、その中に粉々に砕いた薬を詰め、接着剤で再び貼り付けておけば、そのストローで飲んだ時に粉が口に入り、違和感はあるでしょうが、無頓着な人ならパンクの底に溜まった沈殿物を飲み込んだと思うぐらいです」
横溝参悟「しかし確井さんがそのストローが付いたジュースのパックを都合よく手に取るとは…」
沖矢昴「全てのストローに薬を詰めていたんです。グレープフルーツジュースのパックのストロー全部にね」
横溝参悟「でももしそれをお客さんが飲んだりしたら」
沖矢昴「いや、私も彼らの海の家でジュースを飲みましたが、多分氷を入れたプラスチックのカップに紙パックのジュース注いだだけ…ストローは別の太くて長いやつが刺さってましたから、薬を詰めたストローをお客さんが使うことはありませんよ。まあ他のパックに付いてたストローは犯行後、犯人が全て外してどこかへ捨てたと思いますが」
横溝参悟「確認頼む」
九十九刑事「はい」
郡山貴起「そういえば俺は菓子をほおばって飲んだから気づかなかったけど、確井さん、ジュース一口飲んで言ってたよ。このジュース古くねぇか?って…その後確井さんゴクゴク飲んでたぜ。まさかお前に薬を盛られて殺されるとは知らずにな」
免田朔良「何で私なのよ」
郡山貴起「その薬を使えるのはお前だけだろうが」
免田朔良「ちょっと待って。その薬どこかで無くしたから医者にもう一度出してもらったんだけど、それをくすねたのがあんたらのどっちかなら、あんたらにもできるんじゃないの?」
郡山貴起「いい加減なことぬかしてんじゃねぇぞ」
横溝参悟「まぁまぁ…今、鑑識さんに遺体を包んでたタオルケットを調べてもらっています。それに付いた指紋とあなた方の指紋のどれかが一致すれば犯人は…」
九十九「横溝参悟、遺体が包まれていたタオルケット、この海の家の客席に敷いてあったタオルケットです。海側から見て真ん中奥の左側の席のタオルケットがなくなっていたので」
円谷光彦「ちょっと待ってください。それってボクたちが座ってた席ですよ!?」
吉田歩美「ウソー、歩美たちの指紋もついちゃってるかも」
小嶋元太「あ!」
円谷光彦「元太君、タンクトップの肩のトコが切れて」
吉田歩美「昔のローマの人みたいになってるよ」
コナン「(ローマの人?待てよ…確かネットにそんな動画が…)」
📱横溝参悟「ああ鑑識さん、出ましたか指紋」
茅木舞香「実は私、昨夜飲みすぎて朝10時の開店時間までその席で横になっていたので、もしかしたら私の髪とか汗とかが出ちゃうかも」
免田朔良「私も…遺体を包んでたタオルケットの結び目をほどいたの私だから私の指紋とか出ても…」
横溝参悟「大丈夫。鑑識さんが言ってました。被害者を絞殺した時に付着したと思われる指紋と掌紋がタオルケットの端にバッチリ残っていたと…郡山貴起さん、あなたの指紋と掌紋がね。では署までご足労願いましょうか」
郡山貴起「待てよ…こいつは何かの間違いっすよ。俺じゃねぇって」
コナン「(なるほど、そういうことね)」
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