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KUSURIYA | |
原作(Original Story): 日向夏×ねこクラゲ 薬屋のひとりごと 第73話ネタバレ | |
第73話 足跡 | |
ビッグガンガン | 2024年 Vol.06 |
配信日 | 2024年5月24日 |
次号 | 2024年6月25日 |
単行本 | 第14巻 |
登場人物 | 猫猫(マオマオ) 壬氏(ジンシ) 高順(ガオシュン) 玉葉妃(ギョクヨウヒ) 羅門(ルオメン) 紅娘(ホンニャン) 桜花(インファ) 貴園(グイエン) 愛藍(アイラン) 白羽(ハクウ) 黒羽(コクウ) 赤羽(セキウ) 虞淵(グエン) 子翠(シスイ) |
STORY | |
『医務室』 羅門「以上が猫猫と別れるまでです」 壬氏「それだけか」 高順「こら貧乏ゆすり」
壬氏「今日は毛毛(マオマオ)いないのか?」 羅門「散歩に出ているようです」 虞淵「いつもならご飯をねだりに帰ってくるのに少し遅いようだね…ああ、そういえば最後に嬢ちゃんに会った時、やたら毛毛がくっついていたなあ」 羅門「どんな様子でしたか?」 虞淵「ちょっど羅門さんが厠に行っている時だったね。じゃれつくにしてはしつこく絡んでたんだよ」 羅門「猫猫はあの時、アルコールと睡眠薬を持って行くと言っていたね」 虞淵「そうだったかな」 羅門「猫猫が持って行ったのはこれじゃないかね?」 虞淵「覚えていないけど減ってる気がするなぁ」 羅門「うん」 羅門「申し訳ありませんが毛毛を捜して出てもいいでしょうか?」 壬氏「それは構わないが、猫捜しがなんの役に立つと?」 羅門「役に立つかはわかりませんが、ついでに猫猫も捜せるかもしれません」
羅門「猫の行動範囲は大体広くとも半里ほどです。この薬はまだ新しい香りも強い。いい結果が得られると良いですね」 壬氏「(羅門は現帝の最初の子が死んだことで罪に問われ片膝を抜かれ後宮を追い出されたらしい。どこにでもある赤子の死に罰までつけて追放されたならば本当についていなかったとしか言えない)」 高順「にゃあーにやーにゃあー」 壬氏「(生真面目な父親を演じている高順のこんな姿、馬閃が見たら顔を青くするだろうな)」 「壬氏さま、北と南の境の壁で猫が見つかりました」 壬氏「一体どうやって壁を越えたんだ」 「壁に小さな穴がありました」 壬氏「まるで酔っぱらっているみたいだが」 羅門「原因はこの木の実ですね。木天蓼(またたび)といって猫はこれが好きなんです。茶にすると冷え性に効き、安眠効果があります。猫猫はこれを玉葉妃にと持ちだしたのでしょう。そして木についた猫の爪痕を辿れば」 壬氏「洞の中に木の実と紙切れがあるぞ」 羅門「猫猫がやったんでしょう」 壬氏「何が書いているんだ…」 壬氏「手がかりはなしか」 羅門「それは一度医局に戻らねばわかりません」
『医務室』 羅門「昔あの子が気に入っていた遊びで、こうして紙を炙るのです。すると」 「!!」 壬氏「文字が現れたぞ」 羅門「紙に果汁や茶で字を書くと色味は出ませんが、炙った時にそこだけ燃えやすくなるのです」 虞淵「そういえば嬢ちゃん、出ていく時にアルコールを持って行ってたねぇ」 壬氏「つまりこれがあいつの伝えたかったことなんだな」
羅門「あの場所の近くに祠はありましたか?」 壬氏「ここには古い建物が多いから一つや二つはあるだろう。祠の下に書いてある字は簡体字のようだが汚くて読めないな。なんと書いてあるかわかるか?」 羅門「まったくわかりません」 壬氏「そうか、翡翠宮でも聞いてみよう (慌てて書いたような文字…やはり猫猫は不測の事態に陥り帰れなくなったようだ。見つかる可能性が低くとも羅門なら気付くかもと手掛かりを残し、羅門は見事見つけ出した。それこそが猫猫が羅門に傾倒している理由だろう)」 壬氏「無事であるだろうか」 羅門「どうでしょう」 壬氏「心配ではないのか?」 羅門「心配ですが、気を揉んで仕事に差し支えても困りますし…私にできることをするだけです。前は一年近く音信不通の時もありましたから」 壬氏「……(女官狩りのことを言われると黙るしかない。拐かされ後宮に売られた猫猫も下女の間は黙々と働いていた。やはり変なところで似ているな)」
『翡翠宮』 紅娘「汚い字です」 玉葉妃「字体が崩れているわ。まともに書ける状況ではかった感じね。なんなのかしら?」 紅娘「翼という字に見えないことも」 玉葉妃「違うわよ。下の部分がもっとさっぱりしてる」 紅娘「猫猫の字も少し癖があるから」 壬氏「他の者たちにも見てもらいたいのだが」
愛藍「これは翌じゃない」 桜花「うーん近いけど違う気がする」 貴園「もうちょっと書き加えられている気がするわ」 赤羽「これは翠ではないでしょうか?ほら、これがまっすぐ進んでいたら」 桜花「確かに見えなくもないわね」 愛藍「翠だとして何を示しているのかしら」 貴園「翡翠宮?」 赤羽「ほかに翠と言えば……しすい?」 壬氏「それはなんだ?」 赤羽「え…えっと…前に猫猫と一緒にいた下女の名前です。字はどう書くか知りませんが、小蘭って子と一緒によくつるんでいたみたいです」
壬氏「そうか (“翠”の付く名前には一つ覚えがある。蘇ったとされるあの女官だ) 子翠という下女を捜せ!」 高順「壬氏さま」 壬氏「(そうだ…冷静に…仮面を被らなければ)」
『その後、毛毛が発見された場所近く倉庫の陰に古い祠が見つかった。老朽化したそれは古い水路を利用した抜け道の入り口になっていた。そして後宮内に子翠という女官は登録されておらず、名前のわからないその下女は新入りの宦官の一人と共に姿を消していた』 |
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