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SPY×FAMILY | |
原作(Original Story): 遠藤達哉(Tatsuya Endo) SPY×FAMILY 第99話ネタバレ | |
MISSION: 99 | |
配信日 | 2024年6月10日 |
次回配信 | 2024年6月24日 |
単行本 | 14巻 |
登場人物 | ヘンリー・ヘンダーソン マーサ・マリオット ドノバン・デズモンド |
STORY | |
『イーデン校 卒業パーティー』 「急いでシェルターに避難しろ!こいつは訓練じゃないぞ!急げ」 ヘンリー「何をぼけっとしてるマーサ!急げ」 「誤報!?」 「領空ギリギリで敵機が引き返したそうだがその情報が錯綜して見張りが混乱したらしい」 「んだよ、フザけんなよ」 「バカモン誤報でよかったろうが!こんな首都まで制空権を取られていたらおしまいだぞ」 「大事を取って卒業パーティーはお開きにしときますか。終盤だったし生徒たちも満足してるでしょう」 「そうですね」 ヘンリー「大丈夫かマーサ?」 マーサ「えっ…うん」 ヘンリー「そういえば先程何か言いかけてなかったか?」 マーサ「…いや…えっと…その…ううん、たいしたことじゃない。ヘンリーからお祝いの言葉もらいたかっただけ。ほら、ケンカしててちゃんとしゃべれてなかったし」 ヘンリー「そうか…卒業おめでとう。この先もがんばれ」 マーサ「ありがと。がんばる」 『この時ほど引き込めた勇気を恨んだことはなかった』
マーサ「うわぁ~~ん!」 「どうしたのマーちゃん!?泣かないのほら…かわいい姪っ子にって戦地から叔父さんの手紙が届いたわよ。叔父…無事でやってるといいんだけど…アンタも本当に無茶だけはするんじゃないよ?辛くなったらやめてもいいよ」 マーサ「そうよ手紙よ!手紙だわ」 『愛するヘンリーへ』 マーサ「(いや愛するはムリだわ。言えない)」 「マーサそれ誰に書いてるの?」 マーサ「うるさい!教えない」 『婦人軍の訓練期間も終わり、来週からいよいよ西へ立ちます。20日にブーツェン駅から8時の列車で発つ予定です。時間があったら来てほしいです。伝えたいことがあります』 「おい誰だこんな手紙書かせたやつは?場所や日時は機密事項だ。教官はそんなことも教えなかったのか?これ黒く塗り潰しておけ。ったく、どこにスパイが潜んでるかわからん世の中だってのに」
「ヘンダーソン先生、先生宛にお手紙です」 ヘンリー「またマーサからだ。前回は黒塗りだらけでよくわからん文面だったが…」 マーサ《拝啓ヘンリー お元気ですか?私は今バーリントから遠い所にいます。前の手紙は書いちゃいけないことを書いちゃったみたいで上官にこっぴどく怒られました。ヘンリーはそろそろ先生が板についてきたかしら?詳しくは書けませんが、私は毎日任務に忙殺されています。でも何とか元気にやっています。当分は帰れないと思うけどヘンリーが寂しがらないようにこうしてお手紙続けます》 ヘンリー「…生意気な」 『POST OFFICE』 「戦地への手紙ですか?隊宛ての物資と一緒に送ることはできますよ。輸送回数が限定されるのでそんなにしょっちゅうは届けられませんが」 ヘンリー「ありがとう」 ヘンリー《親愛なる教え子マーサへ…》 マーサ「返事が来た!」 「恋人?」 ヘンリー《マーサへ 息災に過ごしているか?どんな場であれ規則はきちんと守りなさい。それは人間として…》 「ほとんど説教だし…しかし親愛なる教え子だし…何だ片想いか…もっと気持ち伝えてみなよ」 マーサ「がんばる…どうしたらいいかおしえて…」 『そうしてワシとマーサは手紙のやりとりをするようになった』 マーサ《ヘンリーへ 私はこの前上官に仕事の出来を褒められました。勲章がもらえたら皇帝の兵士(インペリアルソルジャー)になれるかしら?なんて。あ~学校を思い出すな~》 ヘンリー《マーサへ 私は今、中等部の担任だ。君に似た生意気な生徒が多く日々手を焼いている》 マーサ《ヘンリーへ こないだ同じ連隊のイケメンにご飯に誘われちゃった。どうしよう》←友人に教わったヤキモチ作戦 ヘンリー《マーサへ 食事を共にすることで親睦も深まり見識も広がる。それは素晴らしいことだ》←効果なし 『その文通はあの頃の茶会のような満ち足りた時間であった。戦況の悪化と共に送られてくる頻度は徐々に減っていった』 ヘンリー「手紙は?」 「今月は来てないですね」 ヘンリー「そうか…」 『いつしかワシは彼女の便りを待ち焦がれていた』
軍人「長期化に伴って前線の士気の低下が看過できん問題に…」 ヘンリー「(社交場にも軍人が増えたな)」 軍人「彼女たちも最低限の戦闘訓練は積ませているだろう?」 「ですが…」 軍人「第6旅団が撤退するだけの時間を稼げばいい。うまく宣伝に使えば士気高揚に繋がる」 「…とりあえず陸軍省に打診してみます」
大佐「婦人隊は全員中庭へ!差し迫った戦況ゆえ我が東国民陸軍は新たに“特別防衛婦人隊”なる大隊を編成する。前線へ出る覚悟のある者は志願せよ。これは大変に栄誉ある職務である。祖国に残してきた大切な者たちがどうなるかをよく考え今夜までに決めるように」 「無理よ前線なんて…」 「そうよ、だってまともな戦闘訓練だって…」 「イヤよ、死にたくない」 「でも私は国を守るために婦人軍に入った。大佐が言うように残してきた家族を思えば…」 「違うわよ。あれは“志願しなかったらおまえらの家族の身の保証はしない”っていう脅しでしょ。有志だなんて言って本当は強制なのよ。隊長に聞いたけど、上は今、脱走兵の処刑に躍起になってるって。逃げられないのよ私たち…」 「イヤよ絶対イヤ!」 「みんなで反対すれば…」 マーサ「私は戦う。どうせ死ぬなら1人でも多く敵を倒して東に向けられる銃弾を1発でも減らしたい」
『国防婦人軍から有志による“特別防衛婦人隊”を結成!男たちと肩を並べ前線へ出る彼女たちの勇気と忠誠心に称賛の声!』 「先生討論会始まりますよ」 ヘンリー「おお失敬」 「論題は“この世から戦争をなくせるか”。それでは次に否定派の…ドノバン・デズモンドくん」 ドノバン・デズモンド「はい」 ドノバン「戦争はなくなりません。歴史がそれを実証しています。この世から武器を一掃すれば解決するか…ノーです。なぜなら…人間は嘘つきだからです。“相手が本当は武器を隠し持っているかもしれない” その疑念が拭えぬ限り終わらぬいたちごっこをくり返すだけです。相対する者の本心がわからない。なぜならこちらも本心を隠しているから。もちろんボクも平和を願っています。武力ではなく話し合いで解決できればそれが最善なのもわかっています。ですが現状が人間の関の山。たとえ資源が余りあろうとも政治や技術が革新されようとも争いがなくなるとは思えません」 『若き生徒たちの真摯な弁論もその時のワシの耳には何ひとつ入ってこなかった』
「ヘンダーソン先生ー手紙届いてますよー」 マーサ《ヘンリー元気?私は最近あんまり元気じゃないかも…珍しくご飯も喉を通りません。最近よく夢を見ます。学校でヘンリーが講義をしてて、それを聞いてみんなが仲良く握手をしてるんだけど、私の手はドロドロで輪に入れなくて泣いてるの。ごめんねヘンリー。私はきっと間違えちゃったんだ。出来の悪い生徒だったんだ。わからずやは私だった。ごめんね》 ヘンリー「そんなことない…!そんなことないッ!君は…」 『それは彼女が初めて見せた弱音』 マーサ《ヘンリー、あなたに会いたいです》 『腹の底から吐き気のようなない混ぜの感情が込み上げてきた。必死にこらえて、こらえきれず漏れ出た言葉は“私も”だった。“この子を守ってやりたい”その気持ちに気づくのが遅すぎた。マーサからの手紙はそれが最後となった』 ヘンリー《愛するマーサへ 君のことが心配だ。食事はちきんと摂ってくれ。慰めになるかわからないが、君が好きだった茶葉の香りをこの手紙につけてみたよ。戦地まで届くとよいが…私は今、懸命にダンスの練習をしている。君が帰ってきたら卒業パーティーの続きを踊ろう。その時君に伝えたいことがある》 ヘンリー「(帰ってこい…!帰ってこい帰ってこい帰ってこい帰ってこい帰ってこい帰ってこい帰ってこい)」 📻ラジオ「OBC放送お昼のニュースです。陸軍の発表によれぱ22日、我が軍は州都ミンスにて敵の包囲網を突破。その功労者は先に結成された特防婦人隊を含む第99連隊で彼女たちの尊い犠牲により…」
『イーデン校』 軍人「イーデン校の生徒諸君!諸君らはこの国の未来です。この学び舎で愛国精神を育み、それぞれが護国の礎となってもらいたい!先に散華していった特婦隊の猛勇に倣い、男女の別なく自ら…」 ヘンリー「黙れ!美談にするな」 「よしなさいヘンダーソンくん!」 ヘンリー「彼女たちの死すらプロパガンダに利用するつもりか…彼女たちは犠牲者だ。このくだらん争いのただの犠牲者だ!」 軍人「あの非国民をつまみ出せ」
「出ろ。面会だ」 ヘンリーの父「ヘンダーソンの名に泥を塗ってくれたな」 ヘンリー「父上…!」 ヘンリーの父「よく考えろ。性根を入れ替えて檻から出るか。さもなくば一生教職には戻さん」 ヘンリー「(自分を曲げぬことが強さか)」 《ヘンリーが講義をしてて、それを聞いてみんなが仲良く握手を…》 ヘンリー「(否、己のちっぽけなプライドよりも10年…100年先の未来のために…)」
『イーデン校』 ドノバン「先生が投獄されている間、授業が滞りました」 ヘンリー「すまなかった、ミスターデズモンド」 ドノバン「…失礼ながら先生は阿保です。人間はみな愚かで期待するに値しないと割り切るべきです」 ヘンリー「それはつまらなくないかねデズモンド?そうやって諦めてしまったら人類の歴史はそこで終わりだ。私の将来の仕事もなくなってしまうな、ははは」 ドノバン「それは困ります。先生の授業は楽しいので」 ヘンリー「明日の予習もしっかりやっておきなさい」 ドノバン「わかりました」 『ほどなくして東西は痛み分けの終戦を迎えた。街に復員兵が溢れかえる頃になってもワシの待ち人は現れなかった』 ヘンリーの父「貴様の愚行のせいですべて破談となった見合の話だが何とか新たにとりつけた。これが最後だ。断ることは許さん」 ヘンリー「(これでいい。これでよかったのだ)」
『西国辺境の某所』 | |
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