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NIGEWAKA | |||
原作(Original Story): 松井優征(Yusei Matsui) TVアニメ『逃げ上手の若君』 第1話 | |||
第1話 | |||
サブタイト | 5月22日 | ||
放送日 | 2024年7月6日 | ||
OPテーマ | プランA (歌: DISH//) | ||
EDテーマ | 鎌倉STYLE (歌: ぼっちぼろまる) | ||
原作 | 第1話 | ||
キャスト |
諏訪頼重:中村悠一 雫:矢野妃菜喜 北条邦時:寺崎裕香 北条高時:田所陽向 清子:松田颯水 足利高氏:小西克幸 | ||
あらすじ | 時は元弘三年(1333年)鎌倉。世を治める鎌倉幕府執権の跡継ぎ・北条時行は、武士の子ながらも争いを好まぬ、心優しき少年であった。戦いと死こそが武士の名誉といわれる時代にありながら、武芸の稽古を嫌い、臆病者と囁かれ、逃げることと隠れることばかりが得意な時行。ある日、いつものように稽古から逃げ出した時行の前に現れたのは、怪しき神官・諏訪頼重。 未来を見通す力を持つという頼重は、時行が「天を揺るがす英雄になる」と告げるのだった。嵐のような運命に翻弄される少年の、天下をかけた鬼ごっこが始まる――! |
『勇敢な討ち死に潔い自害。戦いと死こそが武士の名誉。これはそんな怒涛の時代を華々しく生き抜いた英雄・足利尊氏の生涯を描く物語…』 『ではなく』 「時行様ー!」 「弓の稽古の時間ですぞ!もう逃げられませんぞ時行様」 「なんと身軽な…」 「馬鹿者!感心してる場合か」 「危のうございます時行様」 「降りてくだされ」 「大怪我をなされますぞ」 「誰かお止めしろー」 「何事じゃ騒々しい!足利殿のご出発であるぞ」 「あ…いや時行様が…」 北条時行「た…高利殿…」 足利高氏「足利高氏、今より京に行き後醍醐先帝方の乱を鎮めて参ります。北条家への我が忠義を未来の主君にもご覧いただきたく」 北条時行「頼もしく思います。鎌倉と武家の繁栄のため鬼人の活躍をお祈りします」 足利高氏「フッ、では」 清子「足利なんかに気後れしないで」 北条時行「清子」 清子「時行様は幕府の跡継ぎ。いずれあいつに命令する立場になるんですよ」
北条時行「それに私の将来の夫なんですからしっかりして」 清子「いや君と婚約した覚えは…」 北条時行「ごめん清子!また今度」 清子「あらま」 摂津親鑑「全く…逃げるのと隠れるのばかりが得意な御子だ。同じ武士でも高氏とは器が違いすぎる。将来幕府を継ぐといってもお父君のようにお飾りの王になるだけだな」 「よろしいな高時殿」 「ではこの件我らにお任せいただこう」 北条高時「あい」 清子「いいじゃない父上。お飾りの王でも贅沢な暮らしはできるんだから。時行様は才はないし逃げ腰だけど優しいお方」 清子「名家の私の嫁ぎ先としてなら合格だわ」 北条邦時「時行」 北条邦時「父上は病弱な上やる気もない。早くお前が後を継いで差し上げろ」 北条時行「いや、兄上が継ぐのが順序でしょう」 北条邦時「絶対に嫌だね。側室の子の私が継げば争いのもとだ。嫌なことからは正々堂々逃げるのが我々の血筋さ」 北条時行「何を自慢げに…」 「時行様!見つけましたぞ!」 北条時行「(私はこの鎌倉が好きだ。平和に暮らす人々の笑顔を見るのが好きだ。地位も栄誉も別にいらない。この街で生きていければそれだけで)」 北条時行「(怠惰、臆病それでいい。お飾りの私に文武の力など無用の長物だ)」 北条時行「うわああああああ!」 北条時行「何だ何だ何だァ!」 諏訪頼重「お初にお目にかかります!私は信濃国の神官・諏訪頼重と申しまする」 北条時行「信濃の神官?というかいつの間に登ってきた!?」 諏訪頼重「最初からおりました。貴方様がここに登る未来が分かっていたので」 北条時行「何かえらく後光がさしてるが… 諏訪頼重「おお!これは失礼。持って生まれた神聖さゆえどうしても神力がタダ漏れに」 諏訪頼重「弱にします」 諏訪頼重「私は鎌倉を敵から守護する祈祷を仰せつかっておりましてな、完了した旨、御父君にご報告をと参りました」 雫「父様は神力で未来が拾えるのです。祈祷の方は適当だけど」 諏訪頼重「雫、後半いらない」 諏訪頼重「お疑いならさらに見て進ぜましょう」 諏訪頼重「ゴニョゴニョになられます…どちらかと言えば…ゴニョゴニョ…もしくは…あっ違うなどちらかというと…ぁなるようになるような…」 北条時行「何て!?」 北条時行「全部ボヤボヤじゃないですか!」 諏訪頼重「断片しか分からんのです!そもそも全部分かったら面白くないでしょうが!」 諏訪頼重「でも今ので見えました。貴方様はボケとツッコミで言ったらツッコミ側だ」 北条時行「誰のせいだボケ占い師!」 諏訪頼重「それと二年後の未来も見えました。十歳の時に貴方様は天を揺るがす英雄となられまする」 諏訪頼重「大戦の主となり ある者は恐れある者は敬い、国の未来すら変えることになるでしょう」 諏訪頼重「それだけは分かるのです。なぜならこれはとても強い…」 諏訪頼重「おや豆粒大!?」 雫「父様、いきなりあんなこと…」 諏訪頼重「うーむ、凄まじい危機察知能力」 北条時行「危ない危ない。霊感詐欺につぎ込めるほど私の小遣い多くないぞ」 北条時行「バカな男だ。私などを騙したところで上辺の栄華しか手に入らないのに」 北条時行「私を英雄などと…あのように真剣な目で」 北条邦時「そのようなものが出入りしていたとはな」
北条時行「本当に…怪しい男でした」 北条邦時「だが私にはその諏訪殿とやらが言ったことが少し分かる。お前の逃げ上手は私や父上とは格が違う」 北条邦時「何か一つ条件が整えばお前だけは英雄になれる…そんな気がするよ」 北条邦時「あれ?どこに行った?」 北条時行「木に引っかかったのでは?」 足利高氏「これより京に入り謀反軍を鎮めに参る。我らに八幡大菩薩のご加護を!往くぞ!」 「うおおおおおお」 「太守!太守!申し上げます。足利が密かに後醍醐天皇と内通し、京の幕府軍を壊滅させたとのこと。高氏の名声を聞いた武士たちが集まり新田軍は瞬く間に膨れ上がっているとか」 足利高氏「声が聴こえる…誰の声か…誰だ、我を天下に推し挙げるのは」 北条時行「諏訪頼重…どうしてここに…?」 諏訪頼重「今は時間がない、こちらへ。我が神眼にはこうなる可能性が見えておりました。万一に備え準備をしていたのです。この先の丘に配下と馬をかくしてあります。お早く参りましょう」 北条時行「…嫌です。私も父上と…皆と一緒に腹を切ります」 諏訪頼重「なりませぬ。貴方様が死ねば日本の未来はどうなりますか?」 北条時行「…どうなるというんですか」 諏訪頼重「どうってそりゃ…」 北条時行「帰れ。インチキ祈祷師の言う事など信じられるか」 諏訪頼重「失礼な!神聖さが溢れてはち切れそうな私に向かってインチキ!?」 雫「父様、インチキはインチキだから言い訳しないで」 諏訪頼重「庇って身内!」 北条時行「貴方は先日…私が英雄になるなどと戯言を言ったが」 諏訪頼重「主君を殺して天下を奪った高氏にとってはさぞ厄介なことでしょうな。次に誰より殺さねばならない鎌倉幕府の後継者が誰より生き延びる才能を持つのですから」 諏訪頼重「高氏は殺すことで英雄となり、貴方様は生きることで英雄となる。二人は対極の運命の英雄なのです」 諏訪頼重「勝つための全てを揃えて差し上げます」 諏訪頼重「このまま貴方様が生き続ければ高氏はいずれ必ず自ら貴方様を殺しに来る」 諏訪頼重「その時まで逃げて隠れて力をつけて 追ってきた鬼を討ち取るのです」 諏訪頼重「さあ天下を取り返す鬼ごっこの始まりですぞ!」 北条時行「頼重殿、貴方の目的は何だ?亡国の子を救い出して貴方に何の利益がある?」 諏訪頼重「全ては北条家への忠義のため!…とインチキ祈祷師が言ったところで信じますまいな」 諏訪頼重「いずれお話しいたしましょう。貴方様がこの鎌倉を取り戻したその時に」 北条時行「…私は…恥知らずだ。一族が滅ぶ最中なのに。共に死ぬのが武士の子として当然なのに…貴方のせいで生きる悦びにときめいてしまった。頼重殿、責任は取ってもらうぞ」 諏訪頼重「もちろんでございまする。地獄の底までお仕え致しましょう」 『頼重の予言通り 二年後に時行は日本中を震撼させる』 | |
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