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FRIEREN | |||
原作(Original Story): 山田鐘人×アベツカサ 葬送のフリーレン 第126話ネタバレ | |||
葬送のフリーレン 第126話 | |||
サブタイトル | 新たな任務 | ||
配信日 | 2024年2月28日 | ||
サンデー | 2024年14号 | ||
単行本 | 13巻 | ||
登場人物 | フリーレン フェルン シュタルク ユーベル ラント ゼーリエ ゼンゼ ファルシュ | ||
初登場 | レーヴェ | ||
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第126話 新たな任務ユーベル「やあ、メガネ君」 ラント「帰れ」 ユーベル「酷いなー。しかしここがメガネ君の生まれ育った村か。のどかでいい場所だね。開けてくれないと暴れちゃうかも」 ラント「構わないよ。僕は別にこの村に愛着があるわけじゃないから」 ユーベル「ふーん。じゃあ何に愛着があるの?開けてよ。メガネ君」 ラント「僕の名前はラントだって…いや、もうどうでもいいか」 ラント「それでユーベル、僕に何の用?」 ユーベル「ねぇ私のこと怖くないの?」 ラント「なんで?」 ユーベル「私なりの分析。一級試験という重要な場まで分身魔法を使って参加したということは、君は人前に出るのが怖いんじゃないかなって思って。特に自分以外の優秀な魔法使いを恐れている」 ラント「そう見える?」 ユーベル「大体3パターンくらいかな。君は臆病者か、ただの悪趣味な人、あるいはその両方だ。ねぇメガネ君。安全な場所から、檻の中の危険な猛獣たちを見て回るのは楽しかった?」 ラント「ユーベル。僕は用件を簡潔に述べられない人はあまり好きじゃない」 ユーベル「メガネ君。ここにはもうその檻は無いんだよ」 ラント「そう。お砂糖は?」 ユーベル「いっぱい」 ラント「はいはい。昼に焼いたクッキー持ってくるけど、食べる?」 ユーベル「食べる。…ねぇ」 ラント「何?」 ユーベル「逃げないでよ」 ラント「逃げる訳無いでしょ」 ラント「よし逃げるか (全く結局何の用だったんだよ。まあどちらにせよあんなヤバい奴と一緒にいたくない。まさかこんな形で村を離れることになるだなんてな) 最後に挨拶くらいしていくか」 ユーベル「ねぇ。それ誰の墓?」 ラント「僕、魔力消すの相当上手いほうだと思うけど、どうやって見つけたの?」 ユーベル「私なりの分析かな」 ラント「…分析ね。ユーベル。君は僕のことを何もわかっていない」 ユーベル「そうだよ。だから聞かせて」 ラント「…婆ちゃんだよ。今から5年前。僕がまだ三級魔法使いだった頃に死んだ。老衰で穏やかに逝ったよ。僕の両親は幼い頃にはもういなかったから、二人で一緒に暮らしていた」 ユーベル「それで?」 ラント「それだけだよ。婆ちゃんに老い先短い人生だからせめて最後は看取って欲しいと言われた。一人で寂しく死にたくないんだとさ。正直面倒臭かったよ。魔法学校は帝都にあったし、分身魔法も今ほど精密に使えた訳じゃない。婆ちゃんは死期を悟った割りには元気だったし、面倒見るどころか見られていた。あの人はきっと僕と一緒にいたかっただけなんだろうな。そんなことを考えているうちに婆ちゃんはあっさり死んでしまった。それから5年間。僕はこの村から離れられずにいた。こうして考えてみると、一緒にいたいと思っていたのは婆ちゃんだけじゃなくて僕もだったのかもしれないな」 ユーベル「そう」 ラント「…それでユーベル。いい加減何の用か教えてくれないか?殺しに来たっていうのなら僕は今から全力で逃げなきゃいけなくなる」 ユーベル「大陸魔法協会からの任務のお知らせ」 ラント「なんでそれを先に言わないんだよ。で?」 ユーベル「今回の任務は組んでやれってさ」 ラント「誰と誰が?」 ユーベル「私とメガネ君」 ラント「もうこれ人選ミスでしょ。帰っていい?」 ユーベル「まあその選択もありなんじゃない。ゼーリエも気が向いたらって感じのこといってたし」 ゼーリエ《無理に誘わなくていいから》 ユーベル「でも私は強引にでも連れて行くつもりだよ。メガネ君のこともっと知りたいし」 ラント「僕の魔法に興味があるだけだろ。…でも不思議と悪い気分じゃない。僕は心のどこかで強引に引っ張ってくれるような奴を探していたのかもな。この村から連れ出してくれるような誰かを」 ユーベル「口説いてるの?」 ラント「そう見える?」 ユーベル「もっと口説いてよ」 ラント「とりあえず任務の内容見せて」 『勇者ヒンメルの死から31年後。帝国領 帝都アイスベルク』 ゼンゼ「今回の任務は一級魔法使い5名によるも大規模任務となる」 フリーレン「城門で待ち伏せは卑怯でしょ…建国祭で魔道具を買いあさる予定だったのに…第一私無関係じゃん…任務なんか知らないよぉ…」 フェルン「すごく悲しそう」 フェルン「ところで5名って、この場には私も含めて一級魔法使いは3人しかいないようですが…」 ファルシュ「残りはラントとユーベルのチームです。今は情報収集に動いて貰っています」 ゼンゼ「では概要を話そう。知っての通りこの帝都アイスベルクは現在建国祭の期間中だ。3日後の最終日には帝都領と北側諸国の要人たちが集まる、大規模な舞踏会が宮殿で執り行われる。そこに大陸魔法協会の代表として、ゼーリエ様が招待された」 フリーレン「そう。それで任務って何?まさかゼーリエの護衛とか言わないよね」 ゼンゼ「そのまさかだよ」 ファルシュ「舞踏会でゼーリエ様が暗殺される可能性があると、帝国で諜報活動をしているリネアール一級魔法使いから報告を受けました」 ゼンゼ「詳細な情報の受け渡しは今夜行われる予定だが、現段階での信憑性は高いと考えている」 フェルン「ゼーリエ様を暗殺って…とても現実的だとは思えないのですが…」 フリーレン「相当難しいだろうね。私でもゼーリエに勝てるイメージは全く湧かない。彼女は間違い無くこの時代の人類の頂点に君臨する魔法使いだ」 フェルン「でしたらそこまで警戒する必要は…」 フリーレン「でもそれは、あくまで魔法使い同士の戦いに限った話だ。腕のいい戦士なら勝機は十分あると思うよ。丁度このくらいの距離かな。この距離でシュタルクに不意打ちされたら私たち2人は何も出来ず命を落とす。どうしても魔法の発動が間に合わないからね」 シュタルク「傷付くからそういう反応やめてよ」 フリーレン「出来ないとは言わないんだね」 シュタルク「…これ以上近付かないようにします…」 フリーレン「いいよそのままで」 フェルン「冗談だから。ごめんね」 フリーレン「近接戦闘という一点において、私たち魔法使いは戦士にほとんど太刀打ちできない。だからパーティーには信頼関係が不可欠で、戦士も必要。正面から敵の接近戦力とぶつかり合える前衛がいなければ魔法使いは想像以上に脆い。それは大魔法使いゼーリエも同じことだと思うよ。」 ゼンゼ「もちろんその可能性も考慮している。ゼーリエ様の身辺警護はゼンゼ(わたし)とファルシュだ。どちらも近接戦、それも対戦士に特化した戦い方ができる」 フリーレン「どうシュタルク、やっつけられそう?」 シュタルク「逆に俺が勝てると思う?バラバラにされるって」 フェルン「ここまでの接近戦特化相手だと魔法で攻めた方が勝率は高そうですね」 シュタルク「戦士対策は問題無いんじゃねぇか」 フリーレン「一応は、でしょ。達人に匹敵するほどの戦士が相手ならどうなるかわからない。少なくとも私達は帝都に来る前に一度死にかけている」 ゼンゼ「…影なる戦士か」 「閣下。もみあげはいかがなさいますか?」 レーヴェ「いつも通り、不自然な感じで」 「任務でございますか?」 レーヴェ「ああ。身だしなみくらいは整えんとな。俺の顔は歴史の影にすら残らんだろうが、リストの人物にとっては生涯で最後に見る顔になる。礼節くらいは弁えねばな」 レーヴェ「うむ。いい仕事だ。褒めて遣わす」 「勿体無きお言葉です」 | |||
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