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FRIEREN | |||
原作(Original Story): 山田鐘人×アベツカサ 葬送のフリーレン 第127話ネタバレ | |||
葬送のフリーレン 第127話 | |||
サブタイトル | 回収任務 | ||
配信日 | 2024年3月13日 | ||
サンデー | 2024年16号 | ||
単行本 | 13巻 | ||
登場人物 | フリーレン フェルン シュタルク ユーベル ラント レーヴェ リネアール | ||
初登場 | カノーネ ノイ | ||
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第127話 回収任務ユーベル「ねぇ帝国と大陸魔法協会って、仲悪いの?」 ラント「悪いみたいだね」 ユーベル「どうして?」 ラント「知らない。でも昔からだ。具体的な確執までは当事者同士じゃないとわからない。でもある程度推論はできるかな。帝国は大陸最大の魔法文明で高度な魔法技術を持ち軍事転用にも積極的。だからこそ隠蔽体質で、裏で何をやっているかわかったもんじゃない。対して大陸魔法協会は優秀な魔法使いを集めておきながら、その意思決定は大陸魔法使いゼーリエという人知を超えた存在に委ねられている。こっちも何をしでかすかわからない。仲良くなる要素あると思う?」 ユーベル「どっちも怖いねー。それにしても、貴族の馬車がやけに多いね」 ラント「建国祭の期間は元々社交界のシーズンだ。地方貴族達はこの時期に挨拶回りをすることになる。名家はどこも社交界一色で人の出入りも多い」 ユーベル「だからこの格好ってわけか」 ラント「招待状くらいは確認するだろうけど、地方貴族の顔なんて一々覚えちゃいない。っていうのがリネアールの見立てらしい」 ユーベル「リネアール。ゼンゼが言っていた帝国で諜報活動をしている一級魔法使いか」 ラント「屋敷が見えてきたな」 ユーベル「私達の仕事は帝国の重臣が主催するパーティーに紛れ込み、リネアールが倉庫に隠した暗殺計画に関する文書を回収すること。ねぇこれって回りくどくない?リネアールが直接持ってくればいいじゃん」 ラント「ゼンゼの話によると、リネアールはもう15年以上も帝国の諜報活動を続けていて、現在は内情を知れるだけの身分にいるらしい」 ユーベル「ならほどね。そうなると建国祭の期間は自由に動けるような立場じゃないってことか。やっぱり優秀なんだ。そうは見えなかったけど」 ラント「会ったことあるのか?」 ユーベル「北部支部で一度だけ見たことがある。三年に一度の定期報告とか言っていたっけ。それが終わったら中庭で一日中蝶々を眺めていた。正直変人という印象しかないかな」 ラント「一日中って…それを眺めていた君も十分変人でしょ。とにかく振る舞いには気を付けろ」 ラント「…おい」 ユーベル「周りを見て。機転を利かせにいと。この方が自然でしょ。私たちは夫婦なんだから」 ラント「全く」 ラント「ここだな」 ユーベル「リネアールが文書を隠した倉庫か。人気もないしいい場所だ」 ラント「今は使われていないから警備も無いって話だ。さっさと探して終わらせよう」 ユーベル「何やってるの?」 ラント「念のための保険。無いよりはマシでしょ」 ユーベル「ねぇねぇ、メガネ君」 ラント「見つけたのか?」 ユーベル「いいや。見つかった。屋敷の警備ってこんなに優秀なの?」 ラント「(足音…どうしてこんな接近されるまで気が付かなかった…)」 ユーベル「これはもう、やるしかないねー」 ラント「よせ。もう諦めて窓から逃げるぞ。相手は相当強い」 ユーベル「ふーん、強いんだ」 ラント「なんで嬉しそうなんだよ。君を置いて逃げることだって(…いや、駄目だ。想像以上に戦力差がある。置いて行けない)」 ユーベル「…ん?何その手?」 ノイ「これは失礼」 ラント「(…あの制服は魔導特務隊。本来なら内乱の鎮圧に駆り出すような部隊だ。要人警備にしては度が過ぎているな)」 ノイ「どうしますかカノーネ?」 カノーネ「くだらん。こういった場ではよくあることだ。放っておけ。どうせ使われていない倉庫だ」 ノイ「それが…魔法使い。恐らくかなりの手練れです」 カノーネ「やれやれ」 カノーネ「…いや待て」 ノイ「…帝国魔法学校の校章」 カノーネ「中にいる連中の落とし物かもな。来賓には魔法学校に通う貴族の子弟もいる」 ノイ「あの二人がそうであるのなら魔法使いでもおかしくない…と」 カノーネ「そう主張しているようにも見えてしまうな」 ノイ「二人に話を聞いて身分を確認しますか?」 カノーネ「出来ると思うか?下手をすれば痴情に首を突っ込むような非礼を働くことになる。私の同期は正義感に駆られてとある式典で貴族に恥をかかせた。今は北方の辺境カステンで門番の仕事をしているよ。もう10年以上も何もない雪原を眺めて暮らしているそうだ。私と一緒に行きたいかノイ?」 ノイ「バカンスには寒過ぎますね」 ユーベル「…もういいでしょ。離れてよ」 ラント「そういうリアクションしないでよ。機転を利かせたんだから。それより早く文書を回収して、ここから出るぞ。ただの官憲相手なら裏付けも無しに貴族の子弟に手は出さない。どんなに怪しくても万が一があるから普通は保身に走る。でも魔導特務隊は駄目だな。鼻が利く上に、余りにも好戦的だ」 ラント「カノーネ」 カノーネ「ああ。バカンスの心配は無くなったな。金具が曲がっている」 カノーネ「ふむ…追え。まだ遠くには行っていないはずだ。私は痕跡を調べる。ここで何をしていたのかが気になる。……色々と、詰めが甘いな」 『フリーレン&フェルン&シュタルク』 フリーレン「遠くの音が聞こえる魔道具…これ本当?」 「よければお試しください」 フリーレン「うーん…よくわかんないな」 フェルン「フリーレン様。見回り中ですよ」 フリーレン「フェルン」 フェルン「もー…魔力を感じないし、これたぶん偽物ですよ」 シュタルク「…ありだな」 フェルン「え…何、怖い」 「微笑ましい光景ですな閣下」 レーヴェ「隙だらけと言いたいところだが、不思議なものだな。いい加減に尻尾を出せと言われているような気分だ」 「…目が合いました」 レーヴェ「強いな」 「作戦に支障があるとお考えですか?」 レーヴェ「どう思う?」 「ゼーリエ暗殺という大義の前では些事の一つに過ぎないかと」 レーヴェ「慎重さが足りんな。爺。影には影の戦い方がある。どうせ歴史に残されぬ偉業に美しさなど必要ない。大戦士の亡霊らしく、誇りも名誉もかなぐり捨てて勝利を奪い取るまでのことだよ」 | |||
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