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FRIEREN | |||
原作(Original Story): 山田鐘人×アベツカサ 葬送のフリーレン 第128話ネタバレ | |||
葬送のフリーレン 第128話 | |||
サブタイトル | 魔導特務隊 | ||
配信日 | 2024年4月17日 | ||
サンデー | 2024年21号 | ||
登場人物 | ユーベル ラント ノイ フラーゼ カノーネ | ||
初登場 | ヴェーク | ||
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第128話 魔導特務隊ユーベル「ここどこ?人通りが全然無いんだけど」 ラント「旧帝国広場の近くだよ。ここら辺一帯は区画整理で立ち入り禁止区域になっている」 ユーベル「もしかして追い込まれてる?」 ラント「もしかしなくてもだよ。こりゃ逃げきれないかもな」 ユーベル「メガネ君。私は君が慎重な性格なことも知っているし、私を逃がすために動いてくれていることもわかる」 ラント「そうか。じゃあついでに余計なお喋りが嫌いだってことも覚えておいてくれ」 ユーベル「メガネ君はさ」 ラント「黙ってろって言わないとわかんないの?」 ユーベル「私は帝国の出身じゃないから、魔導特務隊ってのがよくわからないんだよねー。教えてよ。じゃないと君と一緒に怖がることもできない」 ラント「魔導特務隊ってのは魔法使いで構成される帝国軍の特殊部隊で…」 ユーベル「わかりやすく」 ラント「帝国最強の魔法使い達ってこと」 ユーベル「何故それを私達一級魔法使いが恐れる必要があるの?」 ラント「確かに一級魔法使いは、帝国どころか大陸最強の魔法使いと言っても過言じゃない。でも一級魔法使いってのは、“魔法使い”なんだよ。その時点で相性が悪い。帝国は昔から魔法の軍事転用に積極的だ。これは裏を返せば、戦争に特化した魔法使いを多く抱え込むということになる。こいつらは比喩表現でもなんでもなく、一国を亡ぼせるだけの強大な戦力だ」 ユーベル「なるほど。反乱が起きたら大変だ」 ラント「影なる戦士、聖杖法院」 ラント「反乱を防ぐための対魔法使い専門の特務機関が存在するという、“噂”は数えきれないほどある。その中でも帝国が正式にその存在を認め、内乱の鎮圧に当たっているのが魔導特務隊だ」 ユーベル「目に見える抑止力って訳か」 ラント「というよりも表舞台で魔法使いに対処する組織があったほうが、戦略的に有利っていうのが正しいかな。魔導特務隊は帝国の国防戦力の一翼でもある。侵略側に魔法使いがいないなんてことはまずありえないからね。内乱も、戦争も、人も魔族も関係なく、奴らはただ純粋に魔法使いを狩ることに長けた猟犬だ」 ユーベル「…私怨を感じる」 ラント「どうして?」 ユーベル「メガネ君その言い方は、まるで追われている側の視点だ」 ラント「実際そうでしょ。現に今追われてるんだから」 ユーベル「…問答無用か」 ユーベル「メガネ君生きてるー?(魔力による物質操作。スタンダードな質量攻撃か。規模も気になるけど、この操作速度はなんだ?魔力探知に長けたメガネ君が反応できていなかった。私も着弾してから気付いたし単純な魔法じゃなさそうだ)」 ノイ「問答無用って、それは流石に人聞きが悪いな。俺は逃亡する君達に何度も投降するように警告を送ったよ。それを無視したのは君達だ」 ユーベル「あの鬱陶しい魔力信号ってそういう意味だったんだ。メガネ君、こういう重要なことはちゃんと教えておいてよ」 ノイ「なるほど。君は帝国の人間ではないのか。いい情報だ。では口頭で伝えよう。投降しろ。投降しなければ武力を以って制圧する」 ユーベル「…ってかメガネ君本当に大丈夫?…返事は無しか。逃げちゃったかな」 ユーベル「これはもう、好きにやっていいってことだよね」 ノイ「血の気が多いね。抵抗する相手は久々だ。制圧を開始する」 ユーベル「(やっぱり違和感がある。理由はわからないけど、物質操作と魔力の流れに若干のズレがある。そのせいでメガネ君は着弾のタイミングを読み間違うたのか。でも目視でも回避なら問題なく戦える。こっちが認識できていない相手の魔法の特性。確かにそれは気になるけど、その正体を知る頃にはもう手遅れになっている。そんな気がする) 知る前に終わらせるか。見た者を拘束する魔法(ソルガニール)」 ノイ「…魔力操作が出来ない。強力な拘束魔法だね。条件は何?」 ユーベル「なんだと思う?」 ノイ「今なら動けるのか。ということは…」 ユーベル「(反撃…?魔法は使えないはずなのに)」 ノイ「…なるほど。条件として考えられるのは、視界に収める。魔力探知で捕捉する。この内のどちらか一つ。そこまでは絞れた。…まあこれだけわかれば、どちらでもいいか」 ユーベル「(…目が見えない。それに魔力探知まで…) …やってくれるじゃん。一体何をしたの?」 ノイ「一名制圧。もう一人潜伏してるよね?君を助けにきてくれると、仕事が楽になるんだけど」 ユーベル「なんのために私が暴れたと思ってるの?もうとっくに逃げてるでしょ。あいつ魔導特務隊のこと凄く怖がってたよ。どんな悪い事したの?」 ノイ「時間稼ぎは良くないな。まだ近くにいる。攻撃の機会を窺っているのか…」 ユーベル「ふーん、まだ逃げてないんだ。さっさと逃げればいいのに」 ユーベル「(そういえばメガネ君、臆病で性格悪いけど、誰かを見捨てるのは嫌なんだっけ)…歪んでるなー、メガネ君は。気持ち悪い」 ノイ「驚いた…何も視えてないはずなのに…」 ユーベル「メガネ君。隙は作ったよ。君の腕ならこいつの頭撃ち抜けるでしょ」 ノイ「…本当はこんな悪者みたいなこと、言いたくないんだけど、今すぐ潜伏をやめて投降しろ。下手な動きを見せたらこの女を殺す。戦場を俯瞰して見ていた君なら、初めから決着は付いていて、この状況が手遅れだということもわかるはずだ。君のせいで彼女が死ぬぞ。三つ数える」 ユーベル「メガネ君」 ラント「…ユーベル。悪いけどその賭けには乗れないよ」 ヴェーク「乗ってください」 ヴェーク「後始末が大変そうですね。カノーネ副隊長怒るかも」 ノイ「あの人は手柄さえ上げていれば怒ったりしないさ。街灯には傷一つ無い…どういう基準だろう?ヴェーク、石って切れる物だと思う?」 ヴェーク「さあ、でも僕の故郷の村には石切り場ってのがありましたよ」 ノイ「彼女も似たようなものを見たことがあるのか。二人共暴れないでね。この馬車俺でも壊せないから。あと鉄でできてる。その手のロープも」 ラント「ご親切にどうも。鉄だってさ。ユーベルこれが何に見える?」 ユーベル「メガネ君にはどう見える?」 ラント「…もしかしてまだ目が見えてないの?」 ユーベル「教えて」 ラント「ロープだ。手首の感触でわかるでしょ」 ユーベル「感触…その手があったか」 ユーベル「…やっぱり、今本体なんだ」 ラント「分身作るの時間掛かるんだよ。まさか一瞬で建物に押し潰されるとは思わなかったしね」 ユーベル「そう」 ラント「痛っ…!」 ユーベル「なんで撃たなかったの?もう少しで勝てたのに」 ラント「…勝てた?君はそういう解釈なんだ。あの男、本気で君を殺すつもりだったよ。そして君は相打ちになっても構わないと考えていた。人の命も自分の命もどうして君はそんなに軽く扱うんだろうね。君が戦うという選択をしなければ、一緒に逃げることだってできたんだ」 ユーベル「ねぇメガネ君」 ラント「何?」 ユーベル「やっぱり私に死んで欲しくないんだ」 ラント「撃っときゃ良かったな…」 | |||
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