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FRIEREN | |||
原作(Original Story): 山田鐘人×アベツカサ 葬送のフリーレン 第130話ネタバレ | |||
葬送のフリーレン 第130話 | |||
サブタイトル | 水面下 | ||
配信日 | 2024年5月8日 | ||
サンデー | 2024年24号 | ||
次回 | 2024年8月7日 | ||
登場人物 | フリーレン フェルン シュタルク デンケン ゼンゼ ファルシュ グリュック フラーゼ カノーネ ノイ マハト | ||
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第130話 水面下グリュック「早朝だというのに外が騒がしいな」 カノーネ「この時期の帝都は」 グリュック「建国祭だろう。知っている。煩わしい社交界に顔を出さなくて済むのは実に気分がいいな。いつもの取り調べでは見ない顔だ。君は?」 カノーネ「魔導特務隊のカノーネです」 グリュック「階級章、副隊長か。今日は随分な高待遇だ。私は反逆者扱いか」 カノーネ「グリュック様。たった一言、“マハトに騙された”そう仰るだけで良いのです。魔族と共謀していたとあらば、皇帝陛下も非情な命を下さざるを得ません」 グリュック「他の貴族たちと同様に死を賜るというわけか」 カノーネ「恐れながら。城壁都市ヴァイゼの腐敗と汚職を一掃した功労者に、義理を欠くような真似は陛下もお望みではありません」 グリュック「地獄に落ちる覚悟が、私に無かったと思うかね。処刑を執り行うというのであれば、盛大にやってくれ。悪は裁かれるべきだ。それと功労者は私一人ではない。あれは私とマハトの功績だ」 カノーネ「存じております。グリュック様。存じておりますので、どうか」 グリュック「誰の差し金だ?デンケン…宮廷魔法使いのデンケンか?いや違うな。彼は私が汚職や腐敗を嫌っていることをよく知っている。そうなると、君の飼い主は別の誰かで、デンケンの行動次第で利害を被る人物だ。なるほど。建国祭の期間まで取り調べが長引いたのはそれが理由か。私は政争に巻き込まれているんだな。私を人質にデンケンに何をさせるつもりだ?それとも逆に、今デンケンに動かされたら何か困る事情でもあるのかね?…まあいい。どうせ私に選択権など無いのだろう。好きにしたまえ」 カノーネ「グリュック様、よろしければ。お口に合うかどうかはわかりませんが」 グリュック「君は察しが良すぎるな。別に機嫌取りを要求した訳じゃない」 グリュック「君は煙草は吸わないようだが」 カノーネ「隊長が嗜むもので、持ち歩いております」 グリュック「そうか。この煙草の匂いには覚えがある。つい最近だ。…いや、君達にとっては半世紀以上も昔ということになるか。今の魔導特務隊の隊長は誰かね?そうか。フラーゼか。だとしたら君の飼い主でもおかしくはない。あの小娘が今や隊長なのか。時の流れを実感できるな」 『回想』 マハト《彼女はここで殺しておくべきかと》 グリュック《君から殺しの提案を受けるのは、初めてのことだな。ただの査察だ。適当に煙に巻けばいい。それとも私が信用できないかね》 マハト《彼女はこの城塞都市ヴァイゼを滅ぼせるだけの力を持っています。使者として送っていいような戦力ではありません。なんらかの意図があるはずです》 グリュック《反逆の咎か。悪くないかもな》 マハト《お戯れが過ぎるかと。グリュック様。私であれば彼女を始末できます。どうか交戦の許可を》 グリュック《君は政治をわかってないな。帝国を敵に回しては私達は生きていけない》 マハト《ヴァイゼの敵は、すべて私が滅ぼします》 グリュック《最高だな。それも楽しそうだ。そうならないことを願うとしよう》 『現在』 グリュック「結局私は腹の探り合いという退屈な選択肢を選んだ。あれは実に面倒でやりにくい悪党だったよ。今はその選択を後悔している。このような事態になるというのであれば、あのときマハトに殺させておくべきだった。そして君も、あの狡猾な女狐の謀略に付き合わされている訳だ。さぞ気苦労も多いことだろう。私で良ければ相談に乗ってやってもいい」 カノーネ「その気持ちだけ結構です。グリュック様。報告書には情状酌量の余地ありと記載します。罪を償いたいのであれば、城塞都市ヴァイゼの民のためにも最後まで領主としての務めを果たすこと、それが皇帝陛下の御意向でもあります。地獄に落ちるのはそれからでも遅くはないかと。それにヴァイゼの平穏が、お二人の功績であるというのなら猶更」 グリュック「君に何がわかる」 カノーネ「差し出がましい真似を致しました」 グリュック「君達が帝都で何を仕出かすつもりかは知らないが、私の分の地獄の席が、君達で埋まっていないことを願っているよ」 『カノーネ&デンケン』 カノーネ「デンケン様」 デンケン「すでに報告は受けている」 デンケン「“ヴァイゼにて沙汰を待て”か。随分甘い処置だ。義父上は公正な裁きを望んでいた。余計な真似をしてくれたな。昼には義父上の城塞都市ヴァイゼへの移送が行われる。儂もそれに同行することになった。一ついいことがあるとすれば、社交界に顔を出さずに済むことくらいか。あんなものは煩わしいだけだ」 カノーネ「グリュック様も似たようなことを仰っておりました」 デンケン「それで何を企んでいる?」 カノーネ「フラーゼ隊長にお聞きください」 デンケン「そのフラーゼの手綱が握れなくなるから聞いている」 カノーネ「恐れながら、越権行為かと」 デンケン「越権行為か、興味深い解答だな。それは魔導特務隊の機密事項か?それとも」 ノイ「カノーネ。報告が」 カノーネ「デンケン様に無礼だぞノイ。後にしろ」 ノイ「例の魔法使い二人を捕らえました」 カノーネ「デンケン様、非礼をお許しください。急務のようですので私は本部に戻ります。お気を付けて。グリュック様の身は案じたほうがよろしいかと」 デンケン「…やれやれ。帝都の連中も大陸魔法協会も、儂に知らせもよこさず裏で好き勝手やりおって。まあ、儂の立ち位置じゃ、どちらからも信用など得られんか。根回しを進めておくか。早めに帰れればいいのだが」 『フリーレン&フェルン』 フリーレン「おはようフェルン。今日も魔道具を…じゃないや、見回りに行くよ」 フェルン「…はい。おはようございます…フリーレン様が早起きしてる!着替えてる!」 フリーレン「余裕だよ」 フェルン「髪結んでる!」 フリーレン「凄いでしょ」 フェルン「まさか既に朝ご飯も…」 フリーレン「それはまだ。食べさせて」 ゼンゼ「…何これ?」 フェルン「フリーレン様が早起きしていたんです」 ゼンゼ「え…うん…凄いことなのそれ?」 シュタルク「とんでもないことだぜ。きっと明日は天変地異だ」 ゼンゼ「なんなのこいつら…」 | |||
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