- リンクを取得
- ×
- メール
- 他のアプリ
Jujutsu Kaisen | |||||||||||||||
原作(Original Story): 芥見下々(Gege Akutami) 呪術廻戦 第265話ネタバレ | |||||||||||||||
呪術廻戦 第265話 | |||||||||||||||
サブタイトル | あの日 | ||||||||||||||
配信日 | 2024年8月5日 | ||||||||||||||
ジャンプ | 2024年36・37合併号 | ||||||||||||||
登場人物 | 虎杖悠仁 両面宿儺 虎杖倭助 五条悟 脹相 釘崎野薔薇 七海建人 吉野順平 真人 | ||||||||||||||
第265話 あの日『虎杖、領域展開!! しかしここは…』 宿儺「術師との戦いの最中、稀に相手と繋がることがある。この現象は呪力が人間の感情由来であるための副作用のようなものだと俺は考えている。今のこれは違う。なんだ?これが貴様の領域か?」 虎杖悠仁「うるせぇなぁ。俺だって必死こいてたんだからよく分かってねぇよ。オマエと話す時間が欲しかったんだ。ちょっとくらい付き合えよ。おっ、ほら鬼剣舞だ」 宿儺「知らん」 虎杖悠仁「安心しろ。地元民以外まぁ知らねぇよ。6、7歳くらいで仙台に戻るまでこの辺りに住んでたんだよ。俺の生まれは仙台だけど爺ちゃんの仕事の都合でな。少し前に爺ちゃんの友達の葬式で10年近くぶりに戻ったんだけどさ、過疎ってほどじゃねぇんだけど結構寂れててびっくりしたな。いや…びっくりしてねぇな。正直まぁそうだろうなって感じて感情は動かんかった。爺ちゃんが先に死んでたらあの人は葬式来てくれたかなぁ…ここ、1番よく遊んだ公園。遊具がほぼ無くなっちゃったけど俺も箱ブランコに足挟んだ時は死んだと思ったからまぁ仕方ない。落としてて砂まみれになったスライムを洗ったら全部この水道に流れてって泣いた」 虎杖悠仁「朝顔」 宿儺「紫陽花だ間抜け」 虎杖悠仁「分かってるっつーの。うっかりだ。仙台に越してから気付いたけど、こっちではよく咲いてたんだよ。街路樹とかの種類って誰が決めてんだろ。っていうか花の名前なんて分かるんだな」 宿儺「…伏黒恵の記憶だろう」 虎杖悠仁「あ、そうか、っていうかそれなら俺のとこにいた時の記憶でこの辺りのことも分かるだろ」 宿儺「そんな記憶いちいち読み取らん」 虎杖悠仁「そーっすか。その公園は家から遠いけど、ザリガニが取れんだよ。ほら、オマエもやれよ。最強の術師様はザリガニも取れねぇのか」 宿儺「黙れ」 宿儺「小さいな、貴様の」 虎杖悠仁「オマエのアメザリじゃん。ニホンザリガニのほうがレアなんだよ」 宿儺「あ゛?」 虎杖悠仁「お?」 虎杖悠仁「ここは5歳くらいの時にできた百貨店。おかげで近所の個人商店は消し飛んだ。シャッター街ができちゃったのは寂しいけど、上に映画館が入ってるから俺はそれでチャラにした。全体的にグレーな田舎だけど、ちょっと街から離れると緑もあるから安心しろ」 宿儺「別に端から何も期待していない」 虎杖悠仁「ほら、見渡す限りの緑ってやつだ。よく田んぼで虫籠パンパンにイチゴを獲ってたんだけど最近見ねぇな…農薬が進化したのか?」 宿儺「……おい」 虎杖悠仁「待てって。まだ行きたいとこあんだよ」 『小岩井農場』 虎杖悠仁「いやーやっぱ馬はいいな。何度見ても記憶より顔がでかい。この農場、たまに爺ちゃんが連れてきてくれたんだよ。まぁ今思うと親代わりに親らしいことをしてくれてたんだな。ここのソフトクリームがマジで美味くてさ、俺はその日の小遣いを全部ソフトクリームにぶっこんで食い過ぎて吐いた」 宿儺「その頃から脳ミソがなかったのか」 虎杖悠仁「お、アーチェリーやろうぜ」 虎杖悠仁「うわっ、ほんと可愛げねぇよな」 宿儺「貴様より慣れているに決まっているだろう」 虎杖悠仁「そりゃそうか、リアル弓世代」 虎杖悠仁「冬になると雪まつりで雪像が並ぶんだけど、今もできてるのかな。仙台もだけど、雪降んなくなったからなぁ。雪が積もってくんねぇと冬の実感湧かねぇんだよ。朝、雪かきして悴んだ手で飲む甘いミルクティーが好きだったんだ。爺ちゃんは信じられねぇって顔で見てたけど」 虎杖悠仁「クリスマスが近くなって夜に鈴の音を聞いたことがあってさ、サンタは本当にいるんだって思ったよ。後で気づいたけど、実際は車のチェーンの音だった」 宿儺「おい、いい加減にしろ」 虎杖悠仁「…まぁいいよ。なんとなく見せたいものは見せた気がするし」 宿儺「ゴチャゴチャ気色悪い。結局貴様は何が言いたいんだ」 虎杖悠仁「おれは自分の役割を理解して全うしていくことが生きていくことなんじゃないかって最近まで思ってたんだ。それで死ねたら正しく死ねたって言えるんじゃないかって。でも今はそれは少し違う気がしてる。犬の散歩とか家族を養うとか役割なんてなんだっていいし、そんなものなくても食ってクソして寝るだけでも病気で寝たきりでも自分の人生が誰とも繋がらなくて何も残らなかったとしても、その人を形作る思い出よりも小さな記憶の欠片がどこかを漂っているだけで人の命に価値はあるんだよ」 虎杖悠仁「死に方の問題じゃなかったんだ。その価値をないように振舞う奴を俺は許せなかったんだ……宿儺、オマエのことは嫌いだよ。でも人間は道具じゃないから生まれた時に役割が決まってるわけじゃない。善い奴も悪い奴もどっちが本当の人間かなんて分からん。間違ってるのは俺かもしれない。だからせめて知ってもらおうと思ったんだ。オマエが価値を見出せないオマエ以外の人間のこと」 宿儺「……何も感じないな。小僧、貴様の言っていることは全て理解できる。その上でなんの感情も湧かない。貴様が街が寂れていく様を受容したように “まあそうだろうな” だからなんだ」 虎杖悠仁「やっぱりダメか」 宿儺「敢えていうなら貴様の腰抜け具合に唖然としている。俺に対する怒りや憎しみはその程度のものだったのか?………小僧まさか貴様、俺を憐れんでいるのか…?情けをかけようとしているのか…?」 虎杖悠仁「そうだ宿儺。俺はオマエを殺せる。伏黒を解放しろ。もう一度俺の中に戻るなら殺さないでやる」 宿儺「勘違いも甚だしいな。八つ裂きでは済まさんぞ小僧。貴様の首の前で貴様のいう価値のある人間とやらを皆殺しにしてやる」 『怒りで否む』 | |||||||||||||||
|