- リンクを取得
- ×
- メール
- 他のアプリ
KUSURIYA | |||
原作(Original Story): 日向夏×倉田三ノ路 薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜第79話ネタバレ | |||
薬屋のひとりごと 第79話 | |||
サブタイトル | 昔語り | ||
配信日 | 2024年3月19日 | ||
サンデーGX | 2024年4月号 | ||
登場人物 | 壬氏(ジンシ) 馬閃(バセン) 楼蘭(ロウラン) 神美(シェンメイ) 翠苓/子翠 先帝 女帝 子昌(シショウ) 神美の父 | ||
第79話 昔語り楼蘭「月の君いえ、便宜上、壬氏さまと呼ばせて頂きますね。ついてきて頂けますか?これは、脅しなのですけど」 楼蘭「本当に大人しくついてきてくれるのですね」 壬氏「ついてこいと言ったのはお前だろう」 楼蘭「そうでした。…でも、私からこれを奪うくらい簡単なことでは?お付きの方はここでお待ちくださいな」 馬閃「壬氏さま…!」 楼蘭「姉さま!」 壬氏「お前が天(ティエン)」 神美「楼蘭、その男は……」 楼蘭「母さま、あなたの望みを叶えるためについてきてもらいました。ずっと憎んでいたのでしょう?この姿によく似た御方を。妃である自分より幼い下女を選んだからですか?それとも、自分よりずっと美しかったからでしょうか?」 神美「楼蘭!」 壬氏「(これが翠苓…宮中の医官を誑かして利用し、死んだと見せかけて仲間に紛れて逃亡した…大胆な女だと思っていたが、目の前にいるのは、傷だらけで怯えるただの…)」 楼蘭「母さま…母さまの本懐を遂げる前に、一つ余興をいたしましょうか。国を恨んだ女と、そんな女を愛した愚かな男の物語を。三十年以上前の話、まだ先帝が治めていた時代、先帝は母親に逆らえられぬ暗愚な皇帝でした。そのため先帝の母こそが実質的な最高権力者で、陰で“女帝”とまで呼ばれていました」 壬氏「(そうだ。父はいつも女帝に怯えていた。いや、“大人の女”が恐ろしかったのだろうか)」 楼蘭「“女帝”はいつまでも女に興味を見せない先帝にしびれをきらし、後宮を拡げ美女を送り込んだ。そしてある時、北のとある一族の娘を妃として差し出すよう命令をしました。表向きは」 神美「…表向き?何を言うの楼蘭、私は妃として請われて」 楼蘭「母さまはそのつもりだったのですね。おじいさまは呪詛のように漏らしていましたよ。“娘を質に取られては何も出来ぬ”と」 神美「質…?」 楼蘭「高官の娘を妃と称して質に取るなんてよくある話でしょう?壬氏さま、後宮がこれほど大きくなった理由をご存じですか?」 壬氏「…子昌が“女帝”…太皇太后に進言したと聞く」 楼蘭「ええ、公共事業の一つとして後宮の拡大を進言したそうです。もっともそれは、おじいさまのやっていた奴隷交易に代わるものとして…ですけど」 壬氏「奴隷交易…」 楼蘭「奴隷とは儲かるものらしいですね、特に当時の若い娘が高く売られたそうで。しかし“女帝”に目を付けられ娘を質に取られ身動きが取れなくなり、売り先をなくした奴隷ばかりが手元に残った」 壬氏「…当時、奴隷制度は認められていた。宮中にも官奴婢がいたくらいだ」 楼蘭「ええ、存しております。茄(リー)国内での奴隷の扱いは花街の妓女と似たものだそうですね。己の売値に相当する働きをするか、年季が明ければ解放される。しかし他国に売られた奴隷はその限りではないでしょうね。故郷に戻れるのか…そもそも解放されることはあるのか。だからこそ、女帝は奴隷交易を禁じた。困り果てたおじいさまに、一人の男が進言しました」 子昌《残った奴隷たちの行く先として、後宮を利用してはいかがですか。若い娘たちは下女や女官に、男は去勢して宦官になり後宮の働き手として入れるのです。後宮拡大は女に興味を持たぬ主上のためになると言えば、きっと女帝も耳を貸しましょう。娘を売った家族としても他国に売られるより後宮に預けられると聞けば罪悪感も減ります。これは誰にとっても益になる話かと》 | |||
← 第78話 | 第80話 → | ||
KUSURIYA | |||
漫画・小説作品一覧 | キャラクター | 主題歌 |