- リンクを取得
- ×
- メール
- 他のアプリ
FRIEREN | |||
原作(Original Story): 山田鐘人×アベツカサ 葬送のフリーレン 第96話ネタバレ | |||
葬送のフリーレン 第96話 | |||
サブタイトル | 師弟 | ||
配信日 | 2022年7月6日 | ||
サンデー | 2022年32号 | ||
単行本 | 10巻 | ||
登場人物 | フリーレン デンケン マハト ゼーリエ ゼンゼ | ||
第96話 師弟『今は亡き妻と過ごした黄金時代の“その後” 魔族と魔法使いの師弟は、やがて袂を分かつこととなる。記憶解析中で動けないフリーレン。老魔法使いは腹を括る』 デンケン「……先に行っていろ。あの峠を越えれば帝国の勢力圏だ。マハトといえど容易に手は出せん。フリーレンを頼んだ」 「…ご武運を」 デンケン「マハト…」 マハト「デンケン様。私はこの地を去ることにしました。フリーレンは集落の住民達と一緒ですか?」 デンケン「知ってどうする?」 マハト「この地にいる私を知る者を全て殺して、どこか遠くでやり直すことにしました。計画をくるわせる追跡者は少ない方がいい。きっと次は」 デンケン「マハト。お前が黄金郷を元に戻せないということはもう知っている。それでも儂は一縷の望みにかけたかったんだ。ヴァイゼのために尽くしてくれた、親愛なる師の面影を儂は拭えずにいた。だがこの地を離れるというのであれば、もうお前を生かしておく理由は無い。人類の脅威は排除せねばならん」 マハト「…正気ですか?」 デンケン「儂がお前と戦わなかったのは、お前が怖かった訳でも、敵わないと思っていた訳でも無い。ただ、もっといい終わり方があるのではないかと思っていたんだ。そんなものなど無いと分かり切っていたはずなのに」 マハト「恐れながら、まるで勝負になるかのような言い方ですね」 デンケン「…そこまではやってみないとわからん。いつか来るであろうこの日のために儂は研鑽を積んできた。不思議なものだな。故郷まで捨てたというのに鍛錬だけは怠らなかった。死の気配を感じるのは久々だ。未熟だった頃にはわからなかった力量差がはっきりとわかる。それでもほんの一筋の勝てる未来が見えるような気がするんだ。どうやら儂は自分で思っているよりもずっと諦めが悪いらしい」 マハト「存じております。昔からそうでした」 マハト「指導試合を思い出しますね」 デンケン「儂もだ。その動きは数え切れないほど見た」 マハト「(驚いた。あの斬撃に反応できるのか。的確に俺の隙を突いて来る。以前はこんなことは無かった。技術もコントロールも格段に上がっている)」 マハト「デンケン様。どうやら私は貴方を侮っていたようです (俺は今戦いを楽しいと感じている。それだけに残念だ。このままフリーレンを帝国領内に逃がすわけにはいかない。国境を警備する魔導特務隊を相手にしながら、帝国の国防結界を解除するのは、俺とソリテールが組んだとしても流石に骨が折れる。本当に残念だ。デンケン様。もう終わりに…)」 マハト「…面白い。まさかそうくるとは…」 デンケン「呪い返しの魔法(ミステイルジーラ)」 『回想』 ゼーリエ「確かに“特権”では望んだ魔法が与えられる。しかし、呪い返しの魔法か…実戦には特化しているものの、面白味の無い魔法だ。それで、なんに使うつもりだ?まぁいい。悪い選択ではない。呪い返しの魔法は習得だけでも百年の修行を要する。通常の方法では人の身では決して手に入らない魔法だ。通常の方法ではな。魔法を譲渡する魔法(フィーアヴェリア)」 ゼーリエ「これで呪い返しの魔法を、私の百年の修行の成果をお前に譲り渡せる」 デンケン「魔法使いの人生の結晶ともいえる自らの魔法を切り崩して他者に与える。これが特権の正体か」 ゼーリエ「人の身で手に入る魔法にはどうしても限界がある」 ゼンゼ「…お言葉ですが、それを渡してしまったら、ゼーリエ様が呪いへの対抗手段を失うことに…」 ゼーリエ「お言葉だなゼンゼ。私を誰だと思っている。呪いへの対策など他にいくらでもある」 ゼーリエ「特権は絶対だ。それにまた学び直すだけだ。百年。たったそれだけの時間を掛けてな。私にとっては些細なことだ。それを読めばすぐにでも呪い返しの魔法を使えるようになる。だが使えたとしても問題が残る。呪い返しの魔法は防御魔法の全面展開に匹敵するほどの膨大な魔力を消費する。私は常時これを使うことができたが、お前はそうはいかない。いつ使われるかもわからない、呪いという不可視の魔法をピンポイントで防ぐ必要がある。どう対処するつもりだ?」 デンケン「…何も問題はない」 『現在』 デンケン「師が魔法を使う瞬間くらいわかる。たとえ魔力を感知できなかろうが、不可視の魔法だろうが、儂はお前の弟子で、どれだけお前のことを見てきたと思っている。マハト。自身の体は完全な黄金に変わろうとも、元に戻せることも知っている。続きを始めよう」 | |||
← 第95話 | 第97話 → |