葬送のフリーレン | 第98話『報い』ネタバレ | FRIEREN

FRIEREN
原作(Original Story): 山田鐘人×アベツカサ
葬送のフリーレン 漫画 第98話 扉絵 デンケン レクテューレ FRIEREN Chapter 98
葬送のフリーレン 第98話ネタバレ

葬送のフリーレン 第98話

サブタイトル報い
配信日2022年8月3日
サンデー2022年36・37合併号
単行本11巻
登場人物フリーレン
デンケン
レクテューレ
マハト
ソリテール

第98話 報い

『その声が、その眼差しが、その思い出が、デンケンを揺り動かす。美しく、そして愛おしく紡がれた夫婦の黄金時代の記憶』
レクテューレ「デンケン」
デンケン「…ああ。すまない。眠っていたようだ」
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レクテューレ「その勲章、また出世したんだ。おめでとう」
デンケン「ああ。これで恩賞が出る。俺達みたいな辺境貴族には有り余るような莫大な金が。それがあれば君も死なずに」
レクテューレ「…どうしたの?」
デンケン「…そうか、これは夢なんだな。遠い昔この勲章を受け取った日のことはよく覚えている。全てが報われた気がしたんだ。俺は翌日の早朝に馬車でヴァイゼに帰るつもりだった。だが叙勲式の晩に使者から君の訃報を受けた。レクテューレ。俺は君の死に目には会えなかったんだ。俺はこんな物のために、金のために頑張ってきたわけじゃない。…でもたとえ夢の中でも、最期に君に会えて良かった」
レクテューレ「最期?」
デンケン「俺はマハトに負けた。実力の差を見せつけられた。この半世紀、研磨を怠ったつもりはない。それでも届かなかったんだ」
レクテューレ「それがどうしたの?今までだって数え切れないほど負けてきたじゃない。それでも諦めなかった」
デンケン「あれは指導試合だ」
レクテューレ「最期まで醜く足掻くんでしょ?少なくとも私の見てきたデンケンはそうだった」
デンケン「(…そういえば、いつだったか一度だけ…)」
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『現在』
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デンケン「…フリーレン。…どれほどの年月が経った?」
フリーレン「さあ。一時間くらいじゃない?」
デンケン「俺は…」
フリーレン「俺?」
デンケン「……懐かしいな。いつからだろうな、威厳を出すために自分を儂と呼ぶようになったのは…格好ばかり付けて馬鹿みたいだ。それでこれは?」
フリーレン「防御魔法だよ。これでもう私とデンケンには万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)は通用しない」
デンケン「…驚いた。本当に万物を黄金に変える魔法の対処法を見つけてしまうとはな」
フリーレン「…でも状況はあまり良くない。偶然近くにいたデンケンを元に戻すので手一杯だった」
デンケン「なるほど。既に儂らの位置は捕捉されているのか」
フリーレン「潜伏が通用しないほどの手練れは久々だな」
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マハト「…未だに目の前の光景が信じられん。だが、フリーレン、お前が万物を黄金に変える魔法の解除に成功したというのであれば、もう生かして帰すわけにはいかない」
フリーレン「最初からそんなつもりなんてなかったでしょ」
ソリテール「初めましてフリーレン。まずは自己紹介を。私は大魔族のソリテールよ」
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フリーレン「そう。聞いていないしどうでもいい (記憶に出てきた大魔族。…強いな。マハトと同格といったところか)」
ソリテール「少しだけお話ししましょ?」
フリーレン「話すことなんて何もないよ」
ソリテール「フリーレン。それだけ寿命が延びるわよ。分が悪いことくらいはわかっているでしょ?」
フリーレン「まったく。慈悲深くて涙が出そうだ」
ソリテール「見たところもう万物を黄金に変える魔法の対処は完璧なようね。たった二か月で導き出したものとは思えない」
フリーレン「…別に解析に使ったのは二か月だけじゃない。私は600年前にマハトと戦ったときに万物を黄金に変える魔法を実際に受けている」
マハト「覚えていない」
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フリーレン「だろうね。私はお前と戦い逃げ出した有象無象の魔法使いの一人。お前が覚えているはずがない。あのときは大変だったよ。黄金になった右腕を元に戻すだけで100年も掛かった。そのときの検証結果があるから私は最初から自分の体だけは元に戻せる自信があった。時間はある程度掛かるとは思っていたけれどもね」
マハト「…だから話し合いの場で喧嘩を売ったというわけか」
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フリーレン「解除魔法の精度を上げるために、万物を黄金に変える魔法を使う瞬間を見ておきたかったから」
マハト「いかれている…全身が黄金に変えられたら元に戻れる保証などないというのに…」
フリーレン「正直賭けだったよ。でもお前はその賭けには乗らなかった。私を警戒したんだ。意外だったよ。もしもお前が万物を黄金に変える魔法に欠点が無いと考えているのなら、決してあり得ない行動だった。今考えるとゼーリエの使った呪い返しの魔法(ミステイルジーラ)のような切り札を警戒したんだろうね」
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フリーレン「でも私にとってはその情報だけで十分だった。万物を黄金に変える魔法は完全無欠ではない。魔法はイメージの世界。記憶のサンプルと合わせれば解除魔法を完成させるための理論構築は十分に可能だった。今の私はこの黄金郷さえも元に戻せる。黄金郷自体の解析もある程度必要だから、今すぐというわけにはいかないけれどもね。もう聞きたいことは聞けたでしょ。そろそろ戦いを始めよう」
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ソリテール「本気なの?万物を黄金に変える魔法の対策が出来ているとはいえ、相手は大魔族二人よ。出来るかどうかは別として、一旦撤退するのが最善手だと思うのだけれども」
フリーレン「そうしたいのは山々かな。でも黄金郷のマハトという人類の敵をここで見逃すのは余りにもリスクが高すぎる」
ソリテール「人類の敵?随分な言い方ね。彼の記憶を見たんでしょ?彼は人類との共存を心の底から望んでいる。他の魔族(わたし)とは違って」
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ソリテール「いい反応。今の避けられるんだ」
フリーレン「確かにそうだ。マハト。お前は共存を望んでいる時点で、他の魔族達(ばけもの)とは違う。その一点においては敬意を表そう。私の知る限り、人類にこれほど歩み寄った魔族はお前で二人目だ。そして、だからこそ分かり合えない。お前が共存を望めば望むほど、お前の手で多くの人が殺される」
マハト「それの何に問題がある?人類を理解できればいずれ共存の道が」
フリーレン「そう。それであと何人殺せば理解できるの?魔王はお前と同じく共存を願っていた。そして人類の勢力圏が全盛期の三分の一になるほど多くの国と民族を滅ぼした。マハト。お前の願いの行きつく先は人類の絶滅だ。そうなるまで待ってやれるほど人類はお人好しじゃない。報いを受ける時が来たんだ。黄金郷のマハト」
マハト「……“報い”か」
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《いつか必ず報いを受ける。今の私のようにな》
マハト「俺は“悪”として裁かれるのか。これほど光栄なことはない。さあフリーレン教えてくれ。あと少しで何かが掴めそうなんだ」
デンケン「…フリーレン。…頼む。その役割は儂にやらせてくれ」
フリーレン「勝てるの?」
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フリーレン「そう。それじゃあ私はソリテールを叩き潰す」
ソリテール「素敵」
『師弟対決&異端対決、開始』
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