薬屋のひとりごと | 第18巻71話『蟇盆(たいぼん)』ネタバレ | サンデーGX

KUSURIYA
原作(Original Story): 日向夏×倉田三ノ路
薬屋のひとりごと 漫画 サンデー 第71話 巻頭カラー 壬氏 華瑞月 カズイゲツ 猫猫 The Apothecary Diaries Chapter 71
薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜第71話ネタバレ

薬屋のひとりごと 第71話

薬屋のひとりごと 漫画 サンデー 第71話 巻頭カラー 猫猫 翠苓 子翠 楼蘭 子昌 シスイ The Apothecary Diaries Chapter 71
サブタイトル蟇盆 (たいぼん)
サンデーGX2023年8月号
配信日2023年7月19日
単行本18巻
登場人物猫猫(マオマオ)
壬氏(ジンシ)
高順(ガオシュン)
羅漢(ラカン)
羅半(ラハン)
楼蘭(ロウラン)
翠苓(スイレイ)
神美(シェンメイ)

第71話 蟇盆

『薬屋が後宮からいなくなった。それと同じ頃、楼蘭妃もまた、後宮から消えた。調査により楼蘭の父・子昌は北の砦を無断で改修し、謀反を企んでいる、そう結論が出された。国への謀反に対しては皇帝直轄の軍、禁軍を動かすことになる。それを率いるのは、皇帝、あるいはその代理の皇族だ。指揮は私、皇弟・華瑞月(カズイゲツ)に託された』
『猫猫&神美』
神美「子どもに頼んで逃げようとした?今度の薬師はろくでもないようね」
猫猫「(この手の婆には慣れてるけど…手加減を知らないな)」
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神美「少し反省が必要ね。薬師を水牢へ」
猫猫「(この寒さで水牢か…困った)」
翠苓「神美さま…そ…それではまた薬師がいなくなります…」
神美「…あら、翠苓…何か聞こえたようだけど気のせいかしら?」
翠苓「…あの」
神美「勝手に動いてはダメよ」
翠苓「申し訳ありません…ですが…」
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神美「いくら“高貴な血”が流れていようと、一度穢れた血が入ったらおしまいね。…もう使えないわね、これ」
猫猫「(…かばってくれたんだろうか。翠苓なりに責任を感じているのかもしれない)」
楼蘭「お母様、せっかくですのであれを使いたいです」
猫猫「(あれ?)」
神美「なあに?楼蘭……ああ、蟇盆(たいぼん)のことね」
猫猫「(蟇盆…?なんだっけ…?聞いたことある気がするけど…)」
楼蘭「ええ、最近使っていなかったでしょう」
神美「名案ね。小さいけれど一人くらいなら丁度いいものね。そうそう…試してみたら効果てきめんだったものねぇ。じゃあそれでいきましょう。連れてお行き」
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「入れ」
猫猫「(なんだ?ここは)」
「悪く思うなよ、神美さまの命令だ」
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猫猫「(思い出した。蟇盆…古代の狂王が作った処刑方法だ。穴を開け、罪人を入れる。そこには……だから翠苓は蛇を怖がったんだ)」
「…可哀そうに…気丈な翠苓さんですらあの有様だった。あの娘も…」
『壬氏&羅半』
羅半「失礼します。義父が、献策を申し出ております」
壬氏「分かった」
羅半「じきに参ります、しばしお待ちを」
壬氏「…羅半。君も気付いていたか、その…壬氏と私が同一人物であると」
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羅半「ええ。背丈、体重、胸寸、胴丈…全て同じ人間などそうそうおりません。眉間の寸法、鼻梁の高さ…どれも素晴らしい数字をしておられます。ほう…♡」
壬氏「(数字……どうも、羅の一族というのは他人には理解できない部分があるらしい。太尉羅漢殿が人を将棋の駒と見るように、羅門殿が、医術に優れながらも生活に困っているように)」
羅半「大変麗しく、女性でないのが残念です」
壬氏「(有能であることは確かだから補佐として付いてきてもらったが、それだけでなく義父の抑えとしても役に立ってもらえるからな)」
羅漢「…失礼。ようやく重い腰をあげられましたな。全く雌雄もはっきりしない方に国の雌雄が決せられますか…あと少し出立が遅ければ無理やりにでも引きずってくるところでしたぞ。長々と調査だのなんだのせずさっさと…」
羅半「まあまあまあまあ!ほら義父上、皇族に手をあげれば当人だけの罪じゃ収まりませんよ。例えば娘とか」
羅漢「はっ!」
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羅漢「では策についてお話を。この地図は古いものですが、砦に駐屯したことのある古参の武官から情報を聞き出しました。まず地形ですが、背後に山があり平野を前にしています」
羅半「あの地方には、森林資源が豊富ですね。代々子一族が守っていて手が出せなかったようですが」
羅漢「羅半の調査によると鉄の類が子昌の元に流れているとか。この辺りに温泉が湧いていて硫黄も手に入りやすい。またコウモリのような小動物が越冬のためにこもる洞窟もあるようで、堆積した排泄物からは硝石を取り出すことができます。硫黄と硝石…この二つがあれば火薬が出来ます。つまり、子昌は戦に備えて火器を用意していることでしょう」
壬氏「飛発(フェイファ)か?」
羅漢「いや、あれは命中率も低いし籠城戦には向かんでしょう。城壁の上から敵をまとめて始末できれるもの」
壬氏「…砲か」
羅漢「あるとすれば砲でしょうね。平野では兵は隠れることが出来ません。砦に籠もる側からすればよい的になります。近付くまでに相当数の被害が出るでしょう」
壬氏「それは危険だな」
羅漢「ええ。なので、砲を使わずに制圧する必要があります」
壬氏「そんなことが可能なのか」
羅漢「ええ、理論上可能です。算盤頭もこう言っております。問題は…少々突飛な策なのですがね。お聞きになりますか」
壬氏「ああ、聞こう」
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壬氏「…なるほど」
羅半「これなら大変経済的です」
壬氏「それでいこう」
高順「しかし…」
壬氏「なんだ、高順」
高順「我々は禁軍です。それが奇襲のようなことは…」
壬氏「いや、太尉の策を採ろう。できるだけ被害を抑えたい」
高順「御意」
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羅漢「…では私は準備を。半、計算の確認を怠るな」
羅半「はい」
羅漢「さっさと制圧して猫猫を助け出すのだ!待ってろ猫猫、パパが助けてやるからなーッ!」
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高順「…さま、今後、あの娘との接し方を変えねばなりませんよ」
壬氏「…分かっている (宦官でいる時間が長かったせいか、時々立場を忘れそうになる。禁軍を率いるに相応しい制圧の仕方というものがあるだろう…が、質としてとられたのか、他に理由があって連れて行かれたのか、ただ敵中に囚われているのであれば…無事に助け出したい。薬屋、お前はどこにいるんだ…?)」
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