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NIGEWAKA | |||
原作(Original Story): 松井優征(Yusei Matsui) TVアニメ『逃げ上手の若君』 第11話ネタバレ | |||
逃げ上手の若君 第11話 | |||
サブタイトル | 死にたがりと逃げ上手 | ||
放送日 | 2024年9月21日 | ||
原作 | 第26話 - 第28話 | ||
OPテーマ | プランA (歌: DISH//) | ||
EDテーマ | 鎌倉STYLE (歌: ぼっちぼろまる) | ||
キャスト | 役:声優 | ||
北条時行:結川あさき 諏訪頼重:中村悠一 雫:矢野妃菜喜 弧次郎:日野まり 亜也子:鈴代紗弓 風間玄蕃:悠木碧 吹雪:戸谷菊之介 小笠原貞宗:青山穣 市河助房:山本高広 保科弥三郎:稲田徹 四宮左衛門太郎:神尾晋一郎 清原信濃守:勝杏里 和田米丸:武田幸史 | |||
あらすじ | 朝廷より新たに任じられた信濃国司・清原信濃守。 その男は権勢を振るい、領民たちを苦しめる悪徳国司であった。 いよいよ圧政に耐えかねた諏訪神党の一人・保科弥三郎は国司を討つため兵を挙げる。 しかし諏訪は朝廷との対立を避けるため、救援を出すことができない。 頼重の頼みを受け、保科党の反乱をとめるため、北信濃・川中島へ説得に向かうこととなった時行と逃若党。 「誇りのために死ぬ」覚悟に燃える武士たちに、時行は「逃げて生きる」覚悟を示せるか――。 | ||
第11話 死にたがりと逃げ上手北条時行「みんな嬉しそうに収穫してるな」 吹雪「最近流行りの二毛作ですね」 雫「裏作の麦は年貢を取らない約束だから」 吹雪「麦…麦…」 弧次郎「重い。お前の麦への愛が重い」 北条時行「(麦刈りの4月。今、信濃中の民が笑顔だろうか)」 和田米丸「二毛作狩りじゃあ!」 「お待ちを!麦は年貢に取らないのでは」 和田米丸「黙れ!北条に尻尾振ってた犬の分際で!罪人どもにはミミズ一匹に至るまで所有権はないと思えないと思え!」 小笠原貞宗「あのぉ国司殿…表作の米のみ年貢を取るというのが一応の取り決めでございますが」 清原信濃守「それは逆賊・鎌倉幕府の取り決めであろう」 清原信濃守「麻呂は帝から直々に任命された国司ぞよ。つまりここ信濃は麻呂の掟の下!麻呂世界じゃー!」 清原信濃守「時に貞宗殿。眉は綺麗に描くようにと言っておろうに。そなたも京住まいの経験ある身。このクソ田舎に毒されて雅を忘れてはいけませぬぞえ」 清原信濃守「そうら美しゅうなった。国司のお墨付きじゃ」 清原信濃守「ほれ、かわいく笑え」 「お許しを!どうかその麦だけは!」 清原信濃守「まだ吠えている犬がおるな。見せしめに二、三人切れと伝えよ」 「はっ」 清原信濃守「北条の犬などいくら殺そうが帝はお許しじゃ。いざとなれば麻呂の一声で京から大軍を呼んでやるわ」 保科弥三郎「あの清原という悪徳国司…我慢の限界だ!」 北条時行「川中島?」 諏訪頼重「ええ。そこの住人、諏訪神党の保科弥三郎が国司の圧戦に耐えかねて兵を挙げたと報告が」 北条時行「国司の領地にも諏訪神党はいるのですか?」 諏訪頼重「はい。一族郎党を養うためにやむなく敵方に従っています。兵力差から見てこの反乱、保科には絶対に勝ち目がない」 諏訪盛高「諏訪は救援を出せません。敵地の奥まで大軍を送れば全面戦争になってしまいます」 諏訪頼重「そこで時行様と逃若党にお願いです。川中島へ行って保科と郎党を説得し戦いをやめさせ無事に逃がしてほしいのです」 弧次郎「若をずいぶん危険な任務に行かせるんすね。近所の偵察であんなに心配してたのに」 諏訪頼重「まして保科は義理難く有能な男。小さな争いで死んでほしくないのです」 諏訪頼重「それと時行様。貴方様の逃げも次の段階へ進む時です。今のままではあくまで個の逃げ。軍を率いる大将としては足りませぬ。軍を一人でも多く逃がして見せ逃げ上手の大将となりなさい」 北条時行「現地まで二日か」 風間玄蕃「女勢は来ないのかよ。色気がねーなー」 北条時行「頼重殿が見た未来だと今回あの二人は危険だそうだ」 吹雪「乱戦も予想されるし当然でしょうね」 弧次郎「(若が死なない未来。それは俺が付きっきりで守ればの話かもしれない。でもそんな事をしている間に味方の軍は殺されていく。俺次第で死者の数が決まるかもな)」 北条時行「吹雪。細かい策が必要な時は君が頼りだ」 吹雪「はい我が君」 北条時行「集団を逃がすとなれば玄蕃の力が役立つはず。彼の道具や能力を頭に入れておいてくれ」 風間玄蕃「え~教えんの?」 北条時行「弧次郎は好きなように動いてくれ。君も将として期待される身。私のお守りばかりじゃ退屈だろ」 風間玄蕃「あのな坊。その台詞は戦える奴が言うからカッコいいんだぞ」 北条時行「なっ!?人を戦えないみたいに言うな!私にだって吹雪に教わった必殺の…」 風間玄蕃「臆病剣」 北条時行「そう臆病…誰が臆病だ!」 吹雪「すでに保科は臨戦態勢ですね。川を防御に背後の領地を死守する構えか」 風間玄蕃「数は数倍。勝ち目なしだ」北条時行「よし。本陣の保科殿に話しに行こう」 「諏訪大社の御使い?」 北条時行「はい。保科殿へのお願いを伝えに参りました」 「おおご苦労様だね小さな御使い様。よし案内しよう」 風間玄蕃「坊のやつ好印象みたいだな」 吹雪「我が君は品があるから人の戦意を和らげられる。こういう交渉は適任ですね」 北条時行「あひっ、や、援軍はないけど話が…」 保科弥三郎「さあ死ぬぞ!華々しく討死じゃ!」 北条時行「これ…止めるの?」 「死ぬぞ!臓物ブチまけて笑顔で死ぬぞ!」 北条時行「顔だけだった!」 弧次郎「逃げんな若!責任持って説得して下さいよ!」 北条時行「いや無理無理無理無理!」 北条時行「あんだけ死ぬ覚悟決まってる人達に今さら逃げろとか言えないって!」 保科弥三郎「死ぬぞ!」 「おう!」 「どーやって死のうかなー」 「俺は矢を百本受け切ってから立ち往生するぜ」 「じゃあ俺は両手失ったあと敵に噛みついて死んでやる」 北条時行「ほら!もはや死が宴会芸の感覚だよ!」 吹雪「国司から受けた屈辱の仕打ちがよほど誇りを傷つけたのでしょう。ああなると誇りのために武士は喜んで死を選ぶ」 「私は首だけの状態で敵の尻から侵入し、臓を全て貪り食ってから胸から飛び出し笑顔で死にます」 北条時行「あの人は誇りというかもう只のヤバイ人だよ…」 四宮左衛門太郎「ちょっといいか。本当にお前ら諏訪大社の御使い様か?書状とか預かってるなら見せてくれ」 北条時行「貴方は?」 四宮「四宮という。保科弥三郎とは隣領でな、今回は助太刀だ」 四宮「…ふむ本物だ。やはり明神様は戦を止めるをお望みか」 北条時行「(話わかる人いたぁ!)」 四宮「南を諦め北に逃がせばウチと連携してしっかりした防衛戦が築ける。とはいえ…」
四宮「弥三郎にそう勧めても聞きやしない。むろん領地を守りたいからだが、昔からあいつは頭に血が昇ると止まらないんだ。冷静な時は仕事もできるいい奴なんだ」 四宮「なんとかして死なさないでくれないか。人手が必要なら俺が出す」 保科弥三郎「おう御使い様!ぜひ見届け明神様に伝えてくれ!保科弥三郎は諏訪神党の名に恥じぬ戦いをして立派に死んだと!」 北条時行「…みんなどうしよう」 吹雪「戦わせるしかないでしょう」 弧次郎「だろうな。多少血を流させないと」 吹雪「今日一日で全滅しかねない戦力差ですが、我々の手で日没まで持ちこたえさせる」 吹雪「我が君は戦い疲れた保科たちを一晩で説得し朝までに北へ逃がす」 風間玄蕃「逃げるが勝ち。こんな勝利条件お前以外誰も喜ばんぞ」 清原信濃守「おお犬どもが吠えておるわ」 清原信濃守「麻呂の軍配一つで賊共の死体が積み上がる。朝廷内では味わえぬ罪な娯楽じゃ」 市河助房「(チッ、公家は指揮などせずに後ろで見ていればいいものを…)」 小笠原貞宗《国司殿の護衛は非常に名誉ぞ市川殿!目が腫れて行けぬのが口惜しいわ》 市河助房「(普通に目を閉じてるだけじゃねーか!絶対面倒で逃げたわ貞宗殿)」 清原信濃守「さあ!麻呂世界を拒む逆賊を地祭りじゃ!行けい米丸!」 和田米丸「放て!」 四宮「まずは定石通り矢戦からか…こちらの戦力を削った後は大軍で突撃してくるぞ!」 保科弥三郎「上等!一人でも多く道連れにしてやるわ!」 和田米丸「反撃一つしてこのではないか。奴らは腰抜けばかりか…ん?何だ煙?」 「対岸が見えない…」 「これじゃ狙えん!」 「誰だ!風上で焚き火なんぞしてる奴は!」 風間玄蕃「いやー麦狩り直後で燃やす藁が無限にあるぜ」 市河助房「あ!あの狐!」 「敵方の妨害だ!殺して火を消せ!」 風間玄蕃「おっと、おいでなすったか」 「どこ行った!?」 「おいあそこ!」 「あんな所にも火を付けおって!」 風間玄蕃「せいぜい人と時間を費やし消してくれ」 和田米丸「オラァ突っ込め!」 保科弥三郎「者共かかれ!」 吹雪「(足止策は効果があったがそれでも敵の数が多すぎる。日暮れまで耐えられるか…?)」 弧次郎「そんな雑魚に手こずんなオッサン!敵はどんどん来てんだからよ」 保科弥三郎「おおっ!やるじゃないか御使い様の郎党の子」 北条時行「(弧次郎ありがたい。君が奮戦してくれれば保科党は我々を見直すはず。撤退の話も耳を傾けてくれるだろう)」 保科弥三郎「感動だ!なんと見上げた心意気よ!あの子も我らと共に死んでくれるのか!」 北条時行「え?」
保科弥三郎「儂等も負けてはおれんぞ!武士の散り様見せてやれ!どうだ美しかろう御使い様!喜び勇んで死を選ぶ武士の顔は!」 北条時行「弧次郎は誰のために命懸けで…」 保科弥三郎「あ?」 北条時行「戦を止めてください保科殿。私は貴方の死に様に何の興味もありません」 保科弥三郎「ああん?」 弧次郎「あーきっつー!全身斬られたわ!」 弧次郎「いや並の軍なら全滅してた。こいつら白兵戦からの粘りが半端じゃねー」 「あ、私はいいです。戦場で生肉をお腹いっぱい食べたので」 弧次郎「あいつは強えってより怖えーよ!」 「喧嘩だ!保科様が御使いの子に刀を抜いたぞ!」 保科弥三郎「儂等の死に様に興味がないとほざいたな。どういう了見だ御使い様よ。怒りのあまり今日の戦で死に損なったではないか」 北条時行「良かったじゃないですか生き残れたんだから」 保科弥三郎「死ぬべき時に死ねないのはな、生き恥というのだ」 保科弥三郎「誇り!名誉!守るべきものの為に男は死ぬべき時がある。お前のような幼子には分かるまい。最高の死に場所を選んだ武士は後世まで人々から讃えられるのだ」 保科弥三郎「だから儂はここでこうして命と引き換えに誇りを選ぶ。一族末代の名誉の為に」 『一族のほとんどが逃げることなく討死か自害し天下の舞台を自ら降りた北条氏は最も潔く死んだ一族と言ってもいい。しかし後世、北条の潔さが讃えられることは皆無に等しい。大半の人間は人が潔く死んだかどうかに興味がないのだ』 北条時行「酔いは覚めましたか」 北条時行「貴方達は美しく死ぬ自分に酔ってるだけだ」 北条時行「貴方達が生き残れば悪い国司に抵抗し続けられるのに。虐げられる領民の希望になれるのに」 北条時行「潔く死んでも何も残らない。せいぜい無力な子が残るだけだ」 北条時行「死ぬ覚悟とか美しく聞こえるけど、領民の都合を無視して私の郎党を巻き込んで」 北条時行「身勝手に死ぬ武士の顔など美しいものか!」 北条時行「ていうかぶっちゃけ全員顔がうるさい!」 「うる…さい?」 「何を言ってるんだね彼は?」 北条時行「いきなり我に返るな!」 弧次郎「エビみてーだな」 風間玄蕃「かっこ悪ぅ」 四宮「弥三郎。明神様がこの子を遣わしたのは戦を止めるためだ」
保科弥三郎「その前にこの尻を止めてくれ!」 四宮「御使い様一行の助力のおかげで今日はギリギリ持ちこたえた。だが二度目は通用しない。明日も戦えば我らは確実に全滅する。どうする?」 保科弥三郎「…分かった四宮。お前の勧め通り北へ逃げて再起を図る」 保科弥三郎「おい、その子はいくつだ」 弧次郎「九歳っす」 保科弥三郎「酒も知らん九歳の童が儂よりも修羅場を体験したような物の言い方…奇妙な子よ」 清原信濃守「きぃやあああ!なんたる様よ!あの戦力差で一日で皆殺しにできぬとは!」 清原信濃守「馬鹿か市河とやら!逃げるなら追いかけて殲滅せぬか!今逃がせば再び牙を剥くであろ?国司の領地は永遠の平和でなくてはならぬ!」 市河助房「おっお待ちを!諏訪方には密偵のような妙な稚児共がいるのです!」 市河助房「あやつらがいると大抵良くない事が起きる!無用な危険は冒すべきでは…」 清原信濃守「ならば尚更じゃ!保科も稚児共も皆殺さねば災いとなる!この戦逃がせば負けじゃ!」 北条時行「頭と尻が何故か痛い…」 弧次郎「酒を数滴浴びただけで二日酔いすか?吹雪の撤退策ちゃんと頭に入ってます?」 北条時行「策は大丈夫だが…保科殿をどうやって説得したか記憶に無い」 弧次郎「ビシッと一喝してましたよ若が。あの保科をまるで尻に敷いてるみたいに」 北条時行「死に急ぐ保科殿に苛立って自分という人間が分かった気がする。私は何が何でも死にたくない。自害する暇があったら死ぬほど生きたい」 ≫関連記事:逃げ上手の若君キャラクター一覧北条時行「それは私の一族が辿った道とは違う。武士の道ですら無いかもしれない。こんな無様な私の道でも君は一緒に行ってくれるか?」 | |||
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