薬屋のひとりごと | 第17巻69話『砦』ネタバレ | サンデーGX

KUSURIYA
原作(Original Story): 日向夏×倉田三ノ路
薬屋のひとりごと 漫画 サンデー 第69話 ネタバレ 感想 壬氏さま 月の君 The Apothecary Diaries Chapter 69
薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜第69話ネタバレ

薬屋のひとりごと 第69話

薬屋のひとりごと 漫画 サンデー 第69話 扉絵 翠苓 子翠 シスイ 楼蘭 The Apothecary Diaries Chapter 69
サブタイトル
サンデーGX2023年6月号
配信日2023年5月19日
単行本17巻
登場人物猫猫(マオマオ)
壬氏(ジンシ)
高順(ガオシュン)
馬閃(バセン)
羅漢(ラカン)
羅門(ルオメン)
羅半(ラハン)
楼蘭妃(ロウランヒ)
翠苓(スイレイ)
子昌(シショウ)
神美(シェンメイ)

第69話 砦

翠苓「食事は私が持ってくる、厠はここと続く部屋にあるから使え。楼蘭さまがああ言った以上、調薬の真似事はしておいてくれ」
猫猫「ご安心を、言われなくてもします」
翠苓「…くれぐれも神美さまのご機嫌を損ねないように」
猫猫「(くれぐれも、ねぇ…損ねたら何をされるんだか。神美…今は齢を重ねて翳り(かげり)があるが、昔はどれほど美しかっただろう)」
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猫猫「前の薬師が作ろうとしていたのは、不老の妙薬…ですか?」
翠苓「前の薬師が遺した帳面や書がある。自由に読んでいい」
猫猫「あなたの薬の知識はその薬師から学んだものですか (宮中に張り巡らされた蜘蛛の糸はこんなに長く、周到に準備されていたのか。中祀での壬氏さま暗殺未遂事件に翠苓は関わっていた。倉庫爆発の混乱に乗じて中祀に使われる物を盗み、発覚したら仮死状態になり逃げのびた。そして子昌の膝元で起きた飛発を使った襲撃事件もまた、子昌が黒幕だったのだろう。なぜそこまで壬氏さまを狙うのか。壬氏さまは後宮の在り方を変えようとした。それまで太皇太后に後宮を拡げるよう進言し、実行してきた子昌のやり方に反するように。それだけか?子翠…いや、あの楼蘭が価値があると言った簪。それをほいほい人に与えられる者。後宮の内外に影響を及ぼす者。ただの宦官…どころか、宦官ですらなかった)」
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翠苓「どうした?」
猫猫「あの、宦官を装って後宮に入った時、どうやって調べられましたか?」
翠苓「?何いきなり…触診だ、下履きの上から触られる。上は脱がなくてもいい。だから入り込めた」
猫猫「去勢していない男が入るには?」
翠苓「部署の異なる官三人に触診される。賄賂を使うのは難しいだろうな」
猫猫「(ならば、壬氏さまはどう入ったのか。後宮に出入り自由な男子は皇帝か、その縁者の者のみ。主上に近い男は皇弟のみ。記録は読んだことがある、十九歳のはずだ。壬氏さまは二十五歳。年は合わないが、時折見せる幼い感じ…あれが本来の姿だとしたら?そういえば狩りの時、何か大事な話をしようとしていた気が…あの時牛黄があったから。いや、あんな立派な牛黄があったら誰だってああなる。牛黄が悪い)」
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翠苓「何を黙っている」
猫猫「いや (よし!このことはひとまず置いとこう!今は現状を把握することの方が先だ)」
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猫猫「雪…」
翠苓「ああ、これから本格的に降り始める」
猫猫「(北、しかも高地か。砦と神美は言っていた。実際に堅牢な城壁に囲まれ、背後は崖。城というよりは砦と呼ぶに相応しい造りだ。何故神美はこんなところにいるのか。そしてあの異国の特使も……高順さまは特使が抜け出して何者かと取引していると疑っていた。例えば、西方の最新の武器。あの飛発の工房は…) あなたたちは、戦を起こす気ですか?」
翠苓「それは、私が決めることではない」
猫猫「(…さてどうするか。ここは三階。外は雪で、逃げたところで里に着く前に行き倒れそうだ。前にいた薬師もこうやって幽閉されていたのか?どうやら薬を試していて死んだようだけど…) おおおっ…!?これが、前の薬師が遺した…!宝の山…!」
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『壬氏&羅半』
壬氏「…そういうことか、羅半」
羅半「はい、あくまで数字から導き出される推測ですが」
壬氏「子昌の収める北方の砦が拡張されている」
羅半「ええ、元は放棄されていた砦のようですが。ちなみに拡張工事については届けは全くありません」
壬氏「これは…謀反だな」
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高順「たとえ子の一族が王母の時代からの臣で、子昌が太皇太后の寵臣であったとしても、許されることではありません」
壬氏「…どの程度進んでいる?」
羅漢「何をやっているのだね、羅半」
羅半「ち、義父上…」
壬氏「羅漢どの…」
羅漢「そうそう貴き方の元へ通うものではない。変な誤解が生まれるよ、羅半。ただでさえ、男とも女とも分からない方なのだから」
馬閃「なっ…!」
高順「馬閃!」
馬閃「しかし父上!」
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壬氏「軍師どのの言いたいことは分かります。私のふがいなさが問題なのでしょう」
羅漢「…その通り」
壬氏「(軍師どのの娘かわいさを思えば来るのが遅かったくらいだ。抜け穴のこと、消えた宦官・天(ティエン)のこと、子翠という存在しない下女のこと…すべて後手に回り、結果的に薬屋がさらわれた。俺の責任だ)」
羅漢「後宮の外にも内にも入れるどなたかがいたにも関わらず、吾娘がさらわれた。そしてその方はここで悠長に書類に囲まれているときてる。女一人、どうなろうと関係ないということでしょうかねぇ」
壬氏「…嫌味ならいくらでも聞きましょう。しかし敵は私ではなく子昌です」
羅漢「そこまで分かっていて何をしているのかと言っているのですよ、私は。半端な姿で半端な仕事をして、それで何事も上手くいくとでも?」
壬氏「(軍師どのは分かっている、か。不義の子かもしれない。だから、逃げた…本来の立場から。ああ、だからこの悪態も受け止めねば。逃げ続けここまで来た俺が…)」
羅漢「宦官野郎のままで何が出来るというんです!?」
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羅門「悪かったねえ。お前がそんな風に思っているとは思わなかったよ」
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羅漢「お、叔父貴!?」
羅門「私だって好きで宦官になったわけじゃないんだけどねえ」
羅漢「違う違う!叔父貴のことを言ったわけじゃ」
羅門「私は宦官だしまともに歩けないし。今だって贅沢に籠に乗せてもらってきたよ。猫猫をちゃんと見ていなかったのは私にも責任が…うう…」
羅漢「そ、そんな、叔父貴のことは責めてないよ!」
羅半「ハァ…間に合った…」
高順「呼びに行ってたのですね」
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羅門「お前は頭にくるとすぐ攻撃的になる。相手の事情も考えることも大切よ」
羅漢「分かっているよ叔父貴。さっきはあそこまで言うつもりはなかったんだ」
壬氏「(さしもの狐軍師どのも叔父の羅門どのの前では親の機嫌を取る子どもだな)」
羅門「ゲンカ腰になる前にちゃんと礼をもって伝えるべきことがあるんじゃないのかね」
羅漢「お願いに参りました。逆賊・子昌を討つべく軍を動かして頂きたい、と」
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羅半「シ、子一族は数年前より新型の飛発を生産しているようです。飛発を用いた暗殺未遂、楼蘭の逃亡の件もございます」
羅漢「謀反の証拠は出揃っております。膿は早めに出し切るべきです。ご決断を」
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壬氏「(これは、宦官・壬氏に対する礼ではない。国に対する反逆の罪で子昌を討つならば、禁軍、皇帝直轄の軍を動かすことになる。それを指揮するのは太尉・羅漢ではなく皇帝、あるいはその代理の皇族となる)」
羅漢「いつまで仮初の姿でおられるつもりですか、月の君」
壬氏「(いつか来ると思っていた。それが今来ただけに過ぎない。覚悟を決める時が来たようだ)」
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