薬屋のひとりごと | 第83話『狐につままれた』ネタバレ | サンデーGX

KUSURIYA
原作(Original Story): 日向夏×倉田三ノ路
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薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜第83話ネタバレ

薬屋のひとりごと 第83話

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サブタイトル狐につままれた
サンデーGX2024年11月号
配信日2024年10月19日
登場人物猫猫(マオマオ)
壬氏(ジンシ)
楼蘭(ロウラン)

第83話 狐につままれた

『楼蘭は死んだ。父親と共に国の転覆を企んだ悪女として。これで子一族の乱は終結を迎えるだろう。でも猫猫には…彼女から託されたものがある』
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猫猫「終わりました。ひどい顔してますよ、お休みになられてはいかがですか」
壬氏「ああ。すごい眠い」
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猫猫「(こっちにはやらなきゃいけないことがあるんだが…) 壬氏さま、ここで眠らないでください」
壬氏「なぜだ」
猫猫「なぜと言われましても…ここは忌む場所ですよ」
壬氏「それは分かる」
猫猫「だったら」
壬氏「なら、なんでお前はここにいる?」
猫猫「…私だって子どもを憐れむ気持ちくらいあります」
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壬氏「そうかなあ。俺の記憶が正しければお前、薬の師に死体に触れるなと言われていたのでは?」
猫猫「(覚えてやがったか)」
壬氏「そんなお前が長いことこんな場所にいるのはなぜだ?」
猫猫「(なんと言い訳しよう)」
壬氏「…この傷はどうした?」
猫猫「ろくでもない人がいまして」
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壬氏「襲われたのか?」
猫猫「女性です」
壬氏「傷は残らないだろうな?」
猫猫「このくらいすぐ引きます」
壬氏「傷は残すなよ」
猫猫「その言葉、そのままお返ししますよ」
壬氏「俺は男だ。問題ない」
猫猫「壬氏さまはそれを凌駕しております」
壬氏「そんなもの知るか」
猫猫「では私も知りません。傷一つで価値がなくなるならそれまでのことです」
壬氏「なあ、俺は傷一つで価値がなくなるような男か?顔だけのはりぼてか?」
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猫猫「むしろ、もう少し傷があってもいいかもしれません (壬氏さまは美しすぎる。美しすぎるがゆえに、見た目ばかりが目を引き、本質が見過ごされてしまう。その本質は見た目ほど華美ではなく素直で、それは美しさよりよほど価値のあるものだと思うのに) 前より男前になったではありませんか」
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猫猫「どうしたんです」
壬氏「いや…状況的に我慢しようと思っていたんだが…」
猫猫「?いや、我慢なさらず眠いならここを出て寝て…」
壬氏「…平常心で耐えられると思っていたんだが…思った以上にいけたようだ」
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猫猫「(…は?この状況は何か前にも…) ジ…壬氏さま、お眠りになられた方がよろしいのでは」
壬氏「まだ大丈夫だ」
猫猫「(何を言ってやがる。やつれた顔して) じゃあ痛み止めを処方します!」
壬氏「あと四半刻くらいは耐えられる」
猫猫「何か四半刻なのでしょうか (い、いかん…これは…)」
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子供「……う……」
《ねぇ猫猫、思わない?この子たちが虫なら、冬を越せたのにって…後は頼むね》
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猫猫「(子翠が語っていた鈴の音で鳴く虫は、雌が雄を食い殺し、その後、子だけを残して自分も死んでしまう)」
《冬を越せるのは、子どもだけなのだ》
猫猫「(そしてもう一つ。蘇りの薬は人を殺す毒であるという。毒を飲み一度死ぬが、その毒は時間と共に薄まっていく。無毒化された時、死んだと思われていた人間が蘇る)」
壬氏「生きているのか?」
猫猫「壬氏さま、お湯…お湯を用意してください!とにかく身体を温めるものを!服でも食べ物でもなんでも!(このためだ。このために私は連れてこられた。子どもたちが冬を越し、生き残るために)」
壬氏「一度死んだ者…」
楼蘭《願いを聞いていただけますか。一度死んだ者は見逃す。お願いいたしますね》
壬氏「…ははっ…狐につままれたようだ」
猫猫「壬氏さま早く!」
壬氏「ああ、分かった」
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壬氏「こっちだ。火を焚いてあたれるようにしてやれ」
猫猫「この子も息を吹き返してます。身体をさすってあたためて声をかけてください!」
「お、おう」
猫猫「毛布をもっと持ってきてください」
壬氏「続きはまたでいいか」
猫猫「あー、はいはい」
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『これが楼蘭の最期の願い』
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