第162話 それぞれの思い梅宮一「じゃあな。気を付けて帰れよ」 桜遥「まぁ…獅子頭漣もなんかあったら言えよ」 十亀条「ありがとう」 兎耳山丁子「大丈夫だよ。頼もしい仲間も帰ってきたし」 『屋上』 梅宮一「いやーありがとありがと。流石に病み上がりに一人で屋上の修復は厳しかったわ」 桜遥「(痛ぇ)」 梅宮一「オレ、昨日家帰って起きたらまったく起き上がれねーの。一日中寝潰しちまった。桜は大丈夫だったか?」 桜遥「まぁ…別に…(本当は動けなかった) つーかよ、ケガが酷すぎるから街の修復作業から外されたのに、なんで屋上の片付けなんか」 梅宮一「だってーなんかしてないと落ち着かねーんだもん。それにさ、改めて礼を言いたかったんだよ。助けを呼んでくれたこと、棪堂のこと、ありがとうな。このケンカは風鈴の問題で、自分たちでケツを拭くべきことだと思ってた。だから他のチームの力を借りるなんて、オレは微塵も考えなかった。外から来たお前だからやれたことだと思う。本当にありがとう。またここからの景色が見れてうれしい。すごいな、お前は…これからもよろしく頼む」 桜遥「(あいつはすごいと言ったけど、全然よくわからない。オレはオレができることを考えて行動しただけで、実際、助けてくれたのはあいつらだ)」 梅宮一《オレが勝つから》 桜遥「(スゲーのはどっだよ。オレはあんな風に言い切れなかった。オレはあんなふうになれるんだろうか)」
中村幹路「柊と十亀は一部始終みてたんだろ。教えてくれよ」 十亀条「うん。桜は本当にすごかったよ。もともとポテンシャルは特大だったけど、こんなに成長が早いとは。そしてその力は精神的なものが根源になっているんだなって思った。それだけの気持ちがあったんじゃないかな、今回の戦いは」 柊登馬「…確かにすごかった。だが同時にオレは少し危うい感じもした。改めて思ったが、良くも悪くもあいつは純粋すぎる。そのゆえの真っすぐさが少し心配になった」 『教室』 楡井秋彦「…ということがありまして、桜さんはまっすぐで優しい方ですが、自分の価値を低く見すぎている。仲間のためなら簡単に自分を差し出してしまう。一人でやろうとしてしまう。そこでみなさんに相談なのですが…」
杏西雅紀「わかってるよ。あいつが自分を差し出しちまうのは、オレたちを守らなきゃいけないと思うからだ。大切に思ってくれてるのは間違いねーけど、桜にとってオレたちが重荷になってるのも事実だ。それなら解決方法は一つしかねぇじゃん。オレたちがもっともっと強くなるんだ。あいつの成長スピードは半端ないけど、それに食らいついていくんだ」 柘浦大河「それはなかなかハードそうやが燃えるな」 桐生三輝「いっぱい汗かきそうだけど、桜ちゃんのお荷物になるのはもっと嫌だよね」 楡井秋彦「そうです。それと蘇枋さんとも話してたんですけど、伝え続けるんです。あなたといると、オレたちは楽しいんだって。あなたがオレたちにとって大切な存在なんだって」 |