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FRIEREN | |||
原作(Original Story): 山田鐘人×アベツカサ 葬送のフリーレン 第139話ネタバレ | |||
葬送のフリーレン 第139話 | |||
サブタイトル | 鍛冶屋のクライス | ||
配信日 | 2024年12月11日 | ||
サンデー | 2025年2・3合併号 | ||
次回 | 2024年12月25日(2・3合併号) | ||
登場人物 | フリーレン フェルン シュタルク ザイン ユーベル ゼンゼ ゼーリエ ―魔導特務隊― フラーゼ カノーネ ―影なる戦士― レーヴェ クライス クレマティス ヴァルロス ロレ イーリス ルティーネ | ||
第139話 鍛冶屋のクライス『大陸魔法協会の作戦会議』 ゼンゼ「なんだこれは?」 ユーベル「勝っちゃった。にゃーんって言ってみて」 フェルン「ユーベル様」 ユーベル「ん、何?」 フェルン「魔導特務隊との対戦内容の詳細を教えてくれませんか?フリーレン様から聞いてくるように頼まれました」 ユーベル「さっきメガネ君が皆の前で説明してたでしょ」 フリーレン「ユーベル様の見解が知りたいそうです。あと羽虫のような音が聞こえたんじゃないかって」 ユーベル「へぇ…あの違和感そういうことか」 ユーベル「じゃあ私の考えは間違ってなかったんだ。しかし結構長い事、魔力探知もできなかったし、目も見えないしで大変だったよ。手品のタネがわかったところで、あれの脅威は何も変わらないと思うけど。まあいいや、どこから話せばいいのかな。えっと、任務を受けるためにメガネ君の村に」 フェルン「簡潔にお願いします」 ユーベル「えー、久々なんだしお話ししましょうよー」 シュタルク「あの、本当にこの人相書きだけで、影なる戦士の連中を探すのが?帝都ってとんでもなく広いんだろ。それにもう一戦交えちまったし、舞踏会も明日なんだから、それまでは潜伏してるんじゃねぇか」 フリーレン「指示を出したゼンゼに言うべきだね。だけどやらないよりはずっとマシだ。暗殺計画自体を未然に防げるならそれに越したことはないからね。でも正直私も見つかるとは思っていないよ。決着は良くも悪くも舞踏会になる。唯一の手掛かりだったこいつ(シスターロレ)の魔力も、あれから一切探知に引っかからないしね。あのあとフェルンが追跡できていれば良かったんだけど。想定よりもずった早く邪魔が入った」 フリーレン「魔導特務隊の立ち位置は分からない。でも補足される前に逃げる判断をしたフェルンは賢明だったね。あれは正面から戦っちゃいけない類の相手だ。今フェルンが詳細な情報を聞いているから、それが終わったら私達も影なる戦士の捜索に出ようか」 シュタルク「随分長ぇな」 フリーレン「仲良しさんだね」 シュタルク「ところでザインは?」 フリーレン「もう出掛けたよ。私達よりもずっとやる気だ」 シュタルク「…そうか、そりゃそうだよな」 ザイン「…クソ、どこにいるんだよ」 『影なる戦士 ヴァルロス&クライス』 ヴァルロス「クライス、今日はもう店閉めろ」 クライス「何故そんなこと言う?俺にも生活がある。こっちは影なる戦士の任務のせいで、自分の稼ぎ全部酒代につぎ込む飲んだくれの妹を押し付けられてんだ。金が掛かるってんで誰も面倒を見やしない」 『鍛冶屋クライス』 ヴァルロス「シュリットの剣の腕は、帝国でも五指に入る」 クライス「良く分かってるじゃないか。その通りだ。だからいつまで経っても死にやしない。きっと明日の任務も生き残る。わかっただろ。さっさと帰れ。人様の仕事に口出しするな」 ヴァルロス「お前のことを嗅ぎまわってる男がいた」 クライス「そうかい、ちゃんと始末したんだろうな」 ヴァルロス「そいつは顎髭を生やした僧侶だったよ」 クライス「…始末したのか」 ヴァルロス「いいや、人目があってな。それにその男は、お前が“戦士ゴリラ”と名乗り続ける酔狂な奴だと信じて疑わなかった。あれでは見つかるものも見つかるまい」 クライス「我ながらふざけた名前だぜ。捨てておいて正解だったな」 『回想』 ヴァルロス「流石に本名がないと探すのは難しいんじゃないかか?大の男が“戦士ゴリラ”なんてふざけた名前を名乗り続けるとは思えん」 ザイン「ふざけた名前か…確かにふざけた名前だわな。忘れられない英雄を目指すなら、名前のインパクトが大事なんだとさ。それ以外の名前で呼ぶと、そいつ怒ったんだよ。忘れ去られちまうってな。ガキみたいな理由で、くだらない拘りだよ。お陰で俺はそいつの本名を忘れ去っちまった。元も子もねぇわな。だからさ、俺が探しているのは“戦士ゴリラ”なんだよ。そいつが夢を諦めて、どっかで幸せにやってるってんなら、それでもいいさ。でもまだその名前を名乗っているのなら、俺も追いかけなきやならねぇ。一緒に忘れられない英雄になるって誓ったんだ」 ヴァルロス「くだらんな」 ザイン「だろ、ちなみに俺は僧侶アゴヒゲ」 ヴァルロス「聞いとらんわ」 『現在』 ヴァルロス「その男は儂に僧侶アゴヒゲと名乗った。きっと冗談のつもりだったんだろうが、儂はその名をはっきりと覚えている」 クライス「何故それを俺に言う?」 ヴァルロス「ヴォルフの報告によると、その男はフリーレンのパーティーの僧侶だそうだ。新たにリストにも加えられた。次は仕留めねばならん」 クライス「だから何故それを俺に言う?やめてくれって言って欲しいのか?」 ヴァルロス「すまない」 『影なる戦士 イーリス&ロレ&ルティーネ』 イーリス「はい、ロレ、たんとお食べ」 イーリス「本当に布団から出て来ないんだ。面白ーい。怖いからお手々繋いであげようか?」 ルティーネ「無理もありません。ロレさんの戦闘指揮は優秀で、今まで敵の攻撃にさらさられることはありませんでしたから。私も正直信じられません」 イーリス「でも一撃で済ませてくれたんでしょ?死んでないし、ロレはまだマシなほうだよ。あたしが昔、ヘマしたときなんて、敵に両手の爪全部剥がされたんだから。仲間の位置なんて言える訳ないのにさ。そのときは戦闘指揮はクレマティスだったから、すぐに助けに来て治療してくれたけど、でもそのあとあいつなんて言ったと思う?」 クレマティス《よし、これで武器が持てる。すぐに前線に戻りたまえ》 イーリス「絶対頭おかしいよねあいつ。ゴーレム修理じゃねぇんだぞって。こっちは泣くほど痛かったのに。何?やめてよ」 イーリス「だからロレは布団から出てこなくて正解だと思う。じゃないとクレマティスに何度でも戦場に連れてかれちゃう。あいつにとって私達は任務を遂行するための駒なんだから」 クレマティス「イーリス、ロレ君の体調はどうだった?復帰できそうかね?」 イーリス「ありゃ駄目だね。使い物にならないよ」 クレマティス「そうか。まあ実戦の記録が手に入っただけで良しとしよう。作戦を組み直さないとな。ところでイーリス」 イーリス「何?」 クレマティス「…私の夕食はどうなる?」 イーリス「知るか、飢えて死ね」 レーヴェ「いいのか?戦闘指揮がお前一人になる」 クレマティス「私は勝つためならいくらでも駒を捨てるが、無駄死にを許容している訳ではない。足手まといを戦場に連れていくつもりはない。ロレは私の後継として育成してきたつもりだ。今回の負けもきっといい経験になる。賢い子なんだ。若い頃の私程ではないがね。だから今回の任務の後始末くらいはできるだろう。これで安心して、私という駒を死地に送り出せる」 レーヴェ「何人死ぬ?」 クレマティス「…不満がある、というのであれば、影なる戦士の指揮官である、貴方直々に指揮を執ったっていい。そうでしょうレーヴェ総督」 レーヴェ「指揮官か。それが名ばかりのものであることくらい知っているだろうに。所詮は人殺ししか能のない、無学な戦士よ。俺もまた駒に過ぎん」 クレマティス「ゼーリエ暗殺の理由を聞いても?」 レーヴェ「任務の遂行に理由が必要なのか?」 クレマティス「貴方の望む結末にできるかもしれない」 「…閣下」 レーヴェ「この世界から、魔法を無くす」 『フリーレン&ザイン』 フリーレン「見つからなかったか。仕方ないよ。帝都は広いからね」 ザイン「フリーレン、お前達は舞踏会に潜入するんだろう」 フリーレン「ゼーリエの護衛としてね」 ザイン「俺も連れて行ってくれ」 フリーレン「いいよ。私としても僧侶がいてくれたほうが心強い」 ザイン「力ならいくらでも貸す、だから」 フリーレン「ごめんね。約束できない。影なる戦士も、魔導特務隊も、殺さないように手加減できる相手だとは思っていない。私にとってはフェルン達の命のほうが大切だから、手加減はしないしできない。でも最善の結果になるように、出来る限りの努力はするつもりだよ」 ザイン「ありがとう。それで十分だよ。少し意外だったぜ、押しつけられた任務だって聞いてたからさ。思ったよりもやる気なんだな」 フリーレン「正直ゼーリエの暗殺計画なんでどうでもいいし、こんな危険な任務逃げ出すのが正解だと思っているよ。それでもこの国は師匠が残してくれたものなんだ。生きた証はほとんど偽物になってしまったけど、誰もが魔法を使えるこの国だけは師匠が残した本物だ。だから最善の結果を目指す。きっと戦いを追い求めているゼーリエにはそれが出来ないから」 フリーレン「…今も勝手におっ始めようとしているしね。…全く喧嘩っ早いんだから。そんなことしなくたってわかってるよ、私が未熟者だってことくらいは…」 ザイン「…フリーレン?」 フェルン「いい結果は得られませんでしたね」 フリーレン「そうだね。こっちは奇襲される隙まで作ってやってるっていうのに」 フェルン「フリーレン様、なんだかピリピリしていますね」 フリーレン「…まあ、気が立っていることは認める。本当になんで気が付かなかったんだろうね。帝都には看過できないレベルの脅威が二人存在する。この中で唯一、人相書きも無く名前もわからない影なる戦士の指揮官。そしてもう一人は、ずっと私達のことを…いや恐らくは帝都のすべての事象を監視している何者かがいる」 フェルン「そういえばフリーレン様、帝都に入ってから、ずっと見張られている感じがすると言っていましたよね」 フリーレン「ついさっきゼーリエの魔力探知が帝都の全域を覆った。それはわかる?」 フェルン「…そこまでは分かりませんが、先ほどから何か大きな力に捕捉されているような気はします。落ち着きません」 フリーレン「きっと優秀な魔法使いなら皆そう感じている。それでもゼーリエの実力を考えれば、あまりにも露骨で分かりやす過ぎる。間違いなくわざとだ。ゼーリエは私達が認識できていない何者かに喧嘩を売っている」 フェルン「…その人物が私達を監視していたと言いたいんですか?」 フリーレン「わからない。可能性は高いけど、断言はできないってところかな。それ程までに“薄い”」 フェルン「…薄い?」 フリーレン「魔力探知の相互干渉。ゼーリエが派手に仕掛けてくれたお陰で気付けた。いつ搔き消えてもおかしくないような、臆病なほど薄く精密な魔力探知。それが帝都を包み込むように張り巡らされている」 カノーネ「フラーゼ隊長。舞踏会の警備の件、滞りなく進んでおります」 フラーゼ「よろしい。魔導特務隊が自由に動けるように上と掛け合いました。安心して任務を遂行しなさい」 カノーネ「…任務とはなんでしょうか?建国祭期間中の帝都の治安維持。それが貴方から仰せつかった我々の任務です」 フラーゼ「その通り、そう命じました。でなければ私達のような血に汚れた軍人が、華やかな舞踏会の場になど立てるはずもありませんから。この任務の内容に何か問題でも?」 カノーネ「いえ」 フラーゼ「カノーネ。舞踏会は平和の象徴、影なる戦士の介入などあってはならないことです」 カノーネ「存じております」 フラーゼ「では治安維持の話をしましょう。不測の事態というものはいつだって起こり得る。そのことについても私達は対策を考えねばなりません」 カノーネ「不測の事態をご所望ですか?」 フラーゼ「貴女は私に質問があるはずです」 カノーネ「大陸魔法協会と影なる戦士が交戦を開始した場合は如何なさいますか?」 フラーゼ「私達国家権力による武力行使を除いて、この国に殺し合いを許す法はありません」 カノーネ「ではそのときは、帝都の法の下に裁きを」 フラーゼ「カノーネ、貴女が正しい選択をすることを願っています。すべては帝国の、永遠なる魔法の繁栄のために」 『三者三様の絵図と思惑が干渉する。新年第4・5合併号につづく』 | |||
第140話 次号予告帝都の水面下で進むゼーリエ暗殺計画。大陸魔法協会・影なる戦士・魔導特務隊、三者三様の思惑を抱え、始まる舞踏会。華やかに、緊迫した戦況は魔境の如く―― | |||
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