葬送のフリーレン | 第10巻90話『グリュック』ネタバレ | FRIEREN

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原作(Original Story): 山田鐘人×アベツカサ
葬送のフリーレン 漫画 90話 扉絵 グリュック FRIEREN Chapter 90
葬送のフリーレン 第90話ネタバレ

葬送のフリーレン 第90話

サブタイトルグリュック
配信日2022年4月20日
サンデー2022年21号
扉絵グリュック
単行本10巻
登場人物グリュック
マハト

第90話 グリュック

『それはほとんどただの気まぐれに過ぎなかった。俺はこの日、城塞都市ヴァイゼに向かう貴族の馬車を襲撃した』
葬送のフリーレン 漫画 90話 ネタバレ 感想 グリュック マハト FRIEREN Chapter 90
グリュック「優秀な配下達だったのだかな。まさかこんな所で魔族に襲われるとは」
マハト「お前の配下は“人殺し”の訓練を受けているな」
グリュック「悪いかね?」
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マハト「知らん。だがこういう連中は魔族との戦いには向いていない。人殺しの癖が抜けていないからな。魔族はたとえ人に似た姿をしていたとしても、身体強度も反応速度も人間とはまるで違う。人との戦いになれている連中はその誤差を認識する前にあっさり死ぬ。対人を想定した戦いでは魔族は殺せない」
グリュック「ふむ。参考にさせてもらおう。それで君はどうすれば死ぬのかね?」
マハト「自分の立場がわかっているのか?」
グリュック「君はお喋りが好きなのか?私が戦えるように見えるかね?最後の一服だ。そのくらいいいだろう」
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マハト「好きにしろ。お前変わった奴だ。血生臭い臭いはしないのに。人殺しの目をしている」
グリュック「私は悪い貴族だからね。自らの手は汚さずとも多くの政敵を葬ってきた。だが、そいつらは全員、私以上に救いようのない悪党だったよ。報いなのかもしれんな。罪悪感に苛まれない日はなかった。それも今日でようやく終わる」
マハト「…一つ質問がある」
グリュック「吸い終わるまでならな」
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グリュック「なるほど。“悪意”や“罪悪感”か。きっと魔族は“悪”という概念自体がわからないんだろうな。そのほうが幸せだ。もしかして“正義感”とかもないのか?」
グリュック「なるほど。それも幸せだな。私は城塞都市ヴァイゼの領主でね。とは言っても実権などあってないようなお飾りの領主だ。城塞都市ヴァイゼは帝都での政争に敗れた貴族が最後に行きつく場所だ。そして人の悪意に満ち腐り切っている。多くの貴族が都市の運営に係わっているが、ここでも懲りずに権力闘争を続けている。実権を握っているのは私とは別の一族で都市の運営を蔑ろにし、私利私欲に走り圧政を敷いている。毎年多くの民が飢餓で死に、汚職も蔓延し最早法も意味を成さない。私も領主としてその現状を憂いていたさ。だが人というものは不思議なものでな。実際に尻に火が付くまで動こうとしない。憂いてはいたがほとんど行動には移さなかった。だが息子は違ったようでな。正義感の強い奴だったんだ。だからヴァイゼの有力貴族達に直訴した。お飾りとはいえ領主の息子の意見だ。さぞ煩わしかっただろう」
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グリュック「息子はバルコニーから飛び降りたそうだ。年の離れた妹の誕生日プレゼントまで用意していたのに。もう7年も前の話になる。正直、何故こんな残酷なことが平然とできるのか当時の私は疑問に思ったものだ。だが実際にやってみてわかったよ。配下に一言“殺せ”と命じるだけでいい。まったく笑わせる。こんなことは馬鹿でもできる」
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マハト「お前は息子とやらの復讐をしているのか?」
グリュック「“復讐”という概念はわかるんだな。無いとは言いきれんな。だがそれ以上に私は息子の意志を果たそうとしている。法の通じない世界で獣のように殺し合って手を汚して、息子が目指した人があるべき世界を目指している。少なくとも私はそうだと思っている。そうであってほしいと願っている。吸い終わったな」
マハト「何故俺にこんな話をした」
グリュック「交渉だよ。私には利用価値がある。私程悪意に触れた男はそういない。私ならお前の知らない感情を教えられる。だがこれは命乞いではない。当然条件がある。殺したければ殺せ。報いを受ける覚悟など7年前に終わらせている」
マハト「実に面白い。条件とやらを言ってみろ」
グリュック「お前には仕事をしてもらう。実権を握っている一族を片付けるのを手伝ってほしい。丁度困っていた所なんだ。彼等は他の悪徳貴族とは違い慎重で狡猾で、多くの護衛に守られている。“人殺し”の訓練を受けた優秀な護衛にな」
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『半年後』
「どういうつもりだグリュック?この半年で私の身内が5人も死んでいる」
グリュック「賊に襲われたそうじゃないか。何故か昔から、城塞都市ヴァイゼではこういったことが珍しくない。きっと誰かの恨みでも買ったのだろう。調べさせよう」
「とぼけるつもりか?」
グリュック「私の息子が死んだとき、卿はなんと言ったか覚えているかね?“ただの被害妄想では?” 今の卿が正にそれだ。家に帰ってゆっくり休むといい。戸締りにだけは気を付けてな」
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グリュック「これでヴァイゼはより良くなっていく。マハト。そろそろ表舞台での仕事もしてもらう」
マハト「そうか」
グリュック「マハト。私はここの領主だ」
マハト「仰せのままに」
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