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FRIEREN | |||
原作(Original Story): 山田鐘人×アベツカサ 葬送のフリーレン 第92話ネタバレ | |||
葬送のフリーレン 第92話 | |||
サブタイトル | ヴァイゼの終焉 | ||
配信日 | 2022年5月11日 | ||
サンデー | 2022年24号 | ||
扉絵 | フリーレン、マハト | ||
単行本 | 10巻 | ||
登場人物 | デンケン レクテューレ グリュック マハト | ||
第92話 ヴァイゼの終焉マハト「休憩にしましょう。集中力が乱れています。焦らずとも、あの距離の岩を撃ち抜くのは魔族でも難しい。…ほう」 デンケン「…ああ。休憩にしようか」 グリュック「熱心だな。実にいいことだ」 マハト「デンケン様は私のことを信用していないそうです」 グリュック「そうでなければ親戚の子供を君に紹介したりはしない。君は人を欺くのが上手いからな。人には生きる目標がいる。それがたとえ復讐心であったとしてもな。悲しい顔をして祈り続けているよりはずっと健全だ。まさかあの子の笑顔をまた見られる日が来るとはな。君はあの子の師であり、打ち倒すべき敵だ。そうあり続けてくれ」 マハト「御意のままに。…ところであ嬢様はデンケン様を好いておられるのですか?」 グリュック「レクテューレが?そんな訳ないだろう。やはり君は人の考えがわかっていないな」 『数年後』 グリュック「娘のレクテューレとデンケンの結婚が決まった。これでデンケンは正式にグリュック家の婿養子になる。…なんだその顔は?」 マハト「普段通りの笑顔ですが。あのとき私が言ったことは間違っていませんでしたね」 グリュック「覚えていないな。デンケンの軍属の魔法使いとしての功績がなければこうはならなかっただろう。それに関しては君のお陰だな」 マハト「デンケン様の実力あってのことです」 グリュック「そんな君に悪い知らせだ。もう耳に入っていると思うが、北部高原の最北端で魔王軍の残党による襲撃があった。たった一人の魔族に堅牢な城塞都市が落とされた。住民は皆殺しだそうだ。そしてその魔族の足取りは摑めていない。心当たりはあるかね?」 マハト「あるとお思いですか?」 グリュック「ないだろうな。だが民衆はそうは思わん」 マハト「でしょうね。そんな芸当が出来るのは大魔族だけです。この七崩賢黄金郷のマハトのような」 グリュック「世論は貴族連中の味方だ。私は彼等の要求を吞まざるをえなかった」 マハト「私の処刑でも決まりましたか?」 グリュック「そんなことが出来ると思うかね。連中はこんな物を用意してきた」 マハト「支配の石環。賢者エーヴィヒが作り上げた魔導具ですか。まさか実在したとは」 グリュック「さらに市井ではマハトの力を利用すれば巨万の富が得られるという噂まで流れている。まったく政以外での貴族連中の手腕と根回しは見事なものだ。彼等は大衆まで味方につけた。そしてこれがその狡猾な連中が君に要求した命令の内容だ。ヴァイゼの民に“仕える”ことによってマハトを制御に置き、“悪意”を抱いてはならないという安全装置で管理する。どう思うマハト?最高に笑えるだろう?奴等は魔族のことを微塵もわかっていない。さあ、マハト。どうする?これを着ければヴァイゼの民に“悪意”を抱いた瞬間に君は死ぬことになる」 マハト「グリュック様。地獄の底まで付き合ってくれるのですよね」 グリュック「ああ」 マハト「これもまた、一興」 『レクテューレの死』 グリュック「昔から体の弱い子だった。覚悟はしていたつもりだったのだがな。デンケン。君は本当によく頑張ってくれた。娘も幸せだっただろう」 『数年後 レクテューレの墓』 グリュック「もう何年もデンケンは帰ってきていない。無理もないか…彼はそれほどまでに娘のために尽くしてくれていた」 マハト「グリュック様。こうも毎日のように墓前に通われてはお体に触ります。悲しい顔をして祈り続けているのはとても健全だとは思えません。以前グリュック様が仰ったことです」 グリュック「まさか君にそんなことを言われる日が来るとはな。帰ろうか」 マハト「御手を」 グリュック「いつの間にかこれが当たり前になってしまったな。私はそれほどまでに老いたのか」 マハト「恐れながら」 マハト「馬車をお呼びします」 グリュック「いや、いい。歩きたい気分だ。君は何も変わっていないな。昔から何も変わっていない。人と魔族の時間はこれぼどまでに違うのか。きっと私と共に過ごした時間も君にとっては一瞬の出来事に過ぎなかったのだろうな」 マハト「グリュック様。たとえ一瞬であったとしても貴方と出会い過ごした時間は、私にとって掛けがえのないものだと考えております」 グリュック「気持ちが悪いな。だが私もだよ。君はとてもいい悪友だった」 マハト「だから、その全てをぶち壊そうと考えました。それで何かが、“悪意”という概念が、“罪悪感”が、わかるような気がするのです」 グリュック「そうか。マハト。火を。これが本当の最後の一服だ。いつかこんなときがくると思っていた。何を意外そうな顔している?わかるさ。もう30年も君を見てきたんだ。マハト。君は私の大切な悪友で、救いようのない悪党だ。いつか必ず報いを受ける。今の私のようにな。楽しかったよ。マハト」 マハト「ええ。私もです。グリュック様」 | |||
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