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KUSURIYA | |||
原作(Original Story): 日向夏×倉田三ノ路 薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜第85話ネタバレ | |||
薬屋のひとりごと 第85話 | |||
サブタイトル | 趙迂(チョウウ) | ||
サンデーGX | 2025年2月号 | ||
配信日 | 2025年1月18日 | ||
次号 | 2025年2月19日 | ||
登場人物 | 猫猫(マオマオ) 梅梅(メイメイ) やり手婆 趙迂/響迂(キョウウ/チョウウ) | ||
第85話 趙迂(チョウウ)『ひと月が経ち、新年の浮かれようも落ち着いてきた』 猫猫「(婆に呼ばれてたな。ついでに緑青館で湯浴みさせてもらうか)」 『緑青館』 猫猫「梅梅ねえちゃん」 梅梅「あら。猫猫、今日は早いね」 猫猫「もらい湯頂こうと思って」 梅梅「あの子は?」 猫猫「趙迂?まだ寝てるよ (育ちのいい坊ちゃんの割りにボロ家で寝るのに頓着ないんだよな) あーねえちゃん、婆知らない?呼ばれてたんだよ」 梅梅「婆ならあっちで楼主と話してるよ」 猫猫「また変な話持ち込まれてるんじゃないよね?」 梅梅「さあ」 やり手婆「こん莫迦が!何やってんだい!」 梅梅「…その通りみたいだね」 やり手婆「おや猫猫、来てたのかい」 猫猫「(緑青館を仕切っているのは婆だが、実際、経営しているのはこの楼主で、他にも商売を抱えている。やり手婆がいなければ緑青館の経営も心配になるようなお人よしだ。なんかやぶ医者っぽいんだよな)」 猫猫「来てたのかって、婆が呼んだんだろ」 やり手婆「あーそうだったかね。その様子だと湯浴みでもしたいんだろ。ついでに朝餉でも食べていくかい。坊主も連れてきな」 猫猫「いいの?」 やり手婆「あたしだってたまにはそういう時もある」 楼主「じゃ、これで…」 猫猫「(いつも来るときは朝餉を食べていくのに)」 やり手婆「さっ、どんどんお食べ」 「最悪~~~蝗じゃないこれ」 やり手婆「さっさとお食べ。お前らが欲しがってた菜だよ。一人五匹は食べな」 猫猫「婆、これ…」 やり手婆「お館さんからのお土産だよ。今年は穀物が不作で泣きつかれたらしい」 『楼主は表向きの商売で穀物を扱っている。この国では農民から税として作物を徴収し、さらに一定量は国が買い占めている。その余りを流通させてるのが楼主の商売だ』 やり手婆「言い値で買って、売れないから長く保存するために高い砂糖を使って煮詰めて…」 猫猫「(自家消費できなくなったもんを寄こしてきたわけね)」 趙迂「あんま美味しくない。すかすかしてるよ、これ」 梅梅「よく食べられるわね、あんた」 趙迂「すかすかしてるけど食えないことはないよ。ねえねえ、代わりに食ってやろうか。月餅一つで手を打つよ」 『蝗は調理する際に腸を抜く。すかすかしてるのは当然なんだが、前に食べたものよりさらに中身がないような』 やり手婆「猫猫。思い出した、市に行って香を買ってきておくれ。男衆は気が利かないからねぇ」 猫猫「あいよ。駄賃は…」 やり手婆「朝の湯浴み代と朝餉二人分、十分だろ?」 猫猫「(…ケチ)」 趙迂「なーそばかす、あれ買って!」 猫猫「おとなしくついてこいって!(一人ならさっさと済む用事なのに…)」 猫猫「(こうして見てると、あそこで働いてたのが夢か何かみたいだ。あそこにいて、事件に巻き見込まれて…)」 趙迂「あーあそこにも蝗売ってる。あれもぜってー不味いよ」 猫猫「黙ってろ」 趙迂「なんでだよー。本当のことだろ。今年は作物もうダメだなー」 猫猫「…今、なんて?」 趙迂「作物はもうダメだってやつ?」 猫猫「それ、なんで分かる?」 趙迂「えっ。えーと、なんでだっけなー。よく覚えてないよ。ただ蝗がすかすかだと不作になるって聞いたような」 『趙迂は蘇りの薬の影響で半身に麻痺が残り、記憶の多くを失った。その記憶の中に何かあるとしたら…』 趙迂「思い出せるかも…!何か買ってくれたら」 『緑青館』 猫猫「(なーにが思い出せるかもだ。紙と筆を欲しがったのは意外だったけど。しかも一等高い紙ばかり欲しがって。坊ちゃん育ちは伊達じゃないか) 趙迂。薬を届けに行ってくる。留守番しててな。悪さをするんじゃないぞ」 趙迂「あいよっ」 猫猫「(って言ったのに。なにやってんだ趙迂は!?)」 趙迂「待って待って。順番だよ。はい出来上がり」 「あらーっ、本当に上手いだねえ坊や」 猫猫「何やってる」 趙迂「何って、絵描いてるんだよ。見て分からねぇの?」 猫猫「しっかり金までとって…」 やり手婆「こらっ!店の前で何やってんだい!商売の邪魔だよ!待ちな猫猫。場所代は一割で勘弁してやるって言っときな」 猫猫「(強欲婆)」 猫猫「趙迂。あそこで続けるなら婆が場所代とるとさ」 趙迂「えーケチー。いいよ、別んとこでやるからさ」 猫猫「場所代払っても緑青館の前だけにとしきな。男衆の目の届かないところにいくのも、紙を買いに行くのも一人ではだめだ」 趙迂「んなもん俺の勝手だろ」 猫猫「肉塊になりたければ好きにしていいけどな」 趙迂「なんだよそばかす…意味わかんね…」 趙迂「ひ」 猫猫「あれは梅毒にかかった妓女だ。まともな宿を持たず道端で客を取るしかない。もう長くもたないだろうけど、それでも客をとらなきゃ生きていけない。そしてそういう女でもいいとろくに金も持たない男もうろついてる。花街は綺麗で華やかなだけじゃない。その分、影も濃い街なんだ。緑青館の中にいると見えないだろうが、金を持ったガキがいたら殺して奪おうとするやつなんてごろごろいる。死にたくはないだろ?」 趙迂「分かったよ」 猫猫「でも意外だ。こんな特技があるなんて。いや、確かに前も…面に柄を描くのが上手かった」 趙迂「なに?」 猫猫「ん、いや、なんでもない」 趙迂「言っただろ。思い出すことがあるかもって」 猫猫「これは…蝗?」 趙迂「うん、よく思い出せないけどこれだった気がする。こっちは普通の蝗でさ、不作の年は下の蝗を見るようになるんだ」 猫猫「本当か」 趙迂「んーたぶんそうだったと思うんだよな」 『蝗害。それは国を滅ぼす天災の一つで、蝗の大群に作物を食い尽くされるという。蝗はあらゆるものを食らいつくす。作物はもちろん、荒縄や草履にいたるまで。幸いにして主上の統治になってからは起きていない。天災が起きないのは主上の統治が素晴らしいから…そう信じる者もいるが、たまたまだろう。もし今……子一族の乱によって多くの者が処刑された今、そんなことが起こったら……私にはもう関係のないことだ。関係ないけど、一応行ってみるか。あるとも思わないけど…趙迂の絵を見て思い出した。前にもああいう絵を見たことがある』 猫猫「(この本屋、閑古鳥に見えて前よりは懐が潤っているんだろうな。後宮に本を卸しているんだから。店にあるのは貸本か古本がほとんど。しかも大体、大衆小説や春画といった低俗なものばかりで、まさか、あの本があるわけない) おじさん、これ、この本どうしたの?」 店主「ああ…昨日売りに来た」 猫猫「他には?」 店主「その一冊だけだ。またくるって言ってたけど」 猫猫「(この本、間違いない。子翠たちにつれられて砦で監禁されていた時、不老不死の薬を作るための資料として残されていた書物。あの中にあった一冊だ)」 『あるはずのない本が…一体何故!?』 ≫関連記事:薬屋のひとりごと ビッグガンガン版 最新話 | |||
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