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KUSURIYA | |||
原作(Original Story): 日向夏×ねこクラゲ![]() 薬屋のひとりごと 第79話ネタバレ | |||
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薬屋のひとりごと 第79話 | |||
サブタイトル | 蟇盆(前編) | ||
ビッグガンガン | 2025年 Vol.3 | ||
配信日 | 2025年2月25日 | ||
登場人物 | 猫猫(マオマオ) 楼蘭(ロウラン) 翠苓(スイレイ) 神美(シェンメイ) 響迂(キョウウ) | ||
第79話 蟇盆(前編)『異国の調度、毛足の長い毛氈(もうせん)、花と密の香りがする茶。砦にこんな贅を尽くした部屋があるとは』 神美「薬はまだなのかしら?」 猫猫「まだ少し時間がかかりそうです」 神美「ああそう」 『こうして日に一度、見張りをつけられた上でこの部屋に連れてこられる。それにしても、背後の隠微なあれは酒のせいか、麝香(じゃこう)を元に混ぜものをした香のせいだろうか。同じ空間に翠苓と楼蘭がいるのも異質だ。ああしていると主従にしか見えないな』 響迂「おい薬屋。神美さまの部屋に行ってたんだろ」 猫猫「そうですが、なんでしょうか?」 響迂「うわ、なんだよ、気持ち悪っ!」 猫猫「(この餓鬼、下手に出れば…見張りとお目付け役がいなけりゃ殴ってたぞ) 御用がないのなら部屋に戻ります」 響迂「なあ、中にほかに女の人いなかったか?」 猫猫「…いましたね」 響迂「その中に俺の母さまがいるんだけど、元気にしてた?」 猫猫「(あのただれた光景は積極的に子どもに説明するものではない) どなたかわからないのでなんとも」 響迂「そっか。仕方ないよな。母さまは仕事が忙しいから。やっぱ村で待っときゃよかった」 猫猫「(そういうことか。あの中に母親がいるなら温泉郷で待つほうが賢明だっただろう。もしくは、母親自身、ああなるとわかっていて温泉郷に預けたのかもしれないが) では私はこれで」 響迂「あっ、おい……」 『それから数日。置かれた立場は不愉快だが、やること自体は嫌いじゃない。残された大量の資料から前の薬師がここで不老と蘇りの薬の実験をしていたことがわかった。結果として翠苓が蘇ったのだから薬師の腕は良かったのだろう。しかし不老については美容液や体内の浄化など、基本的なことしか載っていない。当然だが、規則正しい生活と栄養のある食事、適度な運動で老化を遅らせることができても、衰えを完全に止める術はない。だが神美が求めるのは一杯飲み干せば十歳若返るような即効性のある薬だろう。そんな万能の薬あるわけないが、ここにいる手前、なにもしないわけにはいかない』 侍女「坊ちゃんいけません!」 響迂「えー」 『また響迂たちがここ何日かよく遊びにきているな。そして侍女たちに連れ戻されると。この辺りは臭気があるから近づけたくないんだろう。実験に使う小動物が運び込まれるから掃除をしても衛生面が良いとは言えない。それとは別に下に続く階段付近から家畜の糞や卵の腐敗臭がすることもある。飛発(フェイファ)が放たれた時にも同じような匂いがしたし、飛発の研究でもしているのだろうか。爆発とか起きなはゃいいけど』 猫猫「(あれは紙切れ?“逃げろ。見張りはおびき寄せる” ん?丸めた針金…響迂か。私が人質になっているとわかっていたのか、あいつ。こんな細い針金では扉を開けられないだろう)」 見張り「おいお前、そこで何してる」 響迂「はなせ!はなせよ!」 猫猫「(早速失敗したな)」 翠苓「どういうつもりだろうか」 翠苓「こいつを逃がそうとしたのか?」 響迂「なんのことかな?」 翠苓「お前が仕向けたことか?」 猫猫「なんのことでしょう」 響迂「俺はいつも通り遊んでただけだよ。ちょっと見張りたちがさぼってないか見ていただけ」 見張り「俺の勘違いだってのかよ」 響迂「そうだよ」 翠苓「…今後、そんな真似はするなよ」 響迂「わかった」 猫猫「(なんとなくだが翠苓は全てわかっているような気がする。このまましらを切り通して丸くおさまればいいが…)」 神美「あら、なにかしら?」 猫猫「(あれが母親なのか)」 翠苓「大したことではありません。響迂が部屋の前で遊んで、見張りの邪魔をしたらしく、念のため中の薬師にも事情を聴いていただけです」 神美「あら?悪いことをしたの?駄目よぉ。悪いことをしちゃ。躾をしないといけなくなるもの。お尻をすこうしぶったほうがいいかしらねぇ」 翠苓「神美さま。響迂はまだ幼い子どもです。それに大したことはしておりません」 神美「…そう。ということは些細なことで大騒ぎした者がいるというのね」 見張り「そんなわけありません」 神美「そうなの?でもあなたが悪いみたいだし、とりあえず水牢の中で反省してもらおうかしら」 見張り「そんな!」 猫猫「(水牢?この寒さの中、水のはった場所に放置する気か。理不尽な…いやこの女には理由なんてないんだ。ただ相手を苦しめるのがたまらないだけ。自分の快感のために他人を痛めつけて楽しんでいる。本当に反吐がでる) くそばばあ」 猫猫「(うん莫迦だな。わかってる。わかっているが)」 『猫猫の言葉を受けた…。次号、2025年Vol.04(3月25日発売)へつづく』 ≫関連記事:最新15巻 情報まとめ | |||
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