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原作(Original Story): 日向夏×倉田三ノ路![]() 薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜第86話ネタバレ | |||
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薬屋のひとりごと 第86話 | |||
サブタイトル | 本の行方 | ||
サンデーGX | 2025年3月号 | ||
配信日 | 2025年2月19日 | ||
登場人物 | 猫猫(マオマオ) 壬氏(ジンシ) 高順(ガオシュン) 李白(リハク) やり手婆 右叫(ウキョウ) 趙迂(チョウウ) 見張りの兵士 | ||
第86話 本の行方『子の砦は、禁軍により封鎖されたはず。なのに砦の中にあった本がなぜ市中に出回っているのか。押収された荷を横流しした者がいるのかもしれない。だとしたら…ひとつ、あの人に頼んでみるか』 李白「全く、俺も暇じゃないんだぞ嬢ちゃん。便りが来たと思ったらコソ泥探しなんてよう」 猫猫「ありがとうございます李白さま」 李白「朝から見張ってたんだ、感謝しろよ」 猫猫「部下に頼まなかったんですね」 李白「だからさ、ひとつ白鈴…」 猫猫「あー。それで下手人は」 李白「表で緑青館の男衆に見張ってもらってる」 猫猫「あれ?あの男…」 「あ…あーっ!お前…蛇娘!」 猫猫「(なるほど、あの時の見張りか。確か砦から逃げるつもりで火事場泥棒をやってた。本もその時の戦利品か)」 李白「どうした嬢ちゃん」 猫猫「李白さま、申し訳ありません。こいつ、知り合いです」 李白「知り合いってどういうことなんだ?」 猫猫「あ、李白さま。この後、白鈴小姐空いてるみたいですよ」 李白「わん♡」 猫猫「さて…おっちゃんも別に見てなくていいよ」 右叫「そういうわけにもいかんさ。変な虫がついたら狐殿と覆面にも怒られる。なに、俺はここにいるだけで何も聞いてない」 『右叫(ウキョウ)は私が生まれる前から緑青館にいる。何事もそつなくこなして、婆の信頼も厚い。何かあればすぐ婆にはちくるだろうけど。まあ、ばれて困ることはない』 猫猫「これ、見覚えあるだろ。これ以外の本はどうした?…さっきの武官な、砦制圧に関わってた男だよ。あんたがあの場にいたこと話してもいいのか?」 「……は~分かったよ。まだ三冊残ってる。二冊は別の街で売って、残りは置いてきた」 『砦の中に残された書物…爆発で燃やされていなければ、もしかしたら手に入るかもしれない。そうすると売った二冊が問題だ。今、手元にあるのは鳥と魚の図録』 猫猫「虫の図録は?」 「一冊は手元にある」 猫猫「一冊は?(この鳥の図録…壱…ということは“弐”があるのか) その図録、すぐ持って来れるか?」 「俺を突き出さないって約束できるのかよ」 猫猫「お前の態度次第だ」 右叫「おい猫猫。それじゃ脅しだ。なあ、お前さん。腹減ってないか。なんぞ訳アリのようだし、ろくに食ってなさそうだ。ちょっと待ってな」 右叫「ほれ、残りもんだがもらって来たぞ。まだまだだな。あの様子だと都に来るまでいろいろあったんだろう。本自体は丁寧に扱ってるようだし、売ったのも仕方なくなんじゃないか。悪い人間じゃないと思うがね。猫猫、飴と鞭は使いようだ」 猫猫「わーったよ」 「ん」 右叫「どうした」 「まずい」 右叫「蝗は嫌いか?」 「これは蝗じゃねぇよ。飛蝗だ」 「こっちの多い方が飛蝗、少ない方が蝗だ。同じように見えるが農民は分けてよぶ。蝗は煮つけにして食える。でも飛蝗はまずい」 猫猫「そんなに味が違うのか?」 「食えばわかる。足をちぎって煮つければバレにくいから、無知な商人がだまされて売りつけられることもある」 猫猫「(なるほど。お館さんはいいカモにされたわけだ)」 「しかしこれは…」 猫猫「何だ?」 「今年は飢饉になるかもしれない」 猫猫「!そうなのか」 「か、確証はねぇよ。ただ蝗より飛蝗が多い年の翌年は、虫の害がひでぇんだ」 猫猫「(趙迂が言ってたのと同じだ)」 趙迂《不作の年は下の蝗をよく見るようになるんだ》 猫猫「お前、ただの見張りだった割に虫に詳しいな。大体、砦からなんで本を持ち出した?金目のものなら他にもあっただろ」 「本当は図録は売りたくなかったんだよ」 猫猫「また売りに来るって本屋の店主には言ってたじゃないか」 「あれは…ああでも言わねぇと高く買ってもらえねぇと思ってさ。余裕が出来たら買い戻すつもりだった。図録なんて好んで買うやついないだろ。…俺は、あの砦の監禁部屋に、あんたの前に住んでたじいさんに飯を運んでたんだ」 猫猫「そのじいさんって、神美のために不老不死の研究をしていた薬師か?」 「ああ。でも、他にもいろいろやってた。その一つがこれの研究だ。どうやったら蝗害を起こさず済むか」 猫猫「それって…」 趙迂「そばかす!おまえの団子食べていいかーっ?」 「あれ?坊ちゃ…」 猫猫「(しまった。こいつ、そういえば趙迂のことを知ってたんだった) 団子はやるからあっち行きな」 趙迂「なんだよー犬猫扱いすんなよ」 右叫「趙迂、おいちゃんが肩車してやるよ」 趙迂「えっいいの?やったー!」 猫猫「(証拠はないけど、一応言っておいた方がいいか。次にやつが来るのはいつになるか)」 『三日後』 猫猫「(まだ来ないか。一応、文は送ったけど…いや、一庶民が文を送ったところでそうそう来られるお方じゃないしな。そもそも文を読んでくれなくても文句は言えない)」 「猫猫!お客様だよ!」 猫猫「いらっしゃいませ!」 壬氏「ど…どうした、そんな歓迎してくれるなんて」 高順「小猫、こちらにいらっしゃるのは壬氏さまですよ。なにか人違いをしたので」 猫猫「どうぞ中へ」 猫猫「(だいぶ薄くなったけど、痕は残ったな。市井では子一族の乱が面白おかしく語られている。その中心は美貌の皇弟と、その顔に傷をつけた楼蘭だ。陽気に笑う虫好きの素顔なんて誰も…)」 壬氏「何か用があって文を寄こしたんだろう?」 猫猫「はい。これから起こるかもしれない災害について」 『皇弟としての壬氏に伝えたいこと。次号!』 ≫関連記事:薬屋のひとりごと ビッグガンガン版 最新話 | |||
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