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Kagurabachi | |||
原作(Original Story): 外薗健(Hokazono Takeru)![]() カグラバチ 第72話ネタバレ | |||
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カグラバチ 第72話 | |||
サブタイトル | 未来 | ||
配信日 | 2025年3月17日 | ||
ジャンプ | 2025年16号 | ||
登場人物 | 座村清市 座村イヲリ 幽 剣聖 | ||
第72話 未来『イヲリ幼き日、現れてのは毘灼頭領・幽』 座村清市「元嫁の通夜が終わったところなんだ。そっとしといてくれねぇか」 幽「そりゃすまない。だがどうしても英雄にお礼を言いたくてな。斉廷戦争は奴らによる侵攻から始まった。その小国の民は生まれ持つ残虐性と雫天石に適応する強靭な肉体を以て順々と侵略の歩みを進めた。だが人々が知るようにその歩みは英雄たちと妖刀の登場によって真逆の展開を迎える。英雄達の成果は悪辣な小国の民の掃討。一人残らず討伐した。あんたらのおかげでこの国は守られた」 座村清市「そんなことを言いにきたわけじゃなさそうだがな」 幽「ああ…俺は知っている。掃討の経緯…民衆には語られていない過程があることを。妖刀・真打の登場により戦況は逆転。そこからは快進撃。敵をぐんぐんと押し返し、英雄達が敵の国土に足を踏み入れ、終戦も目前といった頃、敵は白旗をあげた。先ほど語った敵国の国民性は教室で語られる内容だ」 幽「だが実際は人の性が一様であるはずがなく、彼らは雫天石に適応する特異体質を有するだけの人間であった。侵略を率いた小国の王家は失脚し、彼らは降伏を選んだのだ。それ以上の犠牲を払わないために。条件が締結され、一度和平は成立した」 《いや…殲滅だ》 幽「戦を経て無数の屍を踏んだある英雄は乱心。そして最強の妖刀は応えてしまう。使い手により変貌する妖刀の本領」 「蠱(こどく)」 幽「剣聖が呼び起こした本領はただひたすらに生命を奪うためだけの力。その力の膨大さ故、真打と剣聖は呑み合い、正気は消え、善意も悪意も内包しない厄災と成った。厄災はたちまち小国の約二十万の生命を平らげた。5人の妖刀契約者が彼を食い止めることができたのはその後…そして剣聖は今もなおどこかに幽閉されている。これが討伐の真実。剣聖の実情は歴史上最大の罪人だ。だが小国による侵略の影響が残り、不安定だったこの国に混乱をもたらすのを避け、建て直すべく真実を隠し、剣聖を“敵国を討ち滅ぼした英雄”に仕立て上げた。責める気はない。未来のためだもんな。そう、未来のため。ここからが本題だ。予言を授かったんだ」 座村清市「予言だと?」 幽「剣聖が生きている限り、あの厄災は“蠱”は近い将来もう一度起こる。今度はこの国に。座村清市、お前はやるべきことがある。未来のためにな」 座村清市「起きちゃったか」 イヲリ「だれ…」 イヲリ「厄災?やるべきことって…お父さんもどこか行っちゃうの?」 座村清市「どこにもいかないよ」 『神奈備本部』 「久しぶりだな座村。お前が“話がある”なんて珍しいじゃないか」 座村清市「よぉ老けたな」 「生意気な口を利くじゃないか。老体にしては動ける方だぞ。手合わせするか?」 座村清市「いや、やめとくよ」 『かつて彼は柴と薊に体術を叩き込んだ』 座村清市「その男は剣聖に関する真実を知っていた」 「それほど詳しく知るのは神奈備の中枢の人間と国の官僚くらいなもんだ」 座村清市「当時の関係者か?知らねぇ匂いと声だったが…」 「で…その真実を知る者が蠱が再び…いずれこの国に起こると、そう言ったのか。予言か…まあ天落院の僧侶の夢と同じだな。占いみたいなもので明確な根拠はない。“起こりうる最悪”ということだ。その心配がないように剣聖を地下深くへ幽閉し、互いに干渉できないように真打を封印・隔離しているわけだが…剣聖と真打がこの世に在る限り、“起こらない”と言い切ることはできないな。その可能性を完全に消すには剣聖を処刑するしかない。が、それは無理なのはわかっているだろう。命滅契約。それは生死に結び付き、機能する高度な妖術だ。短期間でいくつも生み出すことは困難だった。そこで六平は当時、最も信頼していた剣聖に渡る予定の真打を軸として、親機と子機のように同期させることでそれぞれの契約まで成立させた。この仕組みによって基盤となる剣聖が命を落とせば、同期された他の契約者達も体を蝕まれ、数日で死に至る。五将との一蓮托生…戦に臨むにあたっての彼らの覚悟の表明…だが、今となっては仇となってしまった。剣聖を処刑すれば、君ら他の契約者まで命を落とすことになる」 座村清市「だがこのままじゃこの先」 「まあ落ち着け。らしくないな。そうだ、聞いたぞ。娘を預かったんだってな。なるほどそれでか…未来を憂いているのは」 座村清市「…ああ」 「“起こりうる”というのは僅かな可能性だ。剣聖と真打はそれぞれ限られたごく少数の人員に現状考えうる最高峰の警備体制を整えてある。剣聖と真打を隔離・封印している限りはまず心配ない。そのほんの僅かな可能性にかけて君らを死なせるわけにはいかんよ。剣聖の一件は我々にとって償うべき大きな罪だ。だが君ら残りの契約者は最後まで敵を殺すためではなく、民を護るために戦った英雄だ。もう十分働いた。危機管理は我々が担う。君は娘と共に未来を生きていいはずだ」 『剣術道場』 「目を瞑ってるのに…標的を感じとれるのか?なんであんな…」 座村清市「ずーっと俺の真似しやがるから慣れちまったんだろうな」 「ていうか逆に目を開けている状態だと怖がってしまうみたいですね」 座村清市「目ェ閉じると逆に余計な邪念が削がれていいんだろうな。静かな集中に陥ることで、剣を振ることに特化する」 「いやすごい。さすがは英雄座村清市のお嬢さんだ」 イヲリ「お父さん!今の見てた?」 座村清市「ああ、やるなぁ」 イヲリ「でしょー。私、最強になるよ!で、お父さんのこと守ったげる」 座村清市「はっ…そうか…そりゃ楽しみだ」 『父娘の時間はただ流れて…次号休載』 | |||
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