黒執事 連載再開 | 第214話『その執事、上昇』ネタバレ(Gファンタジー最新話) | Black Butler

Kuroshitsuji
原作(Original Story): 枢やな(Yana Toboso)
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黒執事 第214話ネタバレ
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黒執事 第214話

黒執事 漫画 214話 扉絵 Black Butler Chapter 214 Ciel Sebastian
配信日2025年4月18日
サブタイトルその執事、上昇
Gファンタジー2025年5月号
次回2025年5月16日
登場人物シエル・ファントムハイヴ
セバスチャン・ミカエリス
バーナバス・フェアチャイルド3世
ロドニー・ホール

第214話 その執事、上昇

『疑惑のホテルの潜入を開始した矢先に…!?』
バーナバス「ワタクシ、このホテルの支配人を務めております。バーナバス・フェアチャイルド3世と申します。ロンドンから遠路はるばるよくぞお越しくださいました、シエル・ファントムハイヴ伯爵。そしてその執事、セバスチャン・ミカエリス殿。ようこそ“ザー・ネクタルスプリングスホテル”へ!」
シエル「(素性がバレてる!?それにフェアチャイルドという名…どこかで…)」
バーナバス「ああ失敬。今のあなたは“伯爵”ではなく“様”とお呼びすべきでしたな」
セバスチャン「なるほど…こちらから打って出たつもりがすでに先手が打たれていたわけですね」
バーナバス「先手とは?はて…お客様の一歩先を読まねば最高のおもてなしは提供できない…というだけのこと。我々はホテルマン。接客のプロです。御主人様の相手だけをしていればよい使用人とはクオリティが違うのですよ」
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バーナバス「このネクタルスプリングスでは到着した瞬間から最高のおもてなしをゲストに提供するため独自の情報を使い、ご到着前にお身元の確認をさせていただいているのです。もちろん、お調べした内容は極秘に扱われますのでどうかご安心を。宿泊費さえお支払いいただければどんなゲストであろうと歓迎する…それが私どものポリシーですから。紆余曲折の長旅でさぞお疲れでしょう。どうぞこの楽園でゆっくり羽を伸ばしていってください。ホールくん、お客様を案内してくれたまえ」
ロドニー・ホール「かしこまりました。客室係のロドニー・ホールと申します。どうぞこちらへ。チェックインカウンターへご案内いたします」
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『チェックイン後』
ロドニー「上を御覧下さい。こちらの壮麗な吹き抜けは当ホテルの建築の粋を集めた空間でございます。1851年に建築されたクリスタル・パレス。天窓はそれと同じ製法を用いた鉄骨とガラスの傑作です。お客様にご滞在いただくデラックス・スイートはあちらの天窓にほど近い8階フロアとなります」
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シエル「スイートなのに最上階?」
セバスチャン「通常、ホテルは高層階になるほど快適さも宿泊費も下がるものですが」
ロドニー「ええ、階段を何度も昇り降りする煩わしさを考慮し特権階級のお客様はアクセスの良い低層階をご利用になるのが通例ですね。しかし当ホテルは違います。あちらを御覧下さい。当ホテル自慢の最新式昇降室でございます。この電動式昇降室はロンドンにさえわずか数か所にしか設置されていない最新鋭の設備。ボタン一つであっという間にお客様を最上階までお連れいたします」
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ロドニー「こちらがファントムハイヴ様にご宿泊いただくスイートです。遮るもののない雄大なオーシャンビューをお楽しみいただけます」
セバスチャン「なるほど…移動のストレスを解消できれば、これからのホテルは景観が価値になる…という事ですね。しかし…最上階までお湯を運んでくる使用人は骨が折れそうだ」
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ロドニー「お湯を運ぶ…ああ!その心配はご無用です。当ホテルの革新的な水道システム…それにより人間が苦労してお湯を運ぶ必要などありません。蛇口を捻ればすぐにお湯が出ますし、栓を抜けばすぐに排水が可能。さらに備え付けの内線を使えばすぐに客室係が参ります。つまり…ご帯同いただいた使用人の皆様も御主人様のお世話から解放され、自由に過ごしていただくことが可能。特権階級の皆様も常に使用人が側に控える状況から解放され、本当の意味でのプライベートタイムをお楽しみいただけます」
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セバスチャン「使用人が主人の世話から解放される?」
ロドニー「ええ!快適にご滞在いただくため、ミカエリス様にはファントムハイヴ様のお隣のセミスイートをご用意しております」
セバスチャン「控室ではなくセミスイートですって?執事ごときがおこがましい」
ロドニー「身分を問わずすべてのゲストに不自由から解放され、自由になれるひとときを提供する…それこそが当ホテルが提供するプロのおもてなし…でございます。最後にこちらを。宿泊特典です」
シエル「メリーオーシャン・ピア?」
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ロドニー「ウェスト・ピアの東側に今夏オープンした画期的な海上遊園地。ご家族で楽しめるアトラクションがたくさんあり、連日チケットは完売御礼。ですが、当ホテルにご滞在のお客様にだけ特別に招待券をご用意しています。もちろん外出なさらずとも当ホテルの地下に最新のスパもございますし、喫煙室にはビリヤードの他にもあらゆる趣向を凝らした遊戯をご用意しております。本当の自由をご満喫ください!」
シエル「…さて、僕達の正体がバレていた。宿泊者の情報を調べているとは言っていたが、鵜呑みにできるものか。家に関連する指輪もすべて外していたのに…このホテルはアンダーテイカーの息がかかった組織…そう見ておいたほうが良さそうだ」
セバスチャン「ですがなぜ我々を迎え入れたのでしょう?」
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シエル「しかも堂々と“知っている”ことを開示してきた。だから芝居も作戦も捨ててなすがままチェックインしたわけだが」
セバスチャン「ふむ…すべてバレているのなら遠慮は必要ない。施設の全焼、従業員の虐殺…何なりとご命令を坊ちゃん?」
シエル「待てセバスチャン。このホテルの支配人、バーナバス・フェアチャイルド3世と名乗ったあの男…どこかで聞いたことがある名前だと思っていたんだが…ようやく思い出した。フェアチャイルド財閥…14世紀から続く商人一族。産業革命の波に乗り、植民地への投資と鉄道事業で莫大な富を得て、金で男爵位さえ手に入れた新興貴族でもある。さらには英国中央銀行の株を大量に保有し、政府への融資までをも行う大豪商」
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セバスチャン「それほどの財をお持ちならこの程度の施設は何度でも再建が可能…物理的な手段での壊滅では意味がない…と?」
シエル「ああ。それに万が一、一般客を巻き込み犠牲者を出してみろ。たとえ爵位を取り戻せたとしても無実の命を奪った罪でランドルが飛んでくるぞ。あいつはもともと女王の番犬を排除したがっていた男だ」
セバスチャン「本当に坊ちゃんは敵が多くていらっしゃる」
シエル「僕達がお尋ね者であり、アンダーテイカーの敵であると知りながら支配人は招き入れた。必ず意図があるはずだ。ならこのホテルを徹底的に調べ上げ、奴の狙いを暴いてやる!」
セバスチャン「やれやれ…自ら伏魔殿に滞在なさることを望むとは」
シエル「主人の身の回りの世話はプロに奪われたが仕事はいくらでもありそうじゃないか。よかったな」
セバスチャン「お気遣い痛み入ります」
シエル「まずはホテル内を見て回る。いくぞセバスチャン」
セバスチャン「イエス・マイロード」
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セバスチャン「大丈夫ですか?顔が真っ青だ。すぐにホテルマンにお医者様を…」
「ようやく…見つけた…私を忘れたとは言わせないぞ…悪魔!」
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