あらすじ
ハラルド王の死によってアウルスト城の激闘が結末を迎える中、ギャバンとヤルルは鉄雷の威力に安督し、シャンクスは自身の父親であるガーリング聖の冷酷な言葉を思い出して自らの出生に激しく葛藤する。聖地マリージョアではイムがハラルドの敗北に驚きつつも、エルバフの一族が歴史に仇なすDの血を引く者たちであることを再確認して政府との決別を言い渡す。過去の城でロキは父親の無念を晴らすためにあえて親父殺しの汚名を背負って国を出る決意をし、その真実を現代のエルバフでハイルディンたちに明かす。すべての誤解が解けて手錠を外されたロキは、巨兵海賊団の仲間たちと和解を果たす。そこへ空から伝説の怪物である火死人が突如として急襲を仕掛け、長年の鎖から完全に解放されたロキはルフィが見守る中で鉄雷の力を発動し、凍てつく強力な一撃を怪物へ向けて放つ。
概要
本話は、エルバフの過去の悲劇に隠された世界政府の支配の実態と、現代におけるロキの完全な名誉挽回が描かれる重要なエピソードである。ハラルド王が不死身の化け物と化していた恐怖や、それを止める唯一の希望がロキであった事実がギャバンたちの口から語られる。また、マリージョアの最高権力者であるイムの口から、人間族にへりくだってまで他国と繋がろうとしたハラルドが異端者であったこと、そしてエルバフは“D”であることが明言される。後半では、父親の尊厳を守るためにあえて自ら悪名を被り続けていたロキの不器用な親心が明かされ、ハイルディンたち新巨兵海賊団との長年の確執が氷解する。釈放されたロキが歓喜の中で鎖を外す描写とともに、空から降ってきた謎の怪物ムーマに対して悪魔の実の真の技を披露する戦闘の再開が詳細に描写される。
本文:ネタバレ
1. ハラルドを止めた鉄雷の力とヤルルの安堵
アウルスト城での激しい戦いが一段落する中、ギャバンとヤルルはハラルドを止めた悪魔の実に宿る未知の力について言葉を交わす。 世界滅亡への絶望感:
- ギャバンはハラルドがこのまま城を出て世界を滅ぼしてしまうのではないかとさえ思えるほど、絶望の世界が見えていたと当時の恐怖を振り返る。
不死身を止めた力への驚き:
- 傷ついても再生を繰り返すあの体をまさか止める方法があったのかと驚き、エルバフの秘宝にはそれほどの力が隠されていたのかとヤルルに尋ねる。
知らされなかった秘宝の真実:
- ヤルルは自分もそんな話は今までに一度も聞いたことがないと答えつつも、今日ここにロキがいなかったらどうなっていたかと想像して背筋が凍る思いを口にする。
2. シャンキスの回想とガーリング聖による冷酷な教え
シャンクスは過去のハラルドの悲願と、自らの父親であるガーリング聖から浴びせられた冷酷な言葉を同時に思い出す。 夜明けを信じたハラルドの悲願:
- シャンクスはハラルドがかつて、自分自身が神の騎士団に加入できればエルバフに夜明けが訪れると熱く信じて語っていた姿を思い出す。
父親による非情な教え:
- 同時に父親であるガーリング聖から、欲しいものを口にすれば何でも手に入ると告げられたことや、これまでに不自由をさせて哀れな子供だったと同情されつつ、下民たちは人間ではないため下界の出来事はすべて忘れるようにと言われた記憶がよみがえる。
契約印への苦しみと動揺:
- シャンクスはあまりの精神的な苦しみから契約印が刻まれている自分の左腕を強く掴み、激しく動揺する。
3. 出生への葛藤とギャバンによるシャンクスへの諭し
自分の血筋に苦悩するシャンクスに対し、ギャバンは彼を優しく受け止めながら海賊としての生き方と役目を説く。 出生を恨む悪癖への制止:
- ギャバンは苦しむシャンクスを抱きしめながら、自分の生まれを恨むのはお前の悪い癖だから今すぐやめるようにと厳しく制止する。
ハラルドへの後悔と悲しみ:
- シャンクスはなぜあのような綺麗な心を持ったハラルドが死ななければならなかったのかと悔やみ、自分がもっと早く行動していれば救えたかもしれないと悲痛な声を上げる。
命の意味と果たすべき役目:
- ギャバンはシャンクスに対してこれから先必ず果たすべき役目があると励まし、どのような者の命にも必ず生まれてきた意味があるため気をしっかり持つようにと言葉をかける。
4. ハラルドの死に涙するロキと国の愛の結末
愛する父親の亡骸を前にしたロキは、理不尽な現実に対して激しい怒りと深い悲しみを爆発させる。
父親の遺体の前での涙:
- ロキは目の前で命を落とした父親のハラルドの姿を見つめながら、溢れる涙を流して立ち尽くす。
国への忠義の悲劇的な結果:
- 父親がこれほどまでに国を愛し抜いた結果がこのような悲惨な死であるという現実に直面し、あまりにも理不尽で不公平すぎると激しい怒りを露わにする。
5. 聖地マリージョアでのイムの驚愕と五老星の進言
ハラルドが討たれたという知らせは聖地マリージョアにまで届き、イムと五老星はその想定外の事態に動動きを見せる。 不死身の戦士の敗北への驚愕:
- イムは世界でも珍しい古代巨人族の戦士にさらなる力と不死身の体を与えて化け物のような存在に仕立て上げたハラルドが殺された事実に驚き、誰が殺害したのか、そしてエルバフには一体何が存在しているのかと激しく問い詰める。
調査の提案と五芒星の残存:
- 五老星はハラルドが現地に残した五芒星(アビス)がエルバフにあることを理由に、現地へ状況を調べに行かせるべきかとイムへ進言する。
6. イムが語るハラルド王への評価とエルバフの真実
イムはこれ以上の調査を不要と断じ、ハラルド王の存在意義とエルバフという土地が持つ本来の危険性を冷酷に分析する。 契約に伴う代償とハラルドの異端性:
- イムはこれ以上の派遣は騎士が死ぬだけであるため不要だと断じ、自身にとっても契約には相応の代償が伴うものであると語りつつ、人間族にへりくだってまで他国や他種族と繋がろうとしたハラルドは巨人族の中で異端者であったと評する。
都合の良い王の排除と内部崩壊の懸念:
- 巨人族は本来血の一滴にいたるまで好戦的な戦士の一族であり、不用意に政府へ取り込めば内部からの崩壊を招くため、政府との契約に合意する古代巨人族のエルバフの王という都合の良い男はエルバフにとっても存在してはならない王だったのだと結論づける。
相容れない宿命と一族の正体:
- イムはこの結果を受けて歴史は嘘をつかないため自分たちは決して相容れない存在であると断言し、エルバフは“D”であるでことを五老星に対して忘れるなと強く命じる。
7. 過去の城でのロキとヤルルの対立と真実の隠蔽
過去のアウルスト城で、ロキは父親の最後の願いを拒絶してすべての真実を自分一人の胸に秘めて国を出る決意をヤルルに語る。 生き残った兵を連れての出港決意:
- ロキはヤルルに対して自身は生き残った兵士を全員連れて海へ出ると宣言する。
父親の遺言の拒絶と口封じの命令:
- ヤルルから城で起きた出来をありのまま民に伝えろというハラルドの遺言を突きつけられるが、ロキはそんな残酷な事実を民に言えるわけがないと拒否し、周囲の者たちに今日ここで起きたことは誰にも喋るなと強く口封じを命じる。
容疑を背負う覚悟と別の思い:
- ヤルルからそれでは誰に父親殺しの疑いがかかるか分かっているのかと咎められるが、ロキはいつものことだと意に介さず、自分が王になって父親の思想を受け継ぐ未来など見えるはずがないと吐露しつつ、別の思いであれば成し遂げられると語る。
ヤルルによる世界政府の警告:
- ロキが新しく得た能力を用いて父親と兵たちの無念を晴らしに行くと決意を語るのに対し、ヤルルはバカなことを考えるなと制止し、世界政府は巨大な組織でありロキが考えているほどた易い相手ではないと強く警告する。
8. 現在のエルバフにおけるロキの告白と過去の素行の理由
場面は現在のエルバフへと戻り、ロキはハイルディンに対して長年隠し続けてきた自らの本心と親父殺しの汚名を背負った理由をぶつける。
親父殺しの汚名の完成と不審な素行の理由:
- ロキはあのまま海に出たことで、ハイルディンたちが島に帰ってきた頃には親父殺しのロキという悪名が見事に完成していたはずだと語り、周囲にそう思われても仕方のない素行をあえて繰り返してきた背景を明かす。
否定されたくなかった父親の結末:
- 自分の父親を殺して喜ぶほど正気を失ってはいないと激しい口調で否定し、ただあのような悲惨な結末を辿ったことで父親のこれまでのすべてが周囲から否定されるのが耐えられなかったという本心を吐露する。
国に伝えるべきだったという迷いと記憶の拒絶:
- ロキはそれでもすべての事実を国に正しく伝えるべきだったのだろうかとハイルディンに問いかけ、このような過去の出来事は思い出したくもなかったと苦渋の表情を見せる。
9. ハイルディンの理解とロキの手錠解放による和解
ロキの告白とギャバンの証言によりすべての真実を理解したハイルディンは、これまでの誤解を深く謝罪してロキの自由を奪っていた手錠を外す。 ヤルルによる庇護の真意の理解:
- ハイルディンはロキの告白を聞いて、ヤルルがなぜ頑なにロキの死刑を執行させず、これまでかばい続けていたのかという真意をようやく理解する。
世界政府への敵対心と因縁の自覚:
- 父親が世界政府に操られないために自ら死を選んだ事実を悟り、政府はその当時からずっとエルバフの敵だったのかと驚愕し、どのような手段を用いて父親を追い詰めたのかと怒りを募らせる。
ギャバンの説明の申し出とハイルディンの拒絶:
- ギャバンがハラルドの件と非常に深い因縁を持つ神の騎士団について、聖地でハラルドの身に起きた詳細を把握していないロキのために必要であれば自分から説明をすると申し出るが、ハイルディンは今は必要ないと断り、国を守るために特別な理由は必要ないと強く宣言する。
手錠の解放と共同戦線の提案:
- ハイルディンは父親を想うロキの気持ちに同意を示し、これまでの誤解について深く謝罪しながらロキの手錠を外し、エルバフのために共に戦おうと呼びかけ、ルフィも再び戦えるようになったロキの姿を見て大喜びする。
10. 空からのムーマの急襲と戦場への出陣
和解を果たした彼らの前に突如として空から巨大な怪物が落下し、新たな激しい戦いの幕が開ける。
空から降ってきた巨大な怪物:
- 彼らの会話の途中で突然空から巨大なムーマが落下し、周囲を大きな混乱に陥れる。
上空での異変とチョッパーの警告:
- チョッパーは上空で暴れているのがあの怪物であり、上にはあのような存在がたくさん潜んでいるのだと取り乱しながら周囲に危険を伝える。
伝説の火死人の出現への驚愕:
- ハイルディンは落下してきた怪物の姿を見て、どこから現れたのかと動揺し、存在するはずのない伝説の火死人(ドラウグル)ではないかと目を見張って驚き、上空で一体何が起きているのかと強い疑問を抱く。
先行の指示とロキの移動手段:
- ロキは現れた怪物について自身の肩ならしにはちょうどいい相手だと不敵に語り、自分は飛行することができるため仲間たちに対して先に上へ向かうよう指示を出す。
11. 新巨兵海賊団の謝罪とロキの自由への歓喜
新巨兵海賊団が上空へ向けて出発する中、ロキは長年自分を拘束していた重い鎖をすべて解き放ち、自由の喜びを満喫する。 新巨兵海賊団一同からの謝罪とハイルディンの釘刺し:
- ゴールドバーグに急ぐよう促された仲間たちは出発の間際にロキに向かって、これまで親父殺しの悪党だと勘違いしていて本当に申し訳なかったと大声で謝罪するが、ハイルディンはこの件に関しては謝るものの、これまでに犯したその他の罪が消えるわけではないと厳しく釘を刺す。
ロキによる謝罪の拒絶:
- ロキは仲間たちの言葉に対して静かに立ち去るよう促し、そのような謝罪の言葉は自分には必要ないと一蹴する。
動ける自由への凄まじい歓喜:
- ロキは長年自分の肉体を束縛していたすべての鎖を完全に引きはがし、自由に動ける状態は最高であると大声を上げて全身で喜びを爆発させる。
12. 負傷者の搬送とルフィの前での伝説の技の発動
サンジたちが怪我人を安全な場所へ運ぶ中、戦場に残ったロキは伝説の力を発動させて怪物に強力な一撃を見舞う。 負傷者の搬送とサンジの疑問:
- ギャバンが船医であるチョッパーの気遣いに感謝を示しつつも息子の安否を心配し、チョッパーもその気持ちに同意する中、サンジは二人を安全な場所へ運ぶためにギャバンとチョッパーを担いで陽界へと移動を開始する。
サンジへの安静要求と残る者への疑問:
- チョッパーから移動の際に安静に頼むと言われたサンジは、それを承諾しつつも、チョッパーに対してその場に残る予定ではなかったのかと疑問を投げかける。
戦場に残るルフィへの問いかけ:
- ロキは一人だけその場に留まり続けているルフィに対して何をしているのかと尋ね、ルフィは笑いながらロキの戦いを見るのが楽しみなのだと返す。
鉄雷による原初世界の発動:
- ロキは手に入れたラグニルの力を発動させて迫り来るムーマに向けて技を構え、鉄雷(ラグニル)原初世界(ニブルヘイム)の技を放ち、周囲を激しく凍てつかせる。
まとめ
第1171話「鉄雷(ラグニル)」は、過去の因縁からハラルド王の死の真実がハイルディンたちに伝わり、ロキが長年の汚名から解放されて新たな戦いへと身を投じるエピソードである。 秘宝の威力と出生への苦悩:
- 過去のアウルスト城でギャバンとヤルルが悪魔の実の未知なる威力に安堵する中、シャンクスは父親であるガーリング聖の冷酷な言葉を思い出して自らの出生に激しく葛藤し、ギャバンから果たすべき役目があると諭される。
イムの決断とエルバフの正体:
- マリージョアではイムがハラルドの敗北に驚きつつも、人間族にへりくだる王は居てはならない都合のいい男だったと切り捨て、エルバフは“D”であることを忘れるなと五老星に命じる。
真実の隠蔽と親父殺しの悪名:
- 過去の城でロキは父親の無念を晴らすためにあえて真実を隠して海へ出る決意をヤルルに語り、現代のエルバフでハイルディンたちに父親の尊厳を守るためにわざと親父殺しの汚名を被り続けていた本心を吐露する。
誤解の氷解と火死人の急襲:
- すべての真実を理解したハイルディンは非礼を謝罪してロキの手錠を外し、共にエルバフのために戦うことを誓い合うが、その瞬間に空から存在するはずのない伝説の怪物である火死人が突如として落下して周囲を強襲する。
鎖からの解放と伝説の技の解放:
- 新巨兵海賊団から勘違いを謝罪されたロキは、長年自分を縛りつけていた重い鎖をすべて解き放って動ける自由の喜びに歓喜し、サンジたちが負傷者を安全な陽界へ運ぶ中、ルフィが見守る戦場でラグニルを手に取り周囲を凍てつかせる強力な一撃を怪物へ向けて放つ。
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