あらすじ
前夜の勘違いの翌日、猫猫は商談で来訪した羅半や上司の代理で来た陸孫と対話する。陸孫の特異な記憶力により、砂欧国の商人に紛れる白娘々一座の男が特定される。一座の去った後の食中毒や阿片の散布など、他国を巻き込んだ不穏な動きが浮き彫りとなり、不可侵な砂欧国への対応に苦慮する状況が明かされる。羅半から未知の毒を調べる機会を提示された猫猫は、羅一族の姫として宴に出席することを決める。下劣な会話を交わした後に部屋へ戻った猫猫は、西方風の装束に身を包み、用意された芥子の花の簪に過去の思い出を重ねる。夜になり、かつて壬氏に向けられていた不躾な視線を思い返しながら宴に臨んだ猫猫は、里樹妃の父親である卯柳(ウリュウ)の姿を確認しつつ、五日間の滞在中に何事も起きないことを願う。
概要
第104話は、西都滞在二日目において渦巻く各国の思惑と、登場人物たちの間で交わされる密談を描くエピソードである。前夜の騒動が引いた後、羅半と陸孫の報告によって砂欧国の商人に潜む不穏な存在や阿片の危機が露呈する。顔を忘れない陸孫の才能や、壬氏の美貌に異様な執着を示す羅半との軽妙かつ奇妙なやり取りを経て、猫猫は珍しい未知の毒への興味から羅一族の姫として宴へ出る役目を引き受ける。西方風のドレスの着付けや芥子の花の簪に対する思策を経て、複雑な視線が交差する宴の席へと向かった猫猫は、里樹妃の父親である卯柳(ウリュウ)の顔を確認しながら、不穏な空気が漂う西都での滞在期間が無事に過ぎ去ることを静かに祈念する。
本文:ネタバレ
1. 翌朝の再会と西都での事情
前夜に壬氏から何をしているのかと問われ、大変な勘違いをされた翌日、猫猫は羅半および陸孫と会話を交わす。 羅半の来訪目的:
- 羅半は自分も西都に呼ばれていたと言い、商談のためにやって来たと明かす。
陸孫の代理出席:
- 陸孫に対して来訪の理由を尋ねると、上司が都を出たくないと言ったため代わりにやって来たと説明する。
使えない上司への毒吐き:
- 上司を使えないと言い放つ猫猫に対し、羅半はそういうところを嫌いではないとしつつも少し抑えるよう嗜める。
前夜の騒動の余波:
- 昨夜あの後で皇弟である壬氏と馬閃が大変だったと羅半が語る。
皇弟たちの現在地:
- 二人がどこにいるのか問う猫猫に対し、羅半は本日は会談があり、玉袁や国外の特使も交えて腹の探り合いをしていると答える。
2. 人相書きの男と陸孫の特技
納得する猫猫に対し、羅半は自分に話があると言って一枚の人相書きを取り出す。 白娘々との識別:
- 白娘々の人相書きなら一緒に見たはずだと返す猫猫に、羅半は別の紙を示して見覚えがないか確認を求める。
一座の男の提示:
- あるようなないようなと答える猫猫に対し、羅半はそれが白娘々の舞台にいた一座の男だと説明する。
猫猫の記憶:
- 薄暗かったため白娘々以外は覚えていないと猫猫が応じる。
男の発見報告:
- 数日前にその男を見つけたと羅半が述べ、陸孫も間違いがないと断言する。
記憶力の特技:
- なぜ断言できるのか疑問を抱く猫猫に対し、羅半は陸孫が人の顔を一度見たら忘れない能力を持っていると明かし、陸孫は自分にとってこれしか取り柄がないと謙遜する。
変人軍師との相性:
- 他人の顔を判別できない変人軍師の部下なら持っていて損のない才能であり、それを見抜いたのも変人らしいと猫猫は感心する。
3. 壬砂欧国と白娘々一座の陰謀
いつ見つけたのかと問う猫猫に対し、二日ほど前だと羅半が答えて潜入の事実を語る。 下男への偽装:
- 男が見つかるとは思っていなかったはずであり、荷馬車の荷を運び入れる下男のような真似をしていたと明かす。
砂欧国の荷物:
- その荷物が西都よりさらに西にある砂漠地帯を越えた砂欧国の商人のものであると判明する。
過去の特使の記憶:
- 昨年やってきた女の特使や壬氏が踊った宴、さらに子一族と飛発の取引をしていたことを猫猫は思い出す。
事態の危うさ:
- 疑惑のある輩が他国の商人に紛れている状態のまずさを猫猫が指摘すると、羅半も同意し、一座が去った後に商人たちの間で謎の食中毒が流行ったと付け加える。
阿片の散布:
- 行く先々で奴らが阿片をバラまいている可能性を猫猫が指摘し、馬借が白子の娘のいる一座からもらった薬が阿片であったと証言して羅半と陸孫を驚かせる。
不可侵の壁:
- 他国がそのような相手を囲っていれば大事になると危惧されるが、砂欧はお国柄不可侵な場所であり、たとえ砂欧の思惑で動いていても罪人として捕らえられない難しさを語る。
4. 羅一族の姫としての宴参加要請
不穏な情勢であっても会談や宴に応じないわけにはいかないため、羅半は対応に頭を悩ませる。 役割の打診:
- 猫猫に対して自分に何をしろと言うのかと問われた羅半は、羅一族の姫として宴に参加してほしいと依頼する。
猫猫の拒絶反応:
- 非常に嫌そうな表情を浮かべる猫猫に対し、陸孫は何も見ていないと言って不問に付す。
参加の必要性:
- 人相書きの男に対する証言が一人のみでは白を切られる恐れがあり、白娘々が近くに潜んでいる可能性や錬金術による未知の毒を盛られる懸念を羅半が説明する。
毒への誘惑:
- 未知の毒と聞いて反応した猫猫に対し、珍しい毒に会えるかもしれず、うまく捕らえたらその毒を調べて良いと羅半が条件を提示する。
承諾の決断:
5. 血縁の確認と羅漢の屋敷への勧誘
ただで引き受けるのが癪だと考えた猫猫は、陸孫に対して質問を投げかける。 親子判別の確認:
- 人の顔を忘れない特技を用いて、顔立ちから親子かどうか判別できないかと猫猫が尋ねる。
陸孫の回答:
- 主観による判断になり、より明確な根拠がなければ厳しいため力になれないと陸孫は申し訳なさそうに謝罪する。
羅半の自己解釈:
- 自分に見える数値を根拠にしても誰も納得しないだろうと羅半が口を挟む。
屋敷への勧誘:
- 陸孫は一度羅漢の屋敷に来てくれないかと控えめに差し出口を叩く。
再度の拒絶:
- 再び酷く嫌そうな顔をした猫猫からその件は言わないでほしいと拒絶され、陸孫は仕事があると言って席を外す。
6. 馬閃と壬氏を巡る密談
陸孫が去った後、猫猫と羅半の二人で会話が続く。 品物による交渉:
- 宴へ出なくて良いのか確認する猫猫に対し、機嫌を損ねないよう西の商人との商談で手に入る珍しい香辛料などの品物を提示する羅半を見て、結局物で釣るのかと猫猫は思う。
昨夜の確認:
- 昨夜馬閃と何もなかったのか尋ねる羅半に対し、猫猫は馬閃が童貞であることをバラそうとする。
羅半の制止:
白鈴の助言:
- 年頃の男は隠したがるものだと考える猫猫は、気に入られているのだから白鈴に甘えれば適当な部屋で手取り足取り面倒を見てくれるだろうと思いを巡らせる。
よからぬ思考:
- よからぬことを考えていないか疑う羅半に対し、猫猫は別に何も考えていないと返す。
7. 壬氏の美貌への執着と下劣な提案
羅半は猫猫に対して、皇弟に頼んで子種を体に貰う気はないかと突飛な提案をする。
養育の申し出:
- 試しに産んでみたいだけで子供に興味がない猫猫の代わりに、自分が責任を持って養育し跡取りにすると羅半が語る。
自分で作る拒絶:
- 自分自身で作れと猫猫が返すと、羅半は理想の相手がいないと答える。
理想の条件:
- 皇弟をそのまま女にしたような存在が理想だと語る羅半に対し、そんな者が簡単にいてたまるかと猫猫は呆れる。
美貌の賛美:
- 顔に傷が残ってもなおそれを超える美しさが存在しないと皇弟を惜しむ羅半に対し、そこまで言うなら自身の大事なものを切り取って女の胎を植え付けてみたらどうかと猫猫は毒を吐く。
娘の扱い:
- できるわけがないと言いつつ跡取りとして娘が生まれたらどうするのか問う猫猫に、羅半は責任を持って生涯養うと宣言し、猫猫は嫁として養う意味かと解釈して壬氏の顔への強い執着に呆れ、くだらない話を続けるなら立ち去ると告げて部屋を出ようとする。
8. 西方風の装束と芥子の花の簪
場面が変わり、自分の部屋に戻った猫猫を使用人が出迎える。
衣装の準備:
- お嬢様と呼びながら用意した衣装を当てがう使用人に対し、猫猫は変わった装飾だと感じる。
西方風ドレスの構造:
- 西方風の意匠を取り入れたドレスであり、裳に骨が入っていて踊るとくるくると揺れて美しく、胸があれば寄せ上げて谷間を見せる構造だと使用人が説明する。
体型への言及:
- 猫猫に肉がなく鶏ガラ体型であることを指摘しつつも、上を大袖にすることで見栄えを良くし、腰を帯で締め、つけ毛を用意して髪の量を増やすよう半時かけて仕度を整える。
簪の発見:
- 仕度が終わりようやく休む猫猫は、そこに置かれている芥子の花の簪を見つける。
子翠の記憶:
- 子翠にあげた簪が戻ってきたのかと一瞬思い返しつつ、不思議としっくりきてそのまま付けっぱなしにしていた自分らしくない行動を思い返す。
9. 宴の場と卯柳の姿
夜になり宴の席へ臨んだ猫猫は、次々とやってくるお偉方を目にする。 過去の視線:
- かつて壬氏が宦官の振りをしていた頃、彼を侮辱の目で見たり情欲を向けたりしていた連中であると猫猫は観察する。
卯柳の確認:
- 里樹妃の父親がこの場にいるか羅半に尋ねると、羅半はそれが卯柳だと指し示す。
親子の観察:
- 似ているようでもあり似ていないようでもあると猫猫は不確かな印象を抱く。
親子判別の察知:
- さっきの親子の判別の話が里樹妃のことだったのかと羅半に察せられるが、猫猫は明確に答えず濁す。
五日間の平穏祈願:
- 白娘々一座の男の存在を気にかけつつ、都から遠く離れた西都でのたった五日間の滞在中に何も起きないことを猫猫は静かに祈る。
次号休載:
- 平穏を祈る猫猫。はたしてその願いは…?次回 10月19日頃発売の11月号につづく
まとめ
第104話は西都での二日目に猫猫が様々な人物との対話を経て、不穏な政治的影や宴の席に臨むまでの経緯を描いたエピソードである。 砂欧国との不穏な噂:
- 陸孫の顔を忘れない特異な才能により、砂欧国の商人の荷を運ぶ下男として白娘々一座の男が潜入していることが判明する。
阿片と毒の脅威:
- 一座が去った後の謎の食中毒や各地への阿片散布が浮き彫りになり、未知の毒を調べる条件と引き換えに猫猫は羅一族の姫として宴に出ることを承諾する。
下劣な対話と執着:
- 羅半から壬氏の子種をもらう不躾な提案や彼の美貌への異様な執着を受けつつ、猫猫は呆れながら仕度に向かう。
宴への足踏み出し:
- 西方風の豪華な衣装と芥子の花の簪を身にまとった猫猫は、複雑な意図が交錯する宴の場へと踏み出す。
芥子の簪と記憶:
- 西方風の装束の着付けを受け、置かれた芥子の花の簪に過去の思い出を重ねる。
卯柳の姿:
- 宴の席でかつて壬氏に向けられていた不躾な視線を思い返しつつ、里樹妃の父親である卯柳の存在を確認する。
西都での平穏祈願:
- 不穏な情勢が漂う中、たった五日間の滞在期間中に大きな波乱が起こらないことを猫猫は心の中で切に祈る。
『薬屋のひとりごと』漫画&小説一覧
最新刊の発売日や収録話を詳細にまとめた資料ページはこちら。
|