中島敦「一杯の茶漬け…梅干しに刻み海苔…それに夕餉の残りの鶏肉…そいつを熱い白湯に浮かべ、塩昆布と一緒にかき込む」
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中島敦「(旨かったなぁ…孤児院の台所で人目を忍んで食った茶漬けは…)」.jpg)
中島敦「ダメた…腹減って死ぬ…僕の名前は敦。故あって餓死寸前です。孤児院を追い出され…食べる物も寝る所もなく…金もなく…」
太宰治「助かったか…」
中島敦「自殺!?」
太宰治「そう!私は自殺をしようとしていたのだ。それなのに君が余計なことを…」
太宰治「あ、そうだ!よい事思いついた」
国木田独歩「人の話しを聞けよ!」
太宰治「ではついて来たまえ敦君!何が食べたい?」
中島敦「あの…できれば…」
太宰治「なに遠慮はいらないよ」
中島敦「茶漬けが食べたいです」
太宰治「ふふふ…はっはっは!餓死寸前の少年が茶漬けを所望か」
中島敦「私の名は太宰。太宰治だ」
太宰治「国木田君は予定表が好きだね~」
国木田独歩「これは予定表ではない!理想だ!我が人生の道標だ!そしてこれには仕事の相方が自殺マニアとは書いていない!」
中島敦「んぐむぬ?」
国木田独歩「だから仕事だ。今日の仕事?軍関係の依頼だが」
太宰治「何で君達会話できてるの?」
中島敦「出というか…追い出されたんです」
太宰治「それは薄情な施設もあったものだね」
国木田独歩「なァに…探偵だよ」
国木田独歩「異能集団、武装探偵社と言えば聞いたことがあるのではないか?」.jpg)
中島敦「(風の噂で聞いた事があった。武装探偵社…曰く軍や警察に頼れない危険な仕事を専門にする探偵集団。昼の世界と夜の世界その間を取り仕切る薄暮の武装集団)」
太宰治「おお!」
太宰治「違うよ。首吊り健康法だよ」
国木田独歩「何だそれは」
太宰治「ほら、メモメモ」
太宰治「嘘だけど」
中島敦「ぼ…僕はこれで失礼します」
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国木田独歩「待て小僧。貴様なんか知っているな?」
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中島敦「無理だ!奴に人が敵うわけない!」
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国木田独歩「貴様、人食い虎を知っているのか?」
中島敦「あいつは僕を狙ってる…殺されかけたんだ!この辺に出たんなら早く逃げないと!」
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国木田独歩「待て小僧。貴様なんか知っているな?」
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中島敦「無理だ!奴に人が敵うわけない!」
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国木田独歩「貴様、人食い虎を知っているのか?」
中島敦「あいつは僕を狙ってる…殺されかけたんだ!この辺に出たんなら早く逃げないと!」
太宰治「君はあの虎の何を知ってる?」
中島敦「施設を追い出された2週間前から、何度もあいつの影を見た」
中島敦「鶴見の辺りであいつを見たのが、確か四日前です」
国木田独歩「確かに、虎の被害は二週間前からこっちに集中しているな。それに四日前に鶴見の辺りで虎の目撃証言もある」
中島敦「いやですよ!」
中島敦「おい、二人だけて捕まえる気か?まずは情報の裏を取って…」
太宰治「いい本」
中島敦「こんな暗い中でよく読めますね」
太宰治「目は良いから。それに内容は全て頭に入ってるし」
中島敦「じゃあ何で読んでるんですか?」
太宰治「何度読んでもいい本はいい」
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中島敦「すごい自信ですね。なんか羨ましいです。僕なんか孤児院でもずっとダメな奴って言われてて…その上、今日の寝床も明日の食いぶちも知れない身で…確かにこんな奴がどこでのたれ死んだって誰も気にしない…いや、いっそ虎に食われて死んだ方が…」
太宰治「落着きたまえ敦君。虎はあんな所からは来ない。そもそも変なのだよ。経営が傾いたからって、そんな理由で養護施設が児童を追放するかい?」
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太宰治「第一、経営が傾いたのなら一人二人追放した所でどうにもならない。半分くらい減らして他所の施設に移すのが筋だ」
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太宰治「君がこの町に来たのが二週間前。虎が町に現れたのも二週間前。君が鶴見の辺りにいたのが四日前」
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太宰治「同じ場所で虎が目撃されたのも四日前。国木田君が言っていたろう。武装探偵社は異能の力を持つ輩の寄り合いだと」
太宰治「そして、その力で成功する者もいれば、力を制御できずに身を滅ぼす者もいる」
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太宰治「多分施設の人達は虎の正体を知っていたが、君には教えなかったのだろう」
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太宰治「君だけがわかっていなかったんだよ。君も異能の力を持つ者だ。現身に飢獣を降ろす月下の能力者」
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太宰治「多分施設の人達は虎の正体を知っていたが、君には教えなかったのだろう」
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太宰治「君だけがわかっていなかったんだよ。君も異能の力を持つ者だ。現身に飢獣を降ろす月下の能力者」
太宰治「遅かったな国木田君。虎は捕らえたよ」
中島敦「何の事です?」
太宰治「あ、でもまだ右手に残ってる」

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