あらすじ
猛毒を飲み干した大佛は、麻痺や幻覚に苦しみながらもママ殺し屋に痛烈な反撃を見舞う。お化けを恐れる子供のような一面を見せつつも、大佛は鏡を割ることで相手が生身の人間であることを証明し、クローゼットに隠れた親子を壁ごと両断して勝利を収める。一方、神々廻と対峙する牛頭は、自身の胸に埋め込まれた装置とアルカマル時代の過酷な人体実験の過去を告白する。神々廻は殺しの先に何もないという虚無感に苛まれながらも、自分を必要とする大佛の存在を思い出し、生き残るために牛頭へ一撃を叩き込む。
概要
第252話は、ORDERの二人が抱える「殺し屋としての在り方」が対照的に描かれる回である。大佛は神々廻を独りにしないという純粋な執着を動力源として、致死量の毒を精神力でねじ伏せる。対する神々廻は、長年続けてきた「クズの掃除」という仕事に限界を感じ、組織の歯車として使い捨てられる運命を悟りながらも、勝手についてくるパートナーの存在によって、初めて自発的な生存本能を自覚する。牛頭の口から語られるアルカマルの非道な実態も含め、殺し屋たちの「理由」に焦点が当てられた資料性の高い一話となっている。
本文:ネタバレ
1. 猛毒を凌駕する大佛の執念とママ殺し屋の戦慄
毒風呂の水を飲み干し、決死の覚悟で胸ぐらを掴んだ大佛による、反撃の一撃が炸裂する。 ママ殺し屋はその衝撃に耐えきれず、激しい痛みに悶え苦しみながら、畜生と悪態をつく。
- ママ殺し屋は、あの量の毒水を飲み干してなぜ未だに動けるのかと、大佛の異常な生命力に対してありえないと驚愕する。
- 普通の人間であれば即死するレベルの摂取量でありながら、立ち上がろうとする大佛に対し、ママ殺し屋はその異変を鋭く観察する。
- 大佛は毒の影響で目の焦点も合っていない。ママ殺し屋は、毒は確実に効いていると確信し、この状態ならまだ殺れると判断して再び大佛への攻撃を試みる。
2. お化けの定義と鏡による生存の証明
ママ殺し屋が立ち上がって攻撃を仕掛けるが、大佛は毒の症状により相手の姿が二つに重なって見える幻覚に襲われる。
- 大佛は目をつぶったままの状態でママ殺し屋へ鋭い蹴りを入れ、二重に見える相手を指しておばけと呟く。
- ママ殺し屋は、大佛がお化けを異常に怖がっていたという弱点を思い出し、自身をあなたに殺されたお化けであると偽り、呪ってやると大佛を心理的に追い詰めようとする。
- しかし大佛は、おばけは鏡に映らないし影もないものだと冷静に否定し、その証明としてバスルームの鏡を粉々に割り砕く。
- 鏡に映るママ殺し屋の姿を確認した大佛は、鏡に映っているから大丈夫だと判断し、相手はまだ生きていること、そして死ぬのはこれからであることを冷徹に宣言する。
3. クローゼットの攻防と親子殺し屋の敗北
大佛の底知れない狂気に触れたママ殺し屋は、この子は人間ではなく化け物であると戦慄し、一刻も早くこの場から逃れるべく赤ちゃんを連れて逃走を開始する。
- ママ殺し屋はマンション内を逃げ惑い、何とかしてこの化け物から逃げ切らなければならないと焦燥を募らせる。
- 彼女は身を隠すためにクローゼットの中へと潜り込み、大佛に気づかれるなと心の中で強く念じる。
- しかし、その沈黙を破るように赤ちゃんが泣き声を上げてしまい、大佛に居場所を特定されてしまう。
- 大佛は「みぃつけた」と告げると同時に丸鋸を振り回し、クローゼットがある壁一面をママ殺し屋ごと豪快に両断する。
4. 戦いの終結と大佛の疲労困憊
壁を切り裂く一撃により、ママ殺し屋の首が切断され、長きにわたった大佛とママ殺し屋の戦いは大佛の勝利という形でひと段落を迎える。
- 全ての力を使い果たした大佛は、戦いによる激しい疲労と毒のダメージにより、その場に倒れ込む。
- 意識が遠のく中、大佛の思考はパートナーである神々廻へと向けられる。
- 大佛は神々廻に対し、待っていてほしいと願い、少し休んだらすぐに向かうからと、朦朧とする意識の中で彼との合流を強く望む。
5. 牛頭の独白とアルカマルの地獄
場面は変わり、神々廻VS牛頭。 両者の激しいぶつかり合いが続いている。 牛頭は、神々廻の粘り強い戦いぶりをなかなか頑張るじゃないかと評価する。
- 戦いの激しさにより牛頭の服が破れると、その胸の真ん中に不自然に埋め込まれた機械装置が露わになる。
- 神々廻はそれを見て、銭湯に入りづらそうだと皮肉を言うが、牛頭はタオルで隠せば意外と行けるものだと淡々と返す。
- 牛頭は、アルカマル時代に無理やり体を改造された過去を語り始める。当時、9人が同様の手術を受けたが、適合して生き残ったのは自分一人だけであった。
- 毎日、いつ拒絶反応が起きて死ぬか分からない恐怖に怯え、アルカマルで過ごした地獄の日々の中で、何度も自分の人生を呪ったと牛頭は激昂する。
- 殺連に奪われた自分や仲間の人生を取り戻すために戦っているのだと主張し、神々廻に対して邪魔をするなと怒りをぶつける。
6. 神々廻の懐疑と殺し屋としての虚無
牛頭の執念を目の当たりにした神々廻は、以前大佛と交わした会話を思い出す。 大佛に別の生き方があったのではないかと問いかけたあの時の記憶が蘇る。
- 神々廻の本音としては、実は自分自身こそが殺し屋を辞めたいと感じていた。
- ゴミを掃除するような仕事にストレスは感じていなかったが、いつからか、人を殺したその先に何も残らないという事実に空虚さを抱くようになっていた。
- 過去の回想の中で、神々廻は無数の屍が転がる中に立ち、武器を手にしながら、殺してもキリがなくクズは無限に湧いてくると冷めた視線で世界を見ている。
- この程度のことで秩序が保たれるのか、自分は何のために戦っているのか、結局は殺連の都合の良い道具として使われ、壊れたら捨てられるだけではないかと自問自答する。
7. 死ねない理由と神々廻の反撃
虚無感に包まれながらも、神々廻の脳裏にはいつも勝手についてくる大佛の姿が浮かぶ。
- 牛頭は、一流の殺し屋なら理解できるだろうと説き、神々廻では自分に勝てないと勝ち誇る。
- 神々廻は厄介な部下を持ってしまったと毒づきながら、かつて大佛が自分に向けて放った、一人で行かないでほしい、自分も連れていってほしいという言葉を思い出す。
- 来るなと言っても勝手に付いてくる大佛の性質を理解している神々廻は、大佛が来るのであれば、せめてその間だけは自分も生きていなければならないと生存への意欲を燃やす。
- 神々廻は死なれへんと宣言し、不意を突くような鋭い一撃を牛頭に見舞う。
- 牛頭が衝撃に呻く中、神々廻はもう少し付き合ってもらうと告げ、どこかで充電し直してこいと突き放す。
- 神々廻の脳裏には、どうしても今死ぬわけにはいかない明確な理由が刻まれていた。
まとめ
第252話では、大佛の圧倒的な勝利と、神々廻の秘められた葛藤が描かれた。 大佛の勝利と執念:
- 猛毒の影響で幻覚を見ながらも、鏡を用いて現実を把握し、クローゼットごと壁を両断してママ殺し屋を撃破した。
ママ殺し屋の敗走:
- 大佛を化け物と称して赤子と共に逃走を図るも、赤子の泣き声によって居場所を特定され、ORDERの力の前に沈んだ。
牛頭の過去:
- アルカマルでの過酷な人体実験の唯一の適合者であることが判明。殺連への強い復讐心が彼の動力源となっていた。
神々廻の虚無感:
- 殺しの連鎖に意味を見出せず、組織に使い捨てられる運命を悟りながらも、仕事への倦怠感を抱えていたことが判明した。
死ねない理由の自覚:
- 自分を独りにしないよう追いかけてくる大佛の存在が、神々廻にとっての「生きる理由」となり、牛頭への反撃へと繋がった。
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