第1020話 骨董盆は隠せない(後編)
?西津方玄 CV.佐藤正治
?蝶野欽治 CV.秋元羊介
?遠島基行 CV.古澤融
?坂巻鈴江 CV.津野田なるみ


コナン「あれ?お皿の裏、塗料が剝がれてるよ?剥がれた所はヒビみたいなのが入ってるし…」

阿笠博士「変じゃのォ…ワシが見つけた時は塗料なんて剥がれてなかったんじゃが…」


千葉和伸「骨董品に割と詳しい鑑識さんが来てくれることになったので」
遠島基行「割と詳しいって…冗談じゃない!自分の箱に入ってた盆が本物と鑑定されたら西津さんを殺害した犯人だと疑われてしまうんですよね!?」
蝶野欽治「そんな重要な役目をいい加減な知識の持ち主に任せられるか」
坂巻鈴江「私も同じ意見です。まぁ私なら、本物の堆黒盆が欲しいからって人を殺害するなんて事しませんけど」
世良真純「なぁ、あんた達、鑑定士がいなくても、本物と偽物を見分けることができるって言ったら」
世良真純「どうだ?」

世良真純「その盆には西津さんの血の指跡が付き」

世良真純「その後で、博士がその盆を真横に裏返したら」

世良真純「表には鶴の絵柄あって、そのクチバシがちょっど血の指跡と同じ方向を向いていたって…」

阿笠博士「あぁ…そうじゃと思ったんじゃか…」


目暮警部「鶴のクチバシが真上を向いた盆は一つもなかっただろう」

世良真純「じゃあ、もう一度確かめてみようよ!」

世良真純「博士が盆をひっくり返した時、血の跡が北東…時計でいうと1時半の位置に付いてたんだよな?」
千葉和伸「さっきは血の跡と同じ方向にクチバシが向いた盆は一つもなかったのに…」

世良真純「それは血の跡を真上にしていたからさ!皿のようなものに印が付いていて真横にひっくり返した裏にも、同じ所に印が付いていた場合」

世良真純「時計でいうと、1時半の位置に付いていたということは」

世良真純「その時、鶴のクチバシは10時半…北西の方向を向いていないと」

世良真純「裏返した時に同じ位置には来ないんだ」

世良真純「だから、血の跡を真上にして裏返した時、クチバシが同じ真上に向いていなくても当然なんだよ」

目暮警部「なるほど!じゃあ、やはり西津さんを槍で刺殺し、本物の盆を自分の箱に入れ替えたのは、遠島基行さん」

遠島基行「何でそうなるんですか!?」

遠島基行「その阿笠って人は西津さんに”本物はコレだ”と聞いていたようですが、犯人がそれを聞いていたかどうかわからないでしょ?」

遠島基行「犯人がただ単に捜査を攪乱する為に、全部の盆に似たような血の跡を付けて、それぞれ元の箱に戻しただけかもしれないじゃないですか!」

遠島基行「だから、私の箱に本物が入っていたのは、元々私の盆が本物だったからで」

蝶野欽治「おいおい、勝手な事ぬかすな!」

高木渉「どういうことだい?コナン君」

コナン「だってさぁ、犯人はあんなに長くて重い槍で鑑定士さんの頭を殴ったんでしょ?」

コナン「だから、おじさんやおばさんは力がないから、そんな重い槍を振り上げたら」

コナン「よろけて畳がきしんで音がして、西津さんに気づかれちゃうよ」

遠島基行「音!?」
遠島基行「実は、西津さんの補聴器は不具合を起こしていたんだよ。だから、たとえ犯人がよろけて畳がきしもうが、西津さんは微塵も気付かなかった…」
コナン「どうして知ってるの?」
遠島基行「え?」
コナン「西津さんの補聴器が不具合を起こしてたってどうして知ってるの?もしかして殴る前に本人に聞いたの?」
遠島基行「い…いや…それは…」
西津法玄「もしかして声をかけられましたかな?だとしたら申し訳ない。どうやらまた補聴器の具合が悪いようじゃ」

灰原哀「ええ、私達がここへ来る30分前に、博士が西津さんに送ったメールが開かれていなかったから、それがメールの着信音に気づかなかったためだったとしたら、その頃から補聴器が不具合を起こしていたのは間違いない」

目暮警部「遠島さん、確かあなた言ってましたね?西津さんが耳につけているのが補聴器だとは気づかなかったと」

目暮警部「西津さんが皆さんと普通に会話されていた事を踏まえると…」

目暮警部「やはり補聴器の不具合を知ったのは、コナン君の言う通り…」






遠島基行「似たような盆を持って来た人が私の他に2人もいて…居ても立っても居られずに、2人より先にここに鑑定結果を聞きに来たら」


西津方玄「これぞまさしく本物の堆黒盆じゃ!」

西津方玄「残念ながらあなたが持って来た盆ではなかったがね…しかしながら…」

遠島基行「それが私の盆だー!!」
遠島基行「500万…あと500万あれば…娘の手術ができるのに」
沖矢昴「だったら、あなたの盆でも十分だったと思いますよ」
沖矢昴「おそらく、他の2つの盆は贋作というより習作」
沖矢昴「名のある彫り師が若い頃に本物を手本にして彫ったであろう見事な品」
沖矢昴「本物にはかないませんが、おそらく数百万の値がついたかと…」
コナン「うん、簡単だよ」

コナン「殴られた時に西津さんの目の前に、本物のお盆があったんなら、そのお盆が入ってた箱は、その時カラだったはずだよね?」

コナン「だから多分、箱の中の座布団の真ん中にも血が飛んでる」

コナン「蝶野さんが本物の堆黒盆の持ち主だと思うよ」

蝶野欽治「やった!」


沖矢昴「ええ、”隠すより現る”」

沖矢昴「隠し事は隠そうとすればするほど、かえって人に知られてしまうものである、ということわざです。最後に”栗介”と書き記してあるのを踏まえると」

沖矢昴「おそらく、博士の伯父の栗介さんが、昔誤って割ってしまった小皿を接着剤で何とか修復したが、さすがにそのままではバレてしまうと思い」

沖矢昴「油絵の具で似たような色を皿全体に塗って、誤魔化そうとしたものの、バレて大目玉を食らってしまった」

沖矢昴「そこで栗介さんは、このことわざを書き込んだ箱に小皿を入れて、教訓にしたのではないかと…」

沖矢昴「小皿の塗料が一部剥がれていたのは」

沖矢昴「西津さんが画溶液で油絵の具をおとしたからでしょう」

コナン「あ、その事なんだけど」

沖矢昴「大丈夫、大体の予想はついている」

赤井秀一「(この目で見るまでは、とても信じられんがな…)」

コナン「(いや…違うんだ…世良と赤井さんの母親のメアリーさんが、APTX4869を飲んで)」
コナン「(今は中学生ぐらいに体が縮んでるってことを伝えたかったのは確かだけど…)」
コナン「(本当は確認したかったんだ)」
コナン「(メアリーさんの正体を)」
コナン「(あの頭脳と格闘術を兼ね備えたイギリス人。そして自ら”領域外の妹”と名乗った)」
コナン「(妹の英訳、シスターのつづりの”SISTER”から領域外の英訳、テリトリーの略称である”TER”を外すと”SIS”)」
コナン「(つまり、シークレット インテリジェンス サービス)」
コナン「(MI6の名でも知られるイギリスの情報局秘密情報部のこと)」
コナン「(それを暗示する”領域外の妹”という名をわざわざ教えたってことは、俺を試しているのか?)」

メアリー世良「私の口癖?」

世良真純「うん、たまに言ってるじゃない?フィフティフィフティって」

メアリー世良「ああ」

メアリー世良「お前の父、務武さんの口癖だよ」

メアリー世良「そういえば、死んだ長男にも、その口癖が移っていたな」



















































































